シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国文学作家作品研究(2)A | 2024 | 前期 | 月2 | 文学部 | 山下 真史 | ヤマシタ マサフミ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL3-A403
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
昭和12年に始まった日中戦争に材を取った作品を取り上げ、戦争がどのように描かれたかを詳細に読解していきます。具体的には、石川達三の「生きてゐる兵隊」「武漢作戦」、火野葦平の「土と兵隊」「麦と兵隊」などを取り上げます。また、当時の戦争と文学の関わり方、文学界の動向についても見ていきます。
この授業では、テキストの読解が中心ですが、「土と兵隊」の映画や軍歌なども参照しながら、当時の戦争の描かれ方を考えていきます。
科目目的
近現代文学の研究は、個々の作品の読みを深め、同時代との関係を見極め、文学史を構築することが大きな目標であると考えます。戦争に作家たちがどう対峙したかをきちんと理解することは、昭和文学のみならず、近代文学の歴史を考える上で重要です。感情的な批判ではなく、時代状況を踏まえて読むことで、作品に対する理解も変わってくるでしょう。今回取り上げるのは、15年戦争中の一時期、一局面ですが、二人の作家を比べて読むことで、文学が果たした役割を考えることが目標です。
到達目標
昭和の初めから、昭和6年の満州事変に始まり、昭和20年の敗戦に至るまでのいわゆる十五年戦争の中で、文学が積極的に戦争に関わり始めた昭和12、13年頃の文学状況を理解します。その上で、筆禍事件を引き起こした「生きてゐる兵隊」や、ベストセラーとなった「麦と兵隊」などを読み、二人の作家の姿勢を理解します。時代状況を背景に作品を詳細に読み解く能力を身につけます。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス、近代における戦争と文学概説
第2回 昭和の戦争と文学
第3回 石川達三の人となりと芥川賞受賞の「蒼氓」
第4回 「生きてゐる兵隊」の背景と作品の読解
第5回 「生きてゐる兵隊」の人間像
第6回 「武漢作戦」の読解と石川達三の戦後
第7回 火野葦平の人となりと芥川賞受賞の「糞尿譚」
第8回 「土と兵隊」の背景と映画
第9回 「土と兵隊」の読解
第10回 「麦と兵隊」の読解
第11回 「麦と兵隊」の人間像
第12回 戦記文学の作家たち
第13回 到達度確認
第14回 戦中と戦後の戦争文学についての総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 時間を限って試験を行い、知識が身についたかどうかを評価します。 |
レポート | 20 | 2回程度、ショートレポートの提出を求める予定です。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは石川達三『生きている兵隊』(中公文庫)、火野葦平『麦と兵隊・土と兵隊』(角川文庫)を用います。その他の作品は、必要に応じてプリントを配布します。