シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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近現代文学演習A | 2024 | 前期 | 月2 | 文学部 | 山本 智美 | ヤマモト トモミ | 2・3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL2-A805
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
村上春樹の短編小説を扱います。この授業では、作品分析を行い、何がいかに語られているかを理解してもらいます。最終的に、自ずと村上春樹という作家のイメージが立ち上がってきます。
村上文学はしばしば〈デタッチメント〉から〈コミットメント〉へという図式で論じられてきました。しかしこの図式に当てはめて読むと、全ての作品が同じような解釈にとどまってしまいます。履修者には、この図式に囚われず、独自性のある解釈を目指して作品分析を行ってもらいます(もちろん論拠を示しながらです)。
一つの作品を一人又は二人の発表者が担当します(履修者の人数によって変わります)。発表者はレジメを作成し、前日までにマナバにアップロードしてください。発表資料には、必ず先行研究を二つ引用し、それらに対する意見を提示してください。発表者以外は①作品を読み込むこと。②物語内容を五十字程度で紹介すること。③作品に対する疑問を用意すること。この三点を準備し、発言してください。
科目目的
卒業論文執筆のために、分析能力、調査能力、批評能力、論理的思考の獲得を目的とします。以下の三点を実践し、それらの能力を身に着けてもらいます。
・作品分析を行い、何がいかに語られているかを理解する(分析能力)。
・論拠を示しながら、自らの意見を表明する(論理的思考)。
・先行研究を引用し、それに対する意見を示す(調査能力、批評能力)。
到達目標
以下の五点を到達目標に定めます。履修者は目標達成を目指して、授業に取り組んでください。
・発表や議論の仕方を身につけることができる。
・論拠を示しながら意見を発表する。
・他者(先行研究、履修者)の意見に対して、自身の意見はいかなるものか認識する。
・当時の社会状況と作品を照らし合わせて考える。
・村上春樹という作家のイメージを獲得する。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス(各回発表担当者の仮決定、レジメ作成、参考資料などの説明)時間が余り次第、村上春樹文学に関する映像作品の視聴。
第2回 映像作品の続きを視聴。各回発表者の本決定。
第3回 講義:講師による発表(「螢」)
第4回 「納屋を焼く」
第5回 「TVピープル」
第6回 「眠り」
第7回 「神の子どもたちはみな踊る」
第8回 「かえるくん、東京を救う」
第9回 「蜂蜜パイ」
第10回 「めくらやなぎと、眠る女」
第11回 「クリーム」
第12回 「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」
第13回 「一人称単数」
第14回 総括・村上文学研究の現状と今後について
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
指定したテキストやレジメを事前に読み込むこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 担当した作品、授業で扱った作品のどちらかを対象に2000字程度のレポートを提出してください。 |
平常点 | 70 | 授業での発言、レジメ、授業への取り組みを総合的に評価します。発表をしない、質疑・討論に加わらない、作品を事前に読んでこない場合は評価の対象から外れる場合があります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
村上春樹『納屋を焼く』、新潮社、一九八四年七月。
村上春樹『TVピープル』、文藝春秋、一九九〇年一月。
村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』、新潮社、二〇〇二年。
村上春樹『レキシントンの幽霊』、文藝春秋、一九九六年一一月。
村上春樹『一人称単数』、文藝春秋、二〇二〇年七月。
※扱う作品のみ配布予定
参考文献
松本和也『テクスト分析入門 小説を分析的に読むための実践ガイド』、ひつじ書房、二〇一六年一〇月。
西田谷洋『学びのエクササイズ 文学理論』、ひつじ書房、二〇一四年四月。
本上まもる『〈ポストモダン〉とは何だったのか 1983―2007』、PHP研究所、二〇〇七年五月。
斎藤美奈子・成田龍一『1980年代』、河出書房新社、二〇一六年二月。
その他特記事項
なし