シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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近現代文学演習B | 2024 | 後期 | 月2 | 文学部 | 山本 智美 | ヤマモト トモミ | 2・3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL2-A806
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
一九八〇~二〇二〇年代に女性作家によって書かれた作品を扱います。この授業ではフェミニズム批評、ジェンダー批評をテーマに、時代ごとの女性の描かれ方を分析してもらいます。このテーマは私たちが生きる現実世界と密接にかかわっています。作品分析を通して、自らの生き方を問い直してほしいです。
当たり前ですが、履修者の性差を問うことはありません。遠慮も偏見も不要です。テキストと自前の意見があれば問題ありません。
今回の授業では、中編小説を扱います。内容と分量から前半と後半に分け、それぞれ発表してもらいます。一つの作品を一人又は二人の発表者が担当します(履修者の人数によって変わります)。発表者はレジメを作成し、前日までにマナバにアップロードしてください。発表資料には、必ず先行研究を二つ引用し、それらに対する意見を提示してください。発表者以外は①作品を読み込むこと。②物語内容を五十字程度で紹介すること。③作品に対する疑問を用意すること。この三点を準備し、発言してください。
科目目的
卒業論文執筆のために、分析能力、調査能力、批評能力、論理的思考の獲得を目的とします。以下の四点を実践し、それらの能力を身に着けてもらいます。
・作品分析を行い、何がいかに語られているかを理解する(分析能力)。
・テーマに従い、作品を分析する(分析能力)。
・論拠を示しながら、自らの意見を表明する(論理的思考)。
・先行研究を引用し、それに対する意見を示す(調査能力、批評能力)。
到達目標
以下の七点を到達目標に定めます。履修者は目標達成を目指して、授業に取り組んでください。
・発表や議論の仕方を身につける。
・論拠を示しながら意見を発表する。
・他者(先行研究、履修者)の意見に対して、自身の意見はいかなるものか認識する。
・設定されたテーマに沿って分析する。
・中編の考察に慣れる。
・当時の社会状況と作品を照らし合わせて考える。
・通時的な視点を持つ。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス(各回発表担当者の決定、レジメ作成、参考資料などの説明)時間が余り次第、本演習に関する映像作品の視聴。
第2回 映像作品の続きを視聴。各回発表者の本決定。
第3回 講義:講師による発表(津島佑子「黙市」)
第4回 山田詠美「風葬の教室」①
第5回 山田詠美「風葬の教室」②
第6回 金原ひとみ「蛇にピアス」①
第7回 金原ひとみ「蛇にピアス」②
第8回 村田沙耶香「コンビニ人間」①
第9回 村田沙耶香「コンビニ人間」②
第10回 宇佐見りん「推し、燃ゆ」①
第11回 宇佐見りん「推し、燃ゆ」②
第12回 市村沙央「ハンチバック」①
第13回 市村沙央「ハンチバック」②
第14回 授業のまとめと総括(時代の変遷、文学における女性の表象の変遷)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 担当した作品、授業で扱った作品のどちらかを対象に2000字程度のレポートを提出してください。 |
平常点 | 70 | 授業での発言、レジメ、授業への取り組みを総合的に評価します。発表をしない、質疑・討論に加わらない、作品を事前に読んでこない場合は評価の対象から外れる場合があります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
津島裕子『黙市』、新潮社、一九八四年一月。
山田詠美『蝶々の纏足・風葬の教室』、新潮社、一九九七年三月。
金原ひとみ『蛇にピアス』、集英社、二〇〇三年一二月。
村田沙耶香『コンビニ人間』、講談社、二〇一六年七月。
宇佐見りん『推し、燃ゆ』、河出書房新社、二〇二〇年九月。
市村沙央『ハンチバック』、文藝春秋、二〇二三年六月。
参考文献
荻野美穂『女のからだ フェミニズム以後』(新赤版 1476)、岩波新書、二〇二〇年一一月。
ソフィア・フォカ レベッカ・ライト著 竹村和子 河野貴代美『イラスト図解・‘‘ポスト”フェミニズム入門』、作品社、二〇〇三年九月。
その他特記事項
なし