シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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公益企業論 | 2024 | 後期複数 | 月4,木2 | 経済学部 | 後藤 孝夫 | ゴトウ タカオ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-ID3-33XX
履修条件・関連科目等
基礎ミクロ経済学の履修を終えていることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
公益事業(企業)の定義は明確に確定しているものではないが,一般的には,以下の4つの特性をもつサービスを提供する事業(企業)と考えられている。
①サービスの必需性
②サービスの在庫不可能性と即時性
③自然独占性
④ネットワーク産業としての特性
具体的な事業としては,電力事業,水道事業,電気通信事業,放送事業,郵便事業および交通事業(鉄道・航空・海上輸送など)があげられる。本講義では,ミクロ経済学の知見を用いて,上記公益事業の課題を分析・解説する。
科目目的
本講義の主たる目的は,現在の公益事業が抱えている課題を取り上げて分析することで,今後の望ましい公益事業のあり方について検討することである。
到達目標
本講義の到達目標は大きく2つある。第1の目標は,上記検討過程を通して,公益事業の現状や課題について,客観的にそして定量的に履修者が評価判断できるようになることである。第2の目標は,ミクロ経済学を用いて身近な公益事業を分析することで,応用ミクロ経済学分析の考え方を履修者に身につけてもらうことである。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション
第2回 経済学からみた公益事業の特性
第3回 ネットワークに起因する問題
第4回 規模の経済・自然独占の復習
第5回 外部効果の復習
第6回 規制の種類と根拠
第7回 公共料金理論
第8回 公正報酬率規制の問題点
第9回 インセンティブ規制
第10回 非線形価格(二部料金)
第11回 ピークロードプライシング
第12回 民営化の展開と構造改革
第13回 規制緩和の展開
第14回 PFIなど競争導入の仕組み
第15回 独占的競争・クールノー均衡の復習と公共事業への適用
第16回 シュタッケルベルク均衡・ベルトラン均衡の復習と公共事業への適用
第17回 ネットワークとアクセスチャージ
第18回 日本の電力事業の現状と課題
第19回 日本のガス事業の現状と課題
第20回 日本の水道事業の現状と課題
第21回 日本の郵便事業の現状と課題
第22回 日本の情報通信事業の現状と課題
第23回 日本の放送事業の現状と課題
第24回 日本の高速道路事業の現状と課題
第25回 ゲストスピーカーによる講義 電力事業の今後(変更の可能性あり)
第26回 ゲストスピーカーによる講義 ガス事業の今後(変更の可能性あり)
第27回 ゲストスピーカーによる講義 情報通信事業の今後(変更の可能性あり)
第28回 総括・まとめー今後の公益事業のあり方ー
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
「manabaに掲載される,あるいは講義時に配布されるレジュメや資料に目を通す」など,毎回の講義前後に必ず本講義の予復習を行うこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 公益企業論の基礎について理解したうえで、市場の失敗とその対策および資源配分の効率性と公平性の考え方を用いて、各産業政策の客観的な評価ができるかどうかを評価します。 |
レポート | 20 | 実際の産業政策を題材として、公益企業論の観点から履修者の客観的な意見を述べることができるかどうかを評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
・manabaなどを通じて配布された確認テストは,その解答や解法について授業中に説明いたします。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
・授業のなかでresponにより課題や意見を提出してもらう予定です。これを授業中に紹介し,教員がそれに対してリプライするなど,一部双方向型の授業を行います。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
・授業時に「respon」を活用し,一部双方向型の授業を実施します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
[テキスト]
塩見英治編『現代公益事業 ネットワーク産業の新展開』,有斐閣,2011年(9784641183995)
塩見英治監修,鳥居昭夫・岡田啓・小熊仁『自由化時代のネットワーク産業と社会資本』,八千代出版,2017年(9784842917009)
[参考文献]
依田高典『ネットワーク・エコノミクス』, 日本評論社,2001年(4535552487)
江副憲昭『ネットワーク産業の経済分析』,勁草書房,2003年(4326502444)
その他,適宜講義内容に沿ったレジュメや資料を配布する