シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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English Seminar(3) | 2024 | 前期 | 火4 | 文学部 | 安藤 和弘 | アンドウ カズヒロ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-EX3-B109
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
Jonathan Coeの長篇小説、Expo 58 (2013)を読む。Coeは、日本ではどういうわけかほとんど紹介されていないのだが、英国文壇では確固とした地歩を築き、高い評価を受けている作家である。1980年代のサッチャリズムを痛烈に諷刺したWhat a Carve UP! (1994)以後、優れて英国的ユーモアのセンスが効いた社会諷刺連作を物し、現代英国を代表する作家の一人としての地位を確かなものとした。この講座で取り上げる作品は、ユーモアに富んだスパイもの。時代は1958年、舞台はロンドンとその年に開催されたブリュッセル万国博覧会。時代は1958年。読者を飽きさせることがない楽しい作品であるが、叙情的な側面も併せ持っている。また、大英帝国が崩壊した第二次世界大戦後、英国が自国をどう表象しようとしていたのかを垣間見ることもできる。
初回は教員がこの作品と作家について概説をする。以降の授業は、演習形式で行う。毎回、3名程度の受講者に発表をし、そのあと、全員参加で質疑応答を行う。その際、語学的な詮索をまずは行い、それから、時間が許す限り、文学的な議論へと教員が導くようにする。一定の分量の英文を毎週コンスタントに読みこなすことに重点を置くので、語学的に、細部の理解は必ずしも完全でなくても良い。
この学期は作品の前半を読む。
科目目的
今日のイギリスの文壇を代表する作家の作品に触れ、その作家の他の作品を読むきっかけを作ること。あるいは、現代イギリス小説一般への関心を高めること。
標準的な英語で書かれた小説を読むのに必要な英語力を地道な養成と、理解は完全でなくても良いのであらすじをおよそ把握しながら小説を通読する才覚を身につけること。
到達目標
邦訳がない小説を自力で読む術と感覚を身につけること。細部の理解はできていなくても良いので、あらすじを把握しながら、一定のペースで小説の英語を読み進めることができるようになること。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション
第2回 1~10頁 (We’re all excited about Brussels)
第3回 11~20頁 (We’re all excited about Brussels, What’s gone is gone)
第4回 21~30頁 (What’s gone is gone, These are modern times)
第5回 31~40頁 (Trying to build up a picture)
第6回 41~50頁 (Welcom terug)
第7回 51~60頁 (Rum sort of cove, Calloway’s Corn Cushions)
第8回 61~70頁 (Calloway’s Corn Cushions, Motel Expo)
第9回 71~80頁 (Motel Expo, The British are part of Europe)
第10回 81~90頁 (We deal in information)
第11回 91~100頁 (We deal in information, I can love whoever I want)
第12回 101~110頁 (The girl from Wisconsin)
第13回 111~120頁 (The girl from Wisconsin, Artificial stimulants)
第14回 総括・まとめ
(以上は予定であり、変更はありえる。)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回の授業に向けて、受講学生各自、指定された内容の予習を行う。発表の担当がある場合とない場合とで予習のしかたは異なるが、詳細は初回に説明をする。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 発表のでき具合(80%)とその他授業中の発言(20%)で総合評価。 |
成績評価の方法・基準(備考)
受講者数が確定した時点で改めて教室で通知する。正当な理由なく3回欠席をすると、原則、自動的に成績評価の対象から外れる。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:
Jonathan Coe, Expo 58
Penguin (2014)
ペーパーバック版
ISBN: 978-0241966907
生協に入荷される版を購入のこと。他の版の使用は一切、電子書籍版も含めて、認めない。
参考文献:
青木和夫・丹治竜郎・安藤和弘、『知っておきたいイギリス文学』(明治書院、2010)
その他特記事項
文学史も含めて英文学についての予備知識は特に必要としない。英語力が一定レヴェル以上あり、文学あるいは英国文化に関心がある諸君に受講を勧める。
初回に、ここに書かれていない詳細事項も含めて、履修をする上で知っておくべきことをすべて話すので、その回は必ず出席すること。