シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政策文化関係論 | 2024 | 前期 | 水4 | 総合政策学部 | 櫻井 秀子 | サクライ ヒデコ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-SL3-0001
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、現在の新自由主義経済政策を基軸とする覇権的グローバリゼーションの諸問題(格差、戦争など)について考察し、それに抗するSDGsやイスラーム経済を取り上げ、文化と政治経済の関係を中心に論じていく。具体的には、覇権的グローバリゼーションの本質や、一元的社会システムの埋め込みのためのショック・ドクトリン、戦争の商品化、実体性を欠くビジネスの隆盛など、覇権的グローバリゼーションの諸問題の根源を明らかにする。その解決の方向性の一つの事例として、社会に埋め込まれた経済、自立と相互扶助の交差する経済社会、交換と贈与の両軸によって支えられる経済システムについて、具体的事例を検討し、ポスト資本主義の方向性について考える。
科目目的
本講義では、政策にいかに文化が関わっているかについて、覇権的グローバリゼーションとそこからの脱却の方向性に焦点を当て考察を進める。その目的は大別して以下の2点にまとめられる。(1)日本においても喫緊の課題である格差や紛争や戦争について、その原因を明確にとらえること、(2)交換と贈与、自助と共助が両立する社会経済、利他主義、他力的経済社会のあり方を理解することである。
到達目標
新自由主義政策について理解し、交換一元的な市場社会が人間性に及ぼす影響を把握し、近代経済システムのオルタナティヴの一つとしてイスラーム経済システムに関する知識を習得して、贈与―交換のバランスのとれた経済システムの可能性について考察するに足る知見を得る。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション:講義の概要
第2回 覇権的グローバリゼーション:ネオ・コロニアリズム、開発援助政策、
第3回 新自由主義政策の史的展開:負債と構造調整政策
第4回 ショック・ドクトリン
第5回 プロパガンダと戦争ビジネス
第6回 市場化社会と人間性の危機
第7回 SDGsの登場の背景-覇権的グローバリゼーションに抗する運動
第8回 SDGsの諸目標
第9回 イスラーム経済にみるSDGs
第10回 イスラームにおける 無利子金融、マイクロファイナンス
第11回 イスラームにおける喜捨経済:自助と共助の交差
第12回 日本における共助
第13回 ポスト資本主義について考えるー交換と贈与の共存の合理性
第14回 総括・到達度確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 講義内容の理解度 |
平常点 | 40 | 当日の講義出席によって得た知見の提示(授業時間内、リアクションペーパーによる) |
成績評価の方法・基準(備考)
コロナ等の不測の事態によって対面授業でなくなった場合には、成績評価の方法・割合は変更せざるをえないが、変更点についてはそのような事態になった時点で講義において説明する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<教科書>
櫻井秀子『イスラーム金融ー贈与と交換、その共存のシステムを解く』新評論、2008年
<参考文献>
クライン、ナオミ『ショックドクトリン上下』岩波書店、2011年
デヴィッド・グレーバ―『負債論』以文社、2016年
テツオ・ナジタ『相互扶助の経済』みすず書房、2015年
ジョージ、スーザン『これは誰の危機か、未来は誰のものか』岩波書店、2011年
ハーヴェイ、D『資本主義の終焉―資本の17 の矛盾とグローバル経済の未来』作品社、2017年
その他、適宜、講義において紹介する。