シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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イギリスの文化(1) | 2024 | 前期 | 木4 | 文学部 | 松村 伸一 | マツムラ シンイチ | 1・2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-EX1-B201
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
イギリス文化の多様な側面について、近年の状態とそこに至る歴史的経緯を紹介する。毎回ひとつのテーマを取り上げた講義動画(解説音声付きのプレゼンテーション資料)を配信し、その内容を踏まえた小テスト(manabaを利用)に答えてもらう。広く浅くイギリスについて知ってもらう方向性の授業となるが、一見つながりのない側面の間に、思いがけない共通点やつながりが見つかることもあるだろう。
授業時間外の学習として、イギリス映画やイギリス文化関連書籍などに自主的に触れてもらいたい。学期末レポートでは、講義内容と関連付けつつ、自主学習の成果について書いてもらうことになる。
また、補助的な自主学習課題として、授業時間外にQuoraなどインターネット上のナリッジ共有サイトを利用して異文化圏の人々と交流し、文化的差異について自ら情報収集し、発表する機会も設ける。これについては学期半ば頃に詳細を案内する。
科目目的
この授業では、旧植民地やEU諸国など多様な文化との相互関係を持ちながら現在に至る、イギリスの文化と社会の全般について主に歴史的見地から幅広い知識を提供すること、またその知識を踏まえて、日英の文化的差異および、イギリスを(ひいては世界を)構成する多様な文化のあり方について考えを深めてもらうこと、さらにはイギリスなど外国人との交流(限られた形であれ)を持つことでそうした文化的差異や文化の多様性を体験的に理解してもらうことを目的とする。
到達目標
1)イギリスの文化と社会の全般について、その近年の状況だけでなく、そこに至る歴史的経緯について、(ひとまずこの授業で紹介される程度の)幅広い知識を得る
2)この授業で得た知識を活用して、イギリス映画やイギリス文化関連書籍に自主的に触れる中で、今まで気づかなかった事柄に気づいたり、奥行きのあるイギリス文化理解に近づいたりすることができる
3)インターネットを通じてイギリスなど外国人と交流する機会を持ち、日英の文化的差異や文化的多様性について体験に基づいて考えを深めることができる
授業計画と内容
第1回:イギリス小史:世界の中のイギリスをみる意義
第2回:イギリスの地理・風土・自然環境:文化の物理的基盤
第3回:イギリスの国民性と地域性 的多様性:異文化共生という課題
第4回:イギリスにおける階級:生活様式や言語的多様性
第5回:イギリスの宗教と民族:文化的多様性とその共存
第6回:イギリス・帝国・戦争:人種的多様性はどのように生まれたか
第7回:イギリスの歴史遺産と建築:文化の保存か破壊か
第8回:イギリスの教育:異文化理解・共生との関係から
第9回:イギリスの文学:ハイカルチャーからローカルチャーへ
第10回:イギリスの美術・デザイン:ヨーロッパの中のイギリス文化の特異性
第11回:イギリスの音楽・舞台芸術・映画:アートによる「英国性」の形成
第12回:イギリスの生活文化:なぜイギリス料理はまずいのか
第13回: イギリスのスポーツ:イギリス固有の文化から世界文化へ
第14回: イギリスにおける犯罪:なぜイギリスは推理小説大国になったか
◆希望者限定ではあるが、第12~4回にわたって、各自がナリッジ共有サイトなどを利用して収集した情報を、manaba上にて発表・共有してもらうことも考えている
◆定期試験は実施しない
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義動画を視聴し、小テストに回答するまでを「授業時間」とする。以下は「授業時間外」に受講者に取り組んでほしい学修内容。
[事前学習]次の授業で取り上げるテーマについて、(1)日本文化の同じ側面について他国の人に伝えるとして、自分ならどんなことを伝えるか、(2)イギリス文化のその側面について自分はどんなことを知っているか、の2点を考えておくこと。
[事後学習]授業で紹介された映画や本などの中から、興味を懐いた物を自分で視聴したり読んだりして、気づいたことはメモしておく。もちろん、映画や本などをさらに自主的に探して、自分で触れてもらえれば、さらに良い。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 1)レポート対象の内容が適切に紹介されているか(不必要なあらすじ紹介にとどまらず、要点を押さえた記述になっているか)。 2)イギリス文化に関する正しい知識に基づいた記述がされているか。 3)自分なりの「発見」があるか(今まで誰も気づかなかったような新発見を求めているわけではありません。あくまで「自分なりの」発見です)。 |
平常点 | 50 | manaba上で実施する小テストの点数に基づく。 |
成績評価の方法・基準(備考)
◆ナリッジ共有サイトを利用した情報共有の貢献については、イギリス文化(とその多様性)の理解に役立つと思われる程度に応じて加点する。
◆最終的な成績は、受講者全員の中央値(median)が75点程度となるよう点数調整のうえで算出される。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【参考文献】
・下楠昌哉編『イギリス文化入門(新版)』三修社、2023年
・木下卓/窪田憲子/久守和子『イギリス文化55のキーワード』
ミネルヴァ書房、2009年
・板倉巌一郎/スーザン・K・バートン/小野原教子『映画でわかるイギリス文化入門』松柏社、2008年
その他、各テーマに関連する参考文献は授業内で随時紹介する。
その他特記事項
◆講義動画の配信や小テスト、質疑、情報共有など、この授業に関連する活動は、基本的にすべてManabaを利用して行います。その使用方法については、大学からの案内に従って、各自で習熟しておいてください(特に技術的に複雑な作業を求めることはありません)。
◆ナリッジ共有サイトを利用した情報収集については、学期半ば頃に詳しい案内をする予定です。それまでは特に気にする必要はありません。
◆学期末に提出してもらうレポートについては、ネットや書籍からの剽窃・無断借用が見つかった場合には無条件で成績は不可となります。なお、語尾や一部語句を差し替えての借用を、最も悪質な(悪意ある)不正行為と見なします。
たとえ情報源を適切に示して引用している場合でも、自分で考えて書いた文章が全体の70%以上を占めることが必要です。他人の文章の寄せ集めにとどまっている場合には、不可ないしきわめて低い評価が与えられます。
もちろん、授業内容を著しく誤解している場合も、評価は低くなります。
反対に、授業内容をよく理解した上で、自分なりの関心に沿って本や映画などに取り組み、そこから自分なりの「発見」を引き出しているレポートを高く評価します。