シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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異文化交流演習(2) | 2024 | 後期 | 金5 | 文学部 | 辻 朋季 | ツジ トモキ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-DT2-C852
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
近現代のヨーロッパ及び日本おける、国民国家をめぐる様々な理論や言説を取り上げながら、一民族・一言語・一国家に代表される国家のありようが近代に特有の概念であること、またこの国家の枠組みがいかなる問題を孕んでいたのか、国民国家を克服するどうような試みがなされてきたのかを学んでいきます。その際には、ドイツにおいて重視された文化(Kultur)の概念について、フランスが重視した文明(civilisation)概念との性質の比較、また日本における文明・文化概念の受容プロセスにも留意しながら認識を深めていきます。
科目目的
(1)近代国民国家論について学ぶことで、一民族・一言語の均質的な国家のあり方が近代に特有の、恣意性をもった概念であることを理解する。
(2)「文化」という概念の背景に、ドイツとの文化交流が密接に関わっていることを知るとともに、フランスの「文明」概念との比較も通して、植民地主義や人種主義との関連についての認識を深める。
到達目標
(1)近代国民国家論やドイツ特有の「文化」概念について多面的に考察を深め、批判的・創造的思考力、広い視野と国際性、文化的現象の分析力を身につける。
(2)テーマ発表とその準備を通して、プレゼンテーションやコミュニケーションの能力を身につける。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション。授業の進め方についての解説、問題提起を行う。
第2回 国民国家について、ドイツらしさ・日本らしさについて(批判的)考察を行う。
第3回 近代国民国家について、『想像の共同体』を読みながら考える。
第4回 ドイツのナショナリズム、近代ドイツの国民国家形成のプロセスについて学ぶ。
第5回 ドイツの国民国家形成の動きと思想的背景について、グリム兄弟を例に学ぶ。
第6回 フランスの「文明」概念とドイツの「文化」概念について比較・検討する。
第7回 日本におけるナショナリズムについて、日本「文化」創出の過程を学ぶ。
第8回 国民国家の問題点と限界について、ナチズムをもとに考える。
第9回 移民社会ドイツをもとに、ナショナリズムの現在と今後について考える。
第10回 テーマ発表とディスカッション(1)
第11回 テーマ発表とディスカッション(2)
第12回 テーマ発表とディスカッション(3)
第13回 テーマ発表とディスカッション(4)
第14回 今学期のまとめと総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | テーマ発表の原稿を文章化し、引用文献なども明記したレポートを作成してもらいます。 |
平常点 | 30 | 授業への積極的な参加。 |
その他 | 30 | 授業内でのテーマ発表。 |
成績評価の方法・基準(備考)
欠席が3回を超える者は履修意志がないものと判断します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業で使用するテキストは、授業内で適宜配布します。
(参考文献)
ベネディクト・アンダーソン(白石さや他訳):『増補・想像の共同体』、NTT出版、1997年。
西川長夫:『国境の超え方』、平凡社、2001年。
今井道兒:『「文化」の光景―概念とその思想の小史』、同学社、1996年。
エドワード・W・サイード:『文化と帝国主義』、みすず書房、1998年。
その他特記事項
【進度や内容について】
各回の授業テーマは、学生の関心・知識・語学力の程度に応じて適宜変更することもありうる。