シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スポーツと地域社会 | 2024 | 後期 | 水1 | 文学部 | 関根 正敏 | セキネ マサトシ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-HS1-T915
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
現代社会において、人間関係の希薄化や老人の孤独死、若者の非行、限界集落など、私たちの暮らしの場である「地域」には多くの問題が存在します。地域が抱えるこうした問題の解決に対して、スポーツはどのように貢献できるのでしょうか。この問いへの回答として、日本のスポーツ政策の中で期待を集めてきたのが「地域スポーツクラブ」による地域活性化という視点でした。「スポーツをしたい」、「スポーツが大切」といった共通の関心を持つ地域住民が集まり、クラブをつくり、そこで地域の絆を深める。そして、その絆を活用して、様々な地域問題の解決につなげようとしてきたのです。
この授業では、スポーツの基本的特性に関する知識を習得し、またスポーツ政策の現代的な展開に関する知見について学習しながら、スポーツを地域活性化の「ツール」として捉える視点に関して理解を深めていきます。スポーツは、誰からも強制されない自由な「遊び」としての特徴を持ち、日常生活に必要なものや経済的な利益をもたらさない非生産的な活動として定義されることがしばしばあります。しかし現実には、スポーツは人々に何のベネフィットも与えない単なる遊びではなく、生活に役立つ様々な価値を社会にもたらす側面も兼ね備えているのです。講義のなかでは、地域活性化に向けたツールとしてのスポーツの可能性を検討しつつ、スポーツによる地域づくりの困難さや限界性についても議論していきたいと思います。そして授業の最終課題として、地域を元気にするためのスポーツの活用プランを検討する課題を課し、スポーツの活用可能性について実践的な視点も学習することも目指します。
科目目的
・現代社会で展開されるスポーツ政策について基本的な知識・考え方を習得する。
・地域活性化に向けたツールとしてスポーツを見做す発想に触れ、その可能性と限界性に関する理解を深める。
到達目標
・スポーツ政策をめぐる基本的知識(スポーツの価値やスポーツ政策の現代的展開など)について理解を深め、他者に説明できるようになる。
・地域活性化に向けたツールとしてスポーツを捉えることができるようになり、その実効的な活用プランを自らの言葉で説明できるようになる。
授業計画と内容
1.オリエンテーション
2.人とスポーツの関わり:「スポーツが持つ力」とは
3.誰がスポーツの場を支えているのか
4.私たちがよく知るスポーツのかたち:近代スポーツの誕生プロセス
5.近代オリンピックの変遷〜誕生、拡大、そして…〜
6.地域というフィールドにフォーカスする:都市化と生活様式
7.中間まとめ
8.地域とスポーツの結びつき:Jリーグの誕生と地域密着
9.地域とスポーツの結びつき:鹿島開発とアントラーズ
10.日本のスポーツはどこに向かうのか:日本のスポーツ政策の現状
11.ソウゴウガタチイキスポーツクラブって何?
12.地域活性化に向けたスポーツ・プロジェクト
13.期末課題の要点整理
14.授業の総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 70 | 中間と期末にレポートを課します。 (評価基準:スポーツ政策についての基礎知識、スポーツによる地域プランの完成度等) |
平常点 | 30 | リアクション・ペーパーの内容。 (評価基準:授業の理解度や発展的学習の状況で評価。) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
テキストは指定しません。適宜、資料を配付します。
〔参考書〕
・菊幸一ほか『スポーツ政策論』,成文堂,2011年
・柳沢和雄ほか編著『よくわかるスポーツマネジメント』, ミネルヴァ書房, 2017年
・高岡敦史・松橋崇史『スポーツまちづくりの教科書』, 青弓社, 2019