シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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会計学 | 2023 | 春学期 | 金5 | 国際経営学部 | 原 郁代 | ハラ イクヨ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GM-OM2-CC05
履修条件・関連科目等
授業で簿記の基礎知識について講義を行いますが、日商簿記3級程度の簿記の知識があることが望ましいです。また、授業で学んだ会計の知識を発展させるため、「管理会計論」「国際会計論」「財務論」の履修をお勧めします。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業は、主に財務諸表を通じてビジネスの実態について理解し、合理的な企業経営の基礎知識の習得を目的としています。
授業前半では財務諸表作成プロセスの基礎と作成された財務諸表の読解・分析について学習します。まず、複式簿記の仕組みを理解することによって財務諸表作成プロセスの基礎知識を習得します。次に、作成された財務諸表によって株主、投資家、債権者、消費者等のステーク・ホルダーがどのような会計情報を得ることができるのかということについて、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の読み方・分析方法についての講義を通じて学習します。こうした基礎知識修得後、eolという中央大学図書館のデータベースを使った企業分析についての実習を株式会社アイ・エヌ情報センターのご担当者と中央大学図書館閲覧課のご協力を得て行います。この実習はレポート作成の基礎となります。
授業後半では、財務諸表作成の基礎となる会計システムと会計基準について学習します。「会計システムが経営戦略に果たす役割」というテーマでゲストスピーカーによる講義・ディスカッションを実施します。収集・分析した会計情報の意味を知るため、企業の実際の財務諸表を素材にして会計基準の果たす役割について学修します。
授業内容を変えることはありませんが、授業の手法については状況により変えていくつもりです。manabaの掲示板でその都度お知らせします。また、対面授業に出られないことに対する合理的な配慮が必要な学生は、manabaを活用してフォローします。具体的には、動画資料を含む講義資料をすべてmanabaに掲載するとともに、提出課題もすべてmanabaを通じて行います。質問や連絡事項のやり取りは、manabaの個別指導コレクションを通じて実施します。
質問は大歓迎です。皆さんの質問によって分からないことが明らかになり、授業内容の理解が深まると考えています。
科目目的
学生のみなさんが財務諸表の作成方法や作成のための基礎となる会計基準を理解するとともに、ステーク・ホルダーに対して、経営者あるいは会社の経理・財務担当者として会社の発信する会計情報の意味を説明できるようにすることを本授業の目標とします。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
①財務諸表作成プロセス(簿記一巡の手続き)を理解できるようになること。
②財務諸表の読み方を理解し、財務諸表を使って企業の分析ができるようになること。
③有価証券の読み方を理解し、有価証券報告書を使って企業の分析ができるようになること。
授業計画と内容
第1回 会計学を学ぶ意義
第2回 財務諸表作成プロセス① 複式簿記の仕組み
第3回 財務諸表作成プロセス② 取引の仕訳~総勘定元帳への記入
第4回 財務諸表作成プロセス③ 決算整理前残高試算表の作成
第5回 財務諸表作成プロセス④ 精算表の作成
第6回 貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の読み方・財務分析
第7回 有価証券報告書の読み方
第8回 データベース(eol)を使った企業分析の実習
(eol版元である株式会社アイ・エヌ情報センターのご担当者と中央大学図書館閲覧課による実習)
第9回 ゲストスピーカーによる講義とディスカッション
テーマ「会計システムが経営戦略に果たす役割」
第10回 会計基準の果たす役割 ① 総論・金融商品
第11回 会計基準の果たす役割 ② 棚卸資産
第12回 会計基準の果たす役割 ③ 固定資産
第13回 会計基準の果たす役割 ④ 引当金
第14回 会計基準の果たす役割 ⑤ 収益認識
なお、各回の授業では、担当教員の職歴(京橋監査法人 公認会計士、在職2007年6月~2022年10月)の経験に基づく内容も多く含みます。また、第9回ゲストスピーカーによる講義では、森宗央先生(SAPジャパン株式会社 テクニカルクオリティーマネージャー)及び 西田雅彦先生(マークス税理士法人 代表社員)によるご講演の後、学生の皆さんとディスカッションをします。森先生は、大企業を中心に多くの導入実績があるSAPジャパン株式会社で財務会計を含む統合基幹業務システム(ERP:Enterprise Resources Planning)導入をご担当されています。西田先生は、会計システムやプロジェクトファイナンスに関するコンサルティングを中心にご活躍されています。ERPが企業経営に対して行いうる支援と限界について、森先生はSAP(グローバル企業向けERP)の観点から、西田先生はfreee(中小企業向けERP)の観点からご講演頂きます。授業はディスカッションを中心に行います。ディスカッションを行うことによって、会計を学ぶ意義について再確認できるでしょう。将来コンサルティング業務に携わりたい学生の皆さんも現場の話を聞くことによって、皆さんが日ごろ学修している知識との関連を知ることができると思います。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業前にmanabaに掲載するレジュメに目を通すとともに、授業後に授業内容や授業で扱った練習問題を復習してください。また、授業に関連する文献について授業内で紹介していくので、興味を持った文献を読んで、分らないことがあったら積極的に質問してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 各自興味を持った企業の有価証券報告書を分析していただきます。レポートの書式や評価基準については授業で説明します。指定した内容の記述(財務分析)に対して20%、各自の視点に基づく分析について20%で評価します。レポートには部分点を設け、指定した内容に基づく分析のみでも提出可能にしています。 |
平常点 | 60 | ①課題提出 毎回授業時に知識確認のための課題を出し、その課題を提出していただきます。提出回数が授業の出席回数であり、平常点です。 ②ディスカッションへの参加 ゲストスピーカーによる講義へ出席し、ディスカッションに参加すること(発言内容を評価するのではありません)を意味します。事前課題を提出して頂く予定です。詳しくは授業で説明します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
評価の前提条件:出席率が70%に満たない者、課題を提出しない者についてはE判定とします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
第8回に有価証券報告書のデータベースであるeolを使った企業分析の実習を行います。
株式会社アイ・エヌ情報センターのご担当者と中央大学図書館閲覧課のご協力を得て行います。
第9回にゲストスピーカーによる講義とディスカッションを行います。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaの掲示板や個別指導コレクションを通じて学生の質問や意見を把握し、それらに対して適宜対応していきます。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
監査法人で公認会計士として会計監査業務に15年携わってきました。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
財務諸表作成について会計実務を意識した講義を行います。
財務諸表や有価証券報告書について実務経験を通じた分析の視点を講義に活かしています。
テキスト・参考文献等
特定のテキストは使用せず、動画資料、パワーポイン資料などによって授業を行います。以下の簿記の参考文献以外は授業で随時紹介します。
「参考文献」
滝澤ななみ『スッキリわかる 日商簿記3級』第14版 TAC出版2023年