シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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政治学演習1(B) | 2025 | 前期 | 月4 | 法学研究科博士課程前期課程 | 山崎 望 | ヤマザキ ノゾム | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-PS5-703S
履修条件・関連科目等
この演習は、月曜3限の「政治学特講1(B)」(山崎担当)と一体的な運用を行います。
「政治史演習1(B)」(山崎担当)のみの受講は認めません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
近年、ウクライナ戦争やパレスチナ虐殺をめぐって、国際秩序を主導してきた欧米諸国に対して、政治的・経済的影響力を増してきたグローバルサウス諸国からの批判が噴出するなど、現実と規範の双方の側面において、欧米諸国中心の国際秩序は揺らぎをみせている。また国内においても社会的分断や対立の深化など、自由民主主義や福祉レジームも危機に陥っている。本演習では「植民地主義(colonialism)」の観点から、歴史的展開を踏まえた考察を行うことで、現代世界における変化を捉えることを目的とする。
科目目的
本演習では、植民地主義の観点から研究を進めたテキストを精読することを通じて、隣接諸分野(とりわけ経済学、社会学、歴史学)との関係を視野に入れ、政治学(国際政治学を含む)というディシプリンを再検討することを目的の一つとする。
また「政治学特講1(B)」(山崎担当)と併せて、世界規模の複雑な支配/従属関係を把握することと、それに対する規範的な社会構想について考察を深めることも目的の一つである。
到達目標
この演習は「政治学特講1(B)」(山崎担当)と一体で運用されます。両者を通じて、民族・人種・階級・ジェンダー・セクシュアリティをめぐる政治学の先行研究と、世界的・歴史的な視野を持つ植民地主義をめぐる隣接諸分野の研究を学び、現代政治理論の刷新に寄与する力をつけることが到達目標です。
授業計画と内容
第1回 植民地主義とは何か
竹内幸雄「帝国、帝国主義、覇権そしてグローバリゼーション」
松下冽・藤田憲『グローバル・サウスとは何か』ミネルヴァ書房
(参)小倉英敬『「植民地主義論」再考』
第2回 脱植民地主義
デイン・ケネディ『脱植民地化』2023年、白水社
第3回 冷戦と脱植民地主義
『岩波講座世界歴史』22・23巻(岩波書店)から論文抜粋
第4回 新植民地主義
西川長夫『<新>植民地主義論』(平凡社)
第5回 世界システム論
E・ウォーラーステイン『史的システムとしての資本主義』(岩波文庫)
第6回 グローバル都市論(1)
M・ディヴィス『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』(明石書店)
第7回 グローバル都市論(2)
M・ディヴィス『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』
第8回 ネオグラムシ主義(1)
S・ギル『地球政治の再構築』前半(朝日新聞社)
第9回 ネオグラムシ主義(2)
S・ギル『地球政治の再構築』後半
第10回 「帝国」論(1)提唱
A・ネグリ『マルチチュード』前半(NHK出版)
第11回 「帝国」論(2)発展
A・ネグリ『マルチチュード』後半
第12回 グローバル・サウスをめぐって
『岩波講座世界歴史』24巻(岩波書店)から抜粋
グローバルサウス論関連論文
第13回 オキュパイ運動からBLM運動まで
関連文献・論文からン抜粋
第14回 第三世界フェミニズムの可能性
岡真理『彼女の正しい名前とは何か』(青土社)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
報告者は、課題文献の要約(レジュメ)と私見を作成し、事前に配布してください。
配布方法などは初回に伝えます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 議論への参加、報告回数における報告を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
レジュメの配布などにmanabaを使用予定です。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
※文献入手の方法については授業初回に指示します。
【テキスト】
・松下冽・藤田憲『グローバル・サウスとは何か』ミネルヴァ書房
・デイン・ケネディ『脱植民地化』白水社
・『岩波講座世界歴史』22・23・24巻、岩波書店
・西川長夫『<新>植民地主義論』平凡社
・E・ウォーラーステイン『史的システムとしての資本主義』岩波文庫
・M・ディヴィス『スラムの惑星―都市貧困のグローバル化』明石書店
・S・ギル『地球政治の再構築』朝日新聞社
・A・ネグリ『マルチチュード』NHK出版
・岡真理『彼女の正しい名前とは何か』青土社
【参考文献】
・Dipeth Chakrabarty,2000,ProvincializingEurope:Postcolonoal Thought and Historical Differenece,
Princeton University Press
・Patricia Hill Collons,Sirma Bilge,2020, ,Intersecutionality,”2nd Edition,Polity Press
・Keeanga-Yamahtta Taylor,2016,Black Liberation:From #Black Lives Matter to Black
Liberation,Haymarket Books