シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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中国文化講義(1)A | 2024 | 前期 | 金2 | 文学部 | 川野 明正 | カワノ アキマサ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-CC3-E409
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「アジアの〈狛犬〉論」ともいうべき講義科目です。魔除けの獅子像の展開をアジア全域に探ります。講義の主題上、中国での獅子像の展開が主軸ですが、オリエント・インドから東アジア・日本へと、ライオン・獅子像が狛犬として日本で成立するまでの文化的伝播を追い、それと同時に東シナ海・南シナ海文化圏での石彫りの犬像・獅子像も追い、ヴェトナム北部から沖縄・九州を含めた獅子像の比較文化論を展開していきます。
日本の狛犬と似た魔除けのライオン・獅子像は、アジア各地に共通する文化表象といえ、それは宗教的な差違をも越え、アジア親睦のアイコンともいうべき親しみささえもっています。アジアを多様性の相の下に理解することの一助として、獅子像の展開を論じていきます。
科目目的
獅子像の伝播と中国各地、東南アジア・東アジア(朝鮮半島・琉球・日本)特有の獅子像の成立について講義し、中国語圏の信仰からみた中国人(華人含む)の精神的内実のあらましを理解する。
到達目標
ユーラシアでの霊獣像の伝播を中心として、日本も含む霊獣信仰上の諸観念の関係性について理解する。
授業計画と内容
第1回.レクチャー
第2回.オリエント・インドの獅子像と獅子座
第3回.中国の獅子系霊獣の系譜─後漢・魏晋南北朝南朝の陵墓獅子の系譜
第4回.魏晋南北朝の仏教的獅子像の受容─ガンダーラから雲崗石窟へ
第5回.唐代陵墓獅子の展開
第6回.東南アジアのシンハ─ボロブドゥール遺跡・アンコール遺跡・タイ・ミャンマー
第7回.東南アジアの中国石獅
第8回.中国石獅の地方類型(1)─中国北部(陝西省の「獅子狗」など)
第9回.中国石獅の地方類型(2)─中国南部(浙江・福建・広東各省の獅子像)
第10回.金門島の石獅爺と風獅爺
第11回.広東南部雷州半島の「石狗」とヴェトナムの「狗石」
第12回.沖縄の村落シーサーと風水説
第13回.日本の「狛犬」とその歴史
第14回.宋風獅子・肥前狛犬と東シナ海文化圏
※以上はおおよその目安であり、授業であつかう予定のトピックをあげたものである。授業の進度や履修者の関心によって、講義の進め方を変更する場合もありうる。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | レポートは、的確な論述と受講生の洞察・考察の深さで判断する。 |
平常点 | 30 | 授業でのリアクションを毎回とる。 【重要注意事項!】授業の際に出席をとることがあるが、出席調査に一度も出席記録がない場合は成績評価の対象外となる。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
マナバの活用
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>
特に指定しない。マナバ上でプリントを配布する。
<参考文献>
川野明正(監修)・ミノシマタカコ(著)『狛犬さんぽ』グラフィック社、2020年
川野明正(監修)『東京周辺 神社仏閣どうぶつ案内 神使・眷属・ゆかりのいきものを巡る』メイツユニバーサルコンテンツ、2019年
上杉千郷(編)『狛犬事典』戎光祥出版、2001年
上杉千郷(著)『日本全国獅子狛犬ものがたり』戎光祥出版、2008年
その他特記事項
レポートに「体育会〇〇部」など無関係の記述を記載した場合は評価の対象外となるので注意すること。