シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 国際税務論Ⅱ | 2026 | 前期 | 火4 | 商学研究科博士課程前期課程 | 濵田 明子 | ハマダ アキコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CG-AU5-222L
履修条件・関連科目等
税法関連科目の履修が望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
日本の国際租税制度の概要について、テキスト輪読及び国際的な経済取引に関する判例を概観する。
科目目的
OECDによるBEPS 2.0行動計画は、国境を越えた租税回避対策として国際課税原則に施されてきた従来のパッチ的な改正の限界を克服することを目指した。しかし、その実施は地域によって速度と深さが異なり、法人所得税制度の標準モデルとなることを妨げている。本講義は、法人所得課税制度において国際的な調和を実現するための前提となる基本的な国際課税制度の枠組みを理解することを目的としている。
たとえば、講義担当者の専門領域である移転価格規制は、多くの課題に対処する一方で、その適用シナリオは次第に限定的になりつつある。市場国への課税権の配分や、第1の柱(Pillar 1)における超過利益の分配は未解決の問題として残っている。これは、既存の法人税制の再考と課税管轄権の再配分を提案する第1の柱が、広範な国際的支持を得られなかったことに起因する。
この課題解決の鍵は、居住地主義課税制度と源泉地主義課税制度の融合にあるかもしれない。しかし移転価格規則における独立企業間取引原則は、源泉地主義課税制度と矛盾する。移転価格規制が解決すべき課題は多いが、制度そのものの存在意義が問われる段階に至っている。国際課税制度の潮流が次の段階へ移行する中、世界は税制の新たな方向性と、各国課税権の調和を図る手段の確立を求めている。対処するべき課題が具体的に現れている国際的な課税訴訟を概観することで、理解を深めることとする。
到達目標
① 日本の国際租税制度に関する基本原則を理解する。
② 国際的所得移転の態様について、具体的な課税訴訟の分析を通じて理解する。
③ 国際課税制度に関する専門用語を使って、報告を行い、問題点の議論ができる。
授業計画と内容
(春学期)
第1回 ガイダンス
第2回 法人税における所得の意義(税源浸食と所得移転)
居住地管轄と源泉地管轄
第3回 Chapter 2 租税条約
ガイダント事件判決
第4回 Chapter 3 国内源泉所得
シルバー精工事件判決
第5回 Chapter 4 外国法人・非居住者の投資所得に対する源泉徴収
レポ取引課税事件
第6回 Chapter 5 外国法人・非居住者の事業所得に関する申告納付
インターネットビジネス事件判決
第7回 日本の国際租税制度まとめ(LMS課題)
第8回 組織再編と租税回避
ヤフー事件判決とPGM事件判決
第9回 Chapter 7 外国税額控除
ガーンジー島事件
第10回 Chapter 8 外国子会社所得の合算課税
グラクソ事件判決、デンソー事件判決
第11回 Chapter 9 移転価格税制その1
アマゾン事件判決
第12回 Chapter 9 移転価格税制その2
日本ガイシ事件判決
第13回 Chapter 10 資金調達
第14回 到達度確認(LMS課題)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 中間試験 | 60 | 報告の内容・授業内の積極的参加 |
| レポート | 40 | テキスト内容及び報告判例内容の理解の程度 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
国税庁・東京国税局等税務行政に20年間従事し(1986年から2007年)、国際課税の執行に携わった。
2002/07 財団法人日本税務研究センター 第25回日税研究賞奨励賞受賞
2004/10 財団法人租税資料館 第13回租税資料館賞受賞
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
国際課税の執行に主査として携わった経験を踏まえて、移転価格税制の問題点と将来の課題について講義します。
テキスト・参考文献等
テキスト:増井良啓・宮崎裕子『国際租税法第4版』東京大学出版会、2019年
参考文献:中里実他編『租税法概説第4版』有斐閣、2021年