中央大学

シラバスデータベース|2025年度版

テキストサイズ

  • 小
  • 中
  • 大
  • フリーワード検索
  • 条件指定検索
  • シラバスデータベース(学部・大学院)
  • ビジネススクール(MBA)
  • ビジネススクール(DBA)
  • 研究者情報データベース

ホーム > 講義詳細:憲法演習2(C)

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
憲法演習2(C) 2025 後期 木5 法学研究科博士課程前期課程 松原 光宏 マツバラ ミツヒロ 1年次配当 2

科目ナンバー

JG-PU5-304S

履修条件・関連科目等

ドイツ公法の専門的な文献を読む以上、公法の基礎知識及び基本的なドイツ語読解力のある者を対象とします。

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

現代ドイツ国法学の到達レベルを伝える、アクチュアルな学術論文を会読します。ドイツ国法学者協会・学術大会には継続的に参加しており、大会テーマを拾った最新論文も候補です。担当者は憲法研究の方法として、ドイツ国法学及び法哲学を手掛かりとしており、このあたりが中心テーマとなります。

Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009を取り上げる予定です(参加者に鑑み、ペースおよびテキストの変更可能性があります)。

科目目的

職業としての(berufsständisch)研究者を目指す者を主たる対象として、修士論文の完成をひと区切りとする、最初の二年間に寄与することを目的とします。外国語の勉強方法、欧米語の文献の読み方、論文の書き方、海外留学等、「形而下的」問題に関しても、研究生活に関わる重要問題として、触れる機会があると思います。

到達目標


現在、博士後期課程に進み、職業的研究者を目指す諸君には、複数の外国語運用能力が要求されます(ドイツ語選択の場合+英語)。かつてとは異なり、コミュニケーション能力も含め、高度な言語能力を有する人も増えつつあります。DAAD等の留学資金を得て、修士課程のうちに語学留学、博士課程進学後、直ちに長期留学する院生も珍しくなく、海外で学位を取るケースも見かけます。欧米語の論文を執筆する機会も得られるようになってきました。変化の背景には、サイエンティフィック・コミュニティ自体が相互に国境を越え、グローバル化している状況があります。最近ではドイツ語圏にあっても、外国人を正教授に採用する大学すらあります。研究者の主たる評価主体は、内外のサイエンティフィック・コミュニティ、自然科学であれば当然のことですが、法律学にもまた、徐々にそうした傾向が生じています。

ドイツ憲法について最新の規範的意味を知るためには、①ドイツの標準的な教科書における概説的知識の獲得は当然として、この他、②連邦憲法裁判所の判決を随時フォローする努力が必要です。その際、ヨーロッパ法の解釈適用を司る二つの裁判所(EuGH・EGMR)の動向を抜きにしては、判決の趣旨を理解することは適いません。近年のヨーロッパ法の浸透はそれほど著しいのです。③隣接領域として、法哲学、行政法、ヨーロッパ法等の基礎知識を一通り身につけることが重要ですが、ワイマール共和政及びドイツ連邦共和国時代の国法学の古典的文献(ケルゼン、シュミット等)について、少なくともその所在は知っておかなければなりません。更に、④憲法および憲法が適用される政治社会は、相互に密接に結びついています。ヨーロッパの公共放送やプリントメディアを通じ、日々、社会的事態の動態的な変化を追うことも、欠かすことはできません。学術論文の執筆には、海外の一次文献の正確な理解が重要ですが、純粋な語学能力以外のこうした要素も、非常に重要なポイントをなしています。

論文執筆にあたり、テーマの設定を始め、獲得された外国法の知識をどのように活用すべきか? 比較法における最も重要な課題の一つですが、拙速な模倣や、いわゆる「示唆」活用は望ましくありません。異なる社会的背景のもとではあるが、相互に解決すべき共通問題を抱えており、従ってまた、解決の方向性も各々異なりうる、外国法の知識の活用にあたっては、そのように考えることこそ、現代にあっては適切であると考えています(参照、井田良「刑法学と比較法研究―極私的方法論的遍歴」比較法ニューズレター六三号(二〇二二)一頁)。

さて、研究者を取り巻く環境の変化、論文執筆のハードルの高さを理解し、果敢に乗り越えようとしている者は、本学に限らず、少なくありません。遅くとも修士課程の段階にて、公法研究を取り巻くかような条件について理解して頂くことを、このクラスの到達目標としています。また、学問の普遍性価値に鑑みれば、そうした勉強を積み重ねることは、その進路の如何に関わりなく有用と考えています。

授業計画と内容

(1)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 52-54 :憲法の運動法則
(2)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 55-57 :文脈化
(3)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 58-60 :規範的な意味充填
(4)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 61-63 :憲法の条件
(5)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 64-66 :合法性と正統性
(6)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 67-69 :仲介的科目1
(7)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 70-72 :同2
(8)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 73-75 :区別
(9)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 76-79:実定化証明テスト
(10)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 80-83 :制憲権の例
(11)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 83-86 :主観・客観説
(12)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 87-90 :理論とドグマーティク
(13)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 91-94 :前提了解
(14)Matthias, Jestaedt, Die Verfassung hinter der Verfassung, 2009, S. 94-96 :内在する理論

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
平常点 60 授業への参加
その他 40 テーマ理解

成績評価の方法・基準(備考)

授業への参加(60%)・各回のテーマ理解(40%)を基準として成績評価を行う。試験は行わない。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

ディスカッション、ディベート

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

クリッカー/タブレット端末

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

テキストは授業の概要にて記載されている通りであるが、自習用の邦語文献として
村上・守屋・マルチュケ・ドイツ法入門改訂九版(2018・有斐閣)
鈴木・三宅編著・ガイドブック ドイツの憲法判例(2021・信山社)
ドイツ憲法判例研究会編・ドイツの憲法判例I-IV(2003-2018・信山社)
をあげておく。

その他特記事項

この授業への参加を希望する者は、予め担当者に連絡して下さい(G-Mailによる)。

参考URL

検索結果に戻る

  • フリーワード検索
  • 条件指定検索

TOP

  • プライバシーポリシー
  • サイトポリシー
  • 中央大学公式サイト
Copyright (c) Chuo University All Rights Reserved.