シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
対外関係史B | 2024 | 後期 | 水4 | 文学部 | 米谷 均 | ヨネタニ ヒトシ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JH3-F412
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
現在、日中関係はコロナの影響もあって冷え冷えとしている。また中国政府の「一帯一路」構想に伴う海洋進出や尖閣諸島問題など、予断を許さぬ事態が発生する可能性が、常に存在している。かかる問題に直面した時、我々はどのように対応すべきであろうか?。
本授業は、「近くて遠い」日中関係史を軸に、書籍や文物や情報の交流と、それを担った海商や僧侶などの動きを考察し、前近代における東アジア外交の特質について検討する。それと比較対照するために、東アジア世界を大航海時代のキリスト教世界から俯瞰してみる。そして異文化の衝突という視点からみた相互不理解の様相を考察する。また授業においては、画像や動画URLを活用し、可能であれば、このジャンルに関連した特集番組や映画などを紹介したい。
科目目的
東シナ海域・南シナ海域における交流史を、外交・戦争・貿易・掠奪・文化交流などの諸側面から、多角的に検討する。具体的には、対馬と沖縄(琉球)を軸に、前近代における日本とアジア諸地域との相互交流史を理解する。
到達目標
講義内容を十分に理解した上で、様々な資料に対する分析能力の獲得し、課題に対する調査能力を習得すること。
授業計画と内容
第1回 Ⅰ 授業の概説
第2回 Ⅱ『東アジア世界におけるブック・ロード』1「本の道」と日中関係/佚存書の還流
第3回 2 近世から明治以降における書籍の流れ
第4回 Ⅲ『中国渡海の日本人僧の「身分証明書」』1 遣唐使の時代/入宋「巡礼僧」の時代
第5回 2 遊学僧の時代/明の海禁と遊学の終焉
第6回 Ⅳ『東シナ海域の季節風と遣明船』 1 遣明船の航路/航海技術/航海信仰
第7回 2 遣明船における客死/日中船舶の構造相違
第8回 Ⅴ『遣明船と文化交流』 1 漢詩文の応酬と肖像賛・行状記など
第9回 2 送別詩をめぐる虚々実々(偽造行為)
第10回 Ⅴ『キリスト教世界から見た東アジア』1 カトリック教国の「世界分割」構想
第11回 2 イエズス会とフランシスコ会の抗争
第12回 Ⅵ『秀吉の伴天連追放令とキリシタン教界』1 豊臣秀吉とバテレンたちの相互不理解
第13回 2 バテレン追放令はなぜ発令されたのか
第14回 教場試験とまとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回授業前に前の回に配布したレジュメに必ず目を通した上で聴講すること。また、授業内容の復習を必ず行い、課題が提示された場合はそれに取り組むこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 80 | 最終回の教場試験の評価(素点)。 |
レポート | 10 | 自由提出の感想レポート |
平常点 | 10 | 授業への参加度。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考文献
:高瀬弘一郎『キリシタン時代の研究』(岩波書店。1977年)
:五野井隆史『日本キリスト教史』(吉川弘文館。1990年)
:荒野泰典・石井正敏・村井章介編『日本の対外関係』全7巻 (吉川弘文館。2010年~)
:榎本 渉『僧侶と海商たちの東シナ海』 (講談社〔選書メチエ〕。 2010年)
:久芳 崇『東アジアの兵器革命』(吉川弘文館。2010年)
:橋本 雄『"日本国王"と勘合貿易』(NHK出版。2013年)
:村井章介編『日明関係史研究入門』(勉誠出版。2015年)
:ルシオ・デ・ソウザ 岡美穂子『大航海時代の日本人奴隷』(中央公論新社。2017年)
:松方冬子編『国書がむすぶ外交』(東京大学出版会。2019年)
:川村信三編『キリシタン歴史探求の現在と未来』(教文館。2021年)
:程 永超『華夷変態の東アジア』(清文堂。2021年)
:小俣ラポー日登美『殉教の日本』(名古屋大学出版会。2023年)