シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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入門・政治 | 2024 | 前期 | 土2 | 文学部 | 小松 志朗 | コマツ シロウ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PS1-U108
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、新型コロナウイルスをめぐるこれまでの国内外の政治の動きを振り返りながら、政治学の主な概念・理論を学ぶ。ウイルスの存在自体は自然現象だとしても、それが人間社会に広がってパンデミックを引き起こす過程は社会現象であり、感染症対策は政治的な営みである。さらにいえば、その対策は政治と科学の混合物、または妥協の産物であり、しばしば政治と科学の対立を伴い、ひいては政治の限界を露にする。感染症というトピックは「政治とは何か」を考えるには格好の題材だといえよう。2020年に国際的な感染拡大が始まってから数年間、なぜ私たちは新型コロナウイルスに打ち勝てなかったのか。敗北の理由を探っていけば、自ずと政治の問題に行き着くはずである。
科目目的
本講義の科目目的は、学生が学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に示されている「幅広い教養」と「複眼的思考」を修得することである。
到達目標
本講義の到達目標は、学生が新型コロナウイルスの事例をもとにして、政治学の主な概念・理論の内容と使い方を理解し、それらを用いて現実の政治を批判的に分析できるようになることである。
授業計画と内容
1.イントロダクション
2.新型コロナウイルスのパンデミックの概要
3.国家と権力:武漢ロックダウンの衝撃
4.個人の自由:健康な監視社会の到来?
5.政策過程:政治家と専門家の同床異夢
6.資源配分:ワクチンをめぐる政治
7.ディスカッション
8.グローバル化:人の国際移動の管理
9.安全保障:感染症は「戦争」なのか?
10.国際機構:WHO's next?
11.大国:パワーと責任
12.政治体制:民主主義と権威主義の競争
13.ディスカッション
14.総括・まとめ:感染症をめぐる政治と科学
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回の授業について、参考文献と配布資料を用いて予習・復習をする。普段から新聞やテレビなど各種メディアで政治のニュースをチェックする。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 期末レポートにより、授業で学んだ政治学の概念・理論を正しく理解しているか、またそれらを用いて現実の政治を批判的に分析できているかを評価する。 |
平常点 | 10 | 毎授業の課題の回答状況と、授業への参加・貢献度を評価する。 |
その他 | 40 | 毎授業の課題について、「問いに的確に答えているか」、「授業の内容を正しく理解しているか」、「自分の考えを論理的に表現できているか」を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
テキストは特に指定せず、資料を配布する。
【参考文献】
アジア・パシフィック・イニシアティブ『新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年。
伊藤計劃『ハーモニー』ハヤカワ文庫JA、2014年。
伊藤光利・真渕勝・田中愛治『政治過程論』有斐閣アルマ、2000年。
苅部直・宇野重規・中本義彦編『政治学をつかむ』有斐閣、2011年。
久米郁男他編『政治学』補訂版、有斐閣、2011年。
小松志朗「国際政治の視点から考える感染症対策:COVID-19をめぐるアメリカ、WHO、中国の関係」『公共政策研究』第20号、98−108頁、2020年。
小松志朗「WHO・IHR体制における感染症対策としての往来制限:ペスト、SARS、COVID-19」岩崎正洋編『ポスト・グローバル化と政治のゆくえ』ナカニシヤ出版、123-153頁、2022年。
詫摩佳代『人類と病:国際政治から見る感染症と健康格差』中公新書、2020年。
※その他の参考文献は授業中に提示する。