シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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東洋史概説(2)A | 2024 | 前期 | 火1 | 文学部 | 新免 康 | シンメン ヤスシ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-OH1-G103
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
古代から現代へと至る中央ユーラシアの歴史の基本的な流れを扱います。本授業で扱う中央ユーラシアの範囲については、西はヴォルガ・ウラル地域、東はモンゴル高原、北は南シベリア、南はチベット、西南はイラン北部、という領域を設定します。本授業において特に重視する具体的な事象としては、民族の移動、遊牧民とオアシスの定住民の関係、宗教や言語に関連する文化交流、いわゆる「シルクロード」を通じた交易活動があり、これらの諸事象に注目したうえで、中央ユーラシアにおいて活動した、あるいは現代においてもなお活動を続けている諸民族の政治、社会、文化の変容についても理解を深めていきます。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の専攻科目群における必修科目として位置づけられており、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)で示されている「幅広い教養」を身に付け、また「専門的学識」を修得することを目的としています。この科目での学習を通じて、古代から現代へと至る中央ユーラシアの歴史の流れについて、基本的な知識を修得するとともに、ユーラシアにおける当該地域の位置づけや歴史的役割を視野に置きつつ、その歴史展開のあり方と具体的な諸事象を理解するための視点を養います。また、これらの知識と視点を修得することを通じて、現代の中央ユーラシアにおける諸民族が置かれた具体的な状況(政治、経済、社会、文化など)に関する理解を深めます。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
・中央ユーラシアの歴史の基本的な流れについて、他者に説明できるようになること。
・古代から現代までの中央ユーラシアにおける歴史の状況を、各時期ごとに具体的な事象を挙げて、他者に説明できるようになること。
・歴史的な視点および知識をもとに、現代の中央ユーラシアの状況について、広い視野を持って理解できるようになること。
授業計画と内容
基本的に講義形式で授業を行います。
第1回 ガイダンス :中央ユーラシアの地域的特徴
第2回 中央ユーラシア史の展開:草原とオアシス、シルクロード
第3回 スキタイと匈奴:遊牧民とその政権
第4回 テュルクの展開:テュルク系遊牧諸部族の活動および西方への移動
第5回 ソグディアナ地域:ソグド人の住む地域と彼らの商業活動
第6回 タリム盆地周縁オアシス地域:オアシスの諸国と周辺勢力
第7回 イスラーム化:中央アジアのイスラーム受容と社会・文化の変化
第8回 テュルク化:テュルク系遊牧民の定住化とオアシス地域のテュルク化
第9回 モンゴル帝国:チンギス・ハーンとその後裔たち
第10回 ティムール帝国:ティムールとその後裔たち
第11回 清朝の進出と統治:モンゴル、チベット、新疆
第12回 ロシア帝国の進出と統治:中央アジア
第13回 近現代の中央ユーラシア:ナショナリズム、コミュニズム
第14回 総括・まとめ:中央ユーラシアの歴史と現代
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・特定のテキストは使用しませんが、授業中に紹介する参考文献に目を通すことを推奨します。
・毎回の授業において、授業内容に関する課題を出すので、400字程度の小レポートを提出してください。小レポートの回収は、manabaのレポート機能によって行なう予定です。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 学期末の課題レポート(1800字以上2200字以内)の内容について評価します。設定された文字数の中で、具体的な事象を他者に説明できることを重視するので、1800字を下回る場合、また2200字を上回る場合も同様に減点します。 |
平常点 | 70 | 授業への参加状況、毎回の小レポートの提出状況および内容について評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
毎回の授業においてResponアプリのカード(出席のみ)を使って、出席を確認する予定です。各授業ごとに出席を確認できた学生の提出した小レポートを評価の対象とします。正当な理由なく欠席した場合は、その欠席した回の小レポートを提出することはできません。
小レポートを正当な理由なく5回以上提出しなかった者、学期末の課題レポートを提出しなかった者は評価の対象とせず、E判定とします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
・毎回の授業において、授業内容に関する課題を出します。課題に対して提出された小レポートの内容に応じて、講評と解説を行います。
・学期末の課題レポートの内容に応じて、講評と解説を掲示します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>
テキストは使用しません。各回の授業内容に関する資料を提示します。
<参考文献>
参考文献については授業時にも紹介しますが、本授業における主な参考文献としては以下のものがあります。
・小松久男編『中央ユーラシア史』山川出版社、2000年(新版世界各国史4)ISBN:4-634-41340-X
・小松久男、梅村坦、宇山智彦、帯谷知可、堀川徹編『中央ユーラシアを知る事典』平凡社、2005年 ISBN:4-582-12636-7
・小松久男、荒川正晴、岡洋樹編『中央ユーラシア史研究入門』山川出版社、2018年 ISBN:978-4-634-64087-0
・野田仁、小松久男編著『近代中央ユーラシアの眺望』山川出版社、2019年 ISBN:978-4-634-67249-9
その他特記事項
毎回の授業において出す課題の小レポートについて、学生の皆さんの負担に関わる事情を考慮する必要性が生じた場合は、課題字数の調整などの対応を行ないます。