シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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東南アジア史 | 2024 | 前期 | 火1 | 文学部 | 高橋 宏明 | タカハシ ヒロアキ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-OH2-G205
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本授業では、東南アジア大陸部、特にカンボジアを中心としたインドシナ半島の近現代史を中心に、歴史的な流れとその捉え方や考え方、政治、社会、国際関係などについて、外交文書の読解と分析を通じて講義します。特に、1980年代以降のカンボジアの対外関係や国家再建過程を、主に日本やフランスの外交文書等を読み解きながら、授業を進めます。
科目目的
本科目の学習を通じて、学生が近現代のインドシナ世界の成り立ち・歴史・社会・文化に対する認識を深めるとともに、現代日本とインドシナ地域(特にタイ、カンボジア、ベトナム)の政治的・社会的・歴史的な関係について理解し、専門的な学識と幅広い教養を修得することを目的としています。
到達目標
本科目では、近現代のインドシナ地域(特にタイ、カンボジア、ベトナム)について、インドシナ難民問題の実態、国際社会の関与、日本外交の果たした役割などを理解し、他者に説明できるようになることを到達目標とします。
授業計画と内容
20世紀後半のカンボジア「問題」に着目し、政治情勢、社会状況、対外関係の実態について、外交文書を読解しながら多角的・複眼的に分析します。参考文献も適宜参照しながら、以下のテーマで講義を進めます。
第1回 ガイダンス~近現代のインドシナ地域を学ぶ意味について~
第2回 大航海時代のインドシナ半島と日本
第3回 フランス領インドシナ連邦(仏印)と日本の関係
第4回 カンボジアの「独立」と日本軍
第5回 ベトナム戦争からカンボジア「内戦」へ
第6回 クメール・ルージュのジェノサイド(大虐殺)
第7回 カンボジア「問題」とタイ政府の対応
第8回 日本の関与①~インドシナ難民の発生と日本~
第9回 日本の関与②~外交文書の読解と分析~
第10回 日本の関与③~外交文書から見た「和平」への道のり~
第11回 日本の関与④~外交文書の中の政治アクター~
第12回 日本の関与➄~1987~1990年の動向分析~
第13回 日本の関与⑥~冷戦終結と湾岸戦争とカンボジア「和平」~
第14回 まとめと総括~カンボジアPKOと日本 ~
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 30 | インドシナ世界の歴史と社会についての基礎知識を理解した上で、授業内容に関する設問に対して説明できるかどうかを評価します。 |
レポート | 30 | レポートの基本構成、字数、形式、参考文献等の基本的な条件を理解した上で、授業内容に関する課題に対してレポート作成できるかどうかを評価します。 |
平常点 | 40 | 授業への参加・貢献度(意見の表明、他の学生と議論したり協調して学ぶ姿勢など)、リアクションペーパーの提出、受講態度等の条件を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
評価の前提条件:出席率が70%に満たない者、課題を提出しない者等については、E判定とします。リアクションペーパーの内容が中身のないものであった場合、その回の平常点が大きく減点されますので留意する必要があります。また、部活動や就職活動等で出席できない場合でも、「特別扱い」はしないので注意してください。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
1992年4月~1995年3月にかけて外務省・在カンボジア日本大使館に勤務し、広報政策や文化協力、国費留学生事業を担当しました。カンボジア政府や国際機関(国連カンボジア暫定統治機構、ユネスコ、その他)との折衝等の外交活動に従事し、特にアンコール遺跡国際調整委員会(ICC)の設立・運営に直接関与した実務経験を持っています。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
外交関連の文書等の作成に関与した経験を活かし、同文書類の特徴や性質についての解説・講義を実施します。
テキスト・参考文献等
特定のテキストは用いません。
参考文献として、以下を適宜参照して下さい。
・明石康『カンボジアPKO日記~1991年12月-1993年9月~』岩波書店、2017年。
・池田維『カンボジア和平への道~証言 日本外交試練の5年間~』都市出版、1996年。
・今川幸雄『カンボジアと日本』連合出版、2000年。
・河野雅治『和平交渉~対カンボジア外交の証言~』岩波書店、1999年。
・桃木至朗その他編著『東南アジアを知る事典』平凡社、2008年。