シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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西洋近世史/西洋近世史A | 2024 | 前期 | 金3 | 文学部 | 野々瀬 浩司 | ノノセ コウジ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-WH1-H303
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では16世紀を中心にヨーロッパ全体の歴史を概観します。講義内容としては、中世キリスト教社会が動揺し、各地に主権国家が成立する以前の時代の歴史について、政治・社会・経済・宗教・思想・文化などの様々な視点から考察することを主眼としたいと思います。具体的にはルネサンス・宗教改革・対抗宗教改革・宗教戦争などについて講義します。基本的には幅広い地域を対象とするが、とりわけ西ヨーロッパを中心に言及したいと考えます。現在のところ、以下のようなテーマで授業を進めていく予定ですが、場合によっては若干変更することもあります。
Ⅰ近世ヨーロッパ社会の特質
Ⅱルネサンス
①イタリア・ルネサンス
②北方ルネサンス
Ⅲ宗教改革と近代社会
①ドイツの宗教改革とルター派の拡大
②スイスの宗教改革(ツヴィングリのチューリヒ、再洗礼派の形成、カルヴァンのジュネーヴ)
③イングランドの宗教改革(ヘンリ8世、エドワード6世など)
④対抗宗教改革(トリエント公会議、イエズス会など)
Ⅳ宗派対立と宗教戦争
①シュマルカルデン戦争とアウクスブルクの宗教和議
②ユグノー戦争とナントの王令
③三十年戦争とウェストファリア条約
科目目的
近世ヨーロッパの歴史、特に16世紀の西洋史を学ぶことを通して、中世社会と近世社会との間の連続面についての理解を深めると同時に、その断絶面や中世から変化した側面を把握し、さらには近現代社会が形成された基盤を理解する。このことは、今日のヨーロッパ社会が抱えている諸問題、例えばスコットランドやカタルーニャの独立問題、宗派対立・宗教対立、様々な戦争観、個人と共同体の関係などの背景や起源をより深く理解することにつながる。以上のような内容を学ぶことが、本科目の目的である。
到達目標
上記の目的の達成のために、具体的には以下の目標を設定する。
(1)ルネサンスと人文主義の意義と役割を学び、近代的な個人の成立過程を理解することができる。
(2)宗教改革の具体的経過とその思想的本質を学習することを通して、各宗派の思想的な相違や宗派対立の本質を把握することができる。
(3)宗派対立や宗教戦争の具体経過とキリスト教の戦争観を理解することによって、それから生まれた寛容思想の内実とその変遷への理解を深めることができる。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス・導入:近世ヨーロッパ社会の特質
(1) ルネサンス
第2回 ①:イタリア・ルネサンスⅠ
第3回 ②:イタリア・ルネサンスⅡ
第4回 ③:北方ルネサンス
(2)宗教改革と近代社会
第5回 ①:ドイツの宗教改革とルター派の拡大Ⅰ(神聖ローマ帝国内の宗教改革など)
第6回 ②:ドイツの宗教改革とルター派の拡大Ⅱ(北欧の宗教改革など)
第7回 ③:スイスの宗教改革(ツヴィングリのチューリヒ)Ⅰ
第8回 ④:スイスの宗教改革(カルヴァンのジュネーヴ)Ⅱ
第9回 ⑤:イングランドの宗教改革(ヘンリ8世、エドワード6世など)
第10回 ⑥:対抗宗教改革(トリエント公会議、イエズス会など)
(3)宗派対立と宗教戦争
第11回 ①:シュマルカルデン戦争とアウクスブルクの宗教和議
第12回 ②:ユグノー戦争とナントの王令
第13回 ③:三十年戦争とウェストファリア条約Ⅰ
第14回 ④:三十年戦争とウェストファリア条約Ⅱ 総括とまとめ
授業の進展状況によっては若干変更することもあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業中に提示した参考文献の中から興味を持った書籍を選んで講読し、講義内容の理解を深めてください。随時多くの参考文献を提示します。図書館を積極期に利用してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 85 | 講義内容に関連した範囲内で、学期末に対面で試験を行う予定です。 |
平常点 | 10 | 出席は毎回とります。 |
その他 | 5 | 毎回ではないが、何回かリアクションペーパーを提出してもらう場合もある。 |
成績評価の方法・基準(備考)
試験の内容や形式については、授業中にアナウンスします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
場合によっては、授業のなかでリアクションペーパーを書くための課題や見解を提出してもらいます。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
場合によっては、授業のなかでリアクションペーパーを書いてもらいます。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書(テキスト)は使用しません。毎回レジュメを配布します。参考図書としては、以下のものを推奨します。
参考書
①エルンスト・トレルチ著『ルネサンスと宗教改革』岩波文庫、1959年。
②ピーター・バーク著『イタリア・ルネサンスの文化と社会』岩波書店、2000年。
③野々瀬浩司著『ドイツ農民戦争と宗教改革』慶應義塾大学出版会、2000年。
④ペーター・ブリックレ著『ドイツの宗教改革』教文館、1991年。
⑤C.V.ウェッジウッド著『ドイツ三十年戦争』刀水書房、2003年。
⑥ウルリヒ・イム・ホーフ著『スイスの歴史』刀水書房、1997年。
⑦ベルント・メラー著『帝国都市と宗教改革』教文館、1990年。
⑧マックス・ヴェーバー著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫、1989年。
⑨P.H.ウィルスン著『神聖ローマ帝国:1495-1806』岩波書店、2005年。
⑩J.ホイジンガ著『エラスムス』ちくま学芸文庫、2001年。
⑪野々瀬浩司著『宗教改革と農奴制』慶應義塾大学出版会、2013年。
⑫中野隆生・中嶋毅共編『文献解説西洋近現代史Ⅰ:近世ヨーロッパの拡大』南窓社、2012年。
⑬R.W.スクリブナー、C.スコット・ディクソン共著『ドイツ宗教改革』岩波書店、2009年。
⑭A.E.マクグラス著『宗教改革の思想』教文館、2000年。
その他随時紹介します。
その他特記事項
近世ヨーロッパ史、特に16世紀の歴史に興味のある学生を歓迎します。できることならば、高校の世界史を十分に履修した学生が望ましいです。日本史で受験した学生は、世界史の教科書を事前に読んできてください。また、理解の補助のために、短いビデオなどの視覚教材を使用することもあります。