シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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西欧史/西洋近世史B | 2024 | 後期 | 水2 | 文学部 | 佐々木 真 | ササキ マコト | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-WH1-H306
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
戦争の歴史を考える
フランスのロレーヌ地方出身の画家、ジャック・カロJacques Callot(1592-1635)は、その晩年に三十年戦争(1618-48)に遭遇し、1633年にその悲惨さを「戦争の惨禍」と題して、18枚の銅版画に記録した。カロが描写した掠奪の光景は、ドイツの作家グリンメウスハウゼンHans Jakob Christoffel von Grimmelshausen(1621-76)の『阿呆物語』でも言及されており、民間人の殺人や暴行、物の掠奪はこの時期の戦争に必ず付随する事象だった。その後、19世紀にはハーグ条約に代表されるように戦争を「文明化」する努力がなされた。しかし、第二次世界大戦では過去最大の犠牲者を記録し、むしろ民間人の犠牲の方が多い現象が生じている。また、ウクライナやガザなど、国家間の紛争の解決手段としての戦争は終わる気配を示しておらず、民間人の犠牲もとどまるところを知らない。
本講義では、前近代からの長い時間軸にそって、今日まで戦争のありかたがどのように変化したのかを考えてみたい。この時、前近代の戦争のあり方を明らかにすることで、19世紀以降の戦争を相対化し、今日の問題を考える一助としたい。
科目目的
時代ごとの戦争のありかたや戦争にかんする理論の変遷を理解することで、戦争という現象を歴史的に理解することを目的とする。
到達目標
前近代から近代にかけての戦争のありかたや戦争にかんする思想を検討することで、戦争を広い視野から理解し、現在行われている戦争を相対化することを最終的な目的とする。
授業計画と内容
第1回 はじめに
第2回 古代と中世の戦争
第3回 前近代の戦争における掠奪(1):人の掠奪
第4回 前近代の戦争における掠奪(1):物の掠奪
第5回 近世の戦争(1):戦争の実態
第6回 近世の戦争(2):戦争の目的その帰結
第7回 近代への転換:国民国家の成立と戦争
第8回 戦争理論の誕生
第9回 戦争の「文明化」
第10回 第一次世界大戦:総力戦の誕生
第11回 第二次世界大戦の惨禍(1):国民・人種・戦争
第12回 第二次世界大戦の惨禍(2):民間人への攻撃
第13回 戦争の記憶をめぐって
第14回 総括とまとめ
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業終了後に内容に関するまとめや質問を記入するリアクション・ペーパーを集める。また、状況に応じて、事前に読むテキストを指定する場合もある。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 期末に実施するテストの点数。 |
平常点 | 20 | リアクション・ペーパーの内容で評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
毎回、授業開始時あるいはビデオ配信でリアクションペーパーに対する解説や質問への回答を行う。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用せず、配付資料を中心に授業を行う。参考文献については、授業中にリストを配布する。