シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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東欧・北欧史/西洋各国史(2)B | 2024 | 後期 | 木1 | 文学部 | 飯尾 唯紀 | イイオ タダキ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-WH1-H309
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
題目「ヨーロッパ東部世界の歴史的展開と環境 ー中・近世を中心に」
この講義では、中世から近世までのヨーロッパ東部をとりあげ、この地域の政治構造と経済発展、文化変容について理解を深めます。特に焦点をあてたいのは、地理的条件や自然環境というファクターの影響力です。工業化以前の世界では、環境(地形、河川、植生、気候など)の拘束力が、今日の世界とは比べ格段に大きく、想像以上に政治や経済、文化に影響を与えたと考えられるからです。
対象とする場所は、バルト海と黒海・アドリア海にいたる南北に広がる地域です。この地域の中核には中・近世にかけ、ハンガリー王国、チェコ王国、ポーランド王国が成立・発展していました。特に焦点を当てるのはハンガリー王国ですが、北欧やロシアなど周辺世界との共通点と差異、影響関係についても吟味します。封建制、三圃制、宗教改革などヨーロッパ史でおなじみの主題が、ヨーロッパ東部でどのような変奏を繰り広げるかを見ることを通じて、ヨーロッパ史理解を見直す手がかりをえることがこの授業の狙いです。
科目目的
・この科目は、カリキュラム上、西洋史学専攻専攻科目群(選択科目)に位置づけられており、この科目の学習を通じて、学生がヨーロッパ東部の歴史的展開と前近代の環境要因の重要性について認識を深めることを目的としています。
・この科目は、学生が学位授与の方針で示す「専門的学識」と「複眼的思考」を習得することを目的としています。
到達目標
(1) ヨーロッパ東部地域の中・近世史について基礎的な知見をえる。
(2) 工業化以前のヨーロッパにおける地理・自然環境の歴史拘束性について、新しい研究成果を知る。
(3) ヨーロッパ東部の歴史的展開を学ぶことにより、西欧中心のヨーロッパ史理解を相対化する視点を深める。
授業計画と内容
(1)中・東欧世界の形成
第1回 イントロダクション(ガイダンス、講義の基本視角)
第2回 地理的環境と時代区分
第3回 中世社会の形成
第4回 中世国家の類型的理解
(2)近世の政治と経済
第5回 統合的権力の伸長(ハプスブルクとオスマン)
第6回 地域社会のエリートたち
第7回 中近世の経済と社会
第8回 中間のまとめ(小テスト含む)
(3)宗教と社会
第9回 中世末期の信仰世界
第10回 宗教改革と宗教寛容
第11回 帝国の宗教政策と宗派ネットワーク
(4)環境と社会
第12回 中近世のドナウ川
第13回 ドナウの戦い
第14回 展望:近世から近代へ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 25 | 前半の授業内容と提示された参考文献の内容を理解し、正確に問いに答えることができること。 |
レポート | 50 | 授業内容を理解した上で、各自の問題関心にひきつけて文献調査を行い、発展的にレポートを作成することができること。 |
平常点 | 25 | 授業内容を理解したリアクションペーパー(Manaba小テストで実施)を記入すること。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
・レジュメを配布する
【参考文献】
○講義全般、背景理解に関わるもの
・南塚信吾(編)『ドナウ・ヨーロッパ史』(山川出版社、1999年)
・伊東 孝之, 中井 和夫, 井内 敏夫 (編)『ポーランド・ウクライナ・バルト史 』(山川出版社、1998年)
・『中欧・東欧文化事典』(丸善出版社、2021年)の関連する項目
○個別の主題にかかわる参考文献は、各回の授業中に紹介します。