シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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総合講座Ⅲ | 2023 | 後期 | 木4 | 経済学部 | 古川 雄一 | フルカワ ユウイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-OM1-033X
履修条件・関連科目等
本科目は経済学を理解する助けになる知識を提供するので、基礎マクロ経済学、基礎ミクロ経済学などは関連が深い科目である。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
インフレーション、格差、失業、税制、貿易などなど、現実の経済現象を科学的に、客観的な視点に立って分析するためには、いうまでもなく、経済学の知識が欠かせません。この科目では、経済学を理解する上で、必須となる数学の基礎な知識を習得するための授業を行います。経済理論(ミクロ経済学・マクロ経済学)の学修において、人々の満足度や企業の儲けなどを関数で表すことが多いので、授業の前半部分では、中高の数学の復習から、関数を取り扱う技術である微分法と最適化まで解説します。
また近年、経済学のデータ・サイエンスとして役割がますます重要になっています。データを使った分析の基礎には、いうまでもなく、統計学があります。ですので、本授業の後半部分では、統計学の基礎である区間推定の入り口あたりも解説します。
科目目的
この科目の目的は、ミクロ経済学・マクロ経済学を理解するうえで必要な関数解析と最適化の基礎的知識に加えて、データ分析(実証分析)をするうえで必須の知識である統計学の基礎(区間推定の入り口あたりまで)について理解することである。本講義の特色は2つあり、1つは、中高の数学の復習(関数の定義、1次・2次関数の性質、指数の計算等)から丁寧に学び始める点。もう1つは、厳密な証明は省略し、実践力(数学の知識を「使って」経済分析する力)の育成に重きを置く点である。
到達目標
大きな目標として、経済学を使った経済分析によって現実を把握する能力を身に着けるために、最低限必要と思われる数学の知識を体得を目指している。具体的な到達目標は次の通り:
1.関数解析と最適化の基礎的知識を理解し、関連する問題を解けるようになる。
2.統計学の基礎(ヒスグラム、平均・分散・標準偏差から、区間推定の入り口あたりまで)を理解し、関連する問題を解けるようになる。
授業計画と内容
第1回 なぜ経済学は数学を使うのか?
第2回 関数とは何か?一次関数と二次関数の性質、経済学でよく出てくる関数
第3回 指数の計算ルール
第4回 微分1
第5回 微分2 計算ルール
第6回 微分3 2階微分とグラフの増減凹凸
第7回 最適化理論I(一変数関数の最適化)
第8階 最適化理論II(十分条件について)
第9回 中間演習
第10回 統計学の基礎: ヒストグラムと分布
第11回 平均、分散、標準偏差
第12回 正規分布と「予言」
第13回 区間推定の考え方
第14回 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業後の復習がとにかく大切だと思います。ほぼ毎回課題を出すので、それらに真剣に取り組むことによって、表層的な知識ではなく、数学の技術を体得するレベルに近づくことができるでしょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 20 | 関数解析と最適化の基礎に関する理解度 |
期末試験(到達度確認) | 40 | 統計学の基礎に関する理解度 |
平常点 | 40 | 課題提出状況と課題の正答率 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
respon をつかって、受講者全体の理解状況を「見える化」することによって、個々人の授業への参加意識を高める予定。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書は特に指定しないが、代わりとして、授業の前に manaba で資料を配布する。
参考書として以下を挙げておく。
関数解析と最適化: 『ファーストステップ経済数学』近藤健児 創成社
統計学の基礎: 『完全独習 統計学入門』小島寛之 之ダイヤモンド社
(注意: 丁寧な記述に基づく大部な本より、必要最小限の内容がコンパクトにまとまった本をセレクトした。)
その他特記事項
参考URL
古川の経歴等については: https://www.furukawa-yuichi.org/