シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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哲学講義(1)(11) | 2024 | 前期 | 火1 | 文学部 | 出村 和彦 | デムラ カズヒコ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PE3-J301,LE-PE4-J311
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
プラトンの対話編は、和訳本で読んでも実に面白いものですが、作品に登場するソクラテスとその対話相手相手との間で交わされる対話からその哲学的意義を汲み取るのはなかなか難しいものです。本講義では、ソクラテスが生き生きと描かれているプラトン初期から中期対話編の『ゴルギアス』『国家第1巻』『饗宴』『テアイテトス』を中心に、プラトンにとってのソクラテス(哲学)の原初的問題のいくつかを考察して、対話編読解を通じて哲学することを共に学んでいきます。
科目目的
この講義では、以下の3点を目的とします。
① プラトン初期中期対話編をその内容をテクストに即して正確に理解すること。
② 彼の哲学体系に位置付けた上で、ソクラテス(哲学)が何であったかを理解すること。
③ 現代における倫理学的な問題状況において、ソクラテス・プラトンの考え方がどの程度有効に機能するのかを検証すること。
到達目標
プラトンにとってのソクラテス(哲学)の原初的問題のいくつかを考察を通じて、対話編読解を通じて哲学することの独自性を理解する。
その上で、ソクラテスプラトンの道徳哲学が現代のさまざまな倫理的問題に対してどの程度有効であるのかを、自分なりに批判的に吟味できるようになることをこの講義の最終目標として掲げたいと思います。
授業計画と内容
1. イントロダクション :プラトンと対話編
2. ソクラテスの原点:『ソクラテスの弁明』『クリトン」
3. 『ゴルギアス』(1)弁論術の力
4. 『ゴルギアス』(2)幸福と善・美・正
5. 『ゴルギアス』(3)政治と哲学
6. 『ゴルギアス』(4)死後の裁きと今を生きること
7. 『国家』第1巻の問題(1)初期対話編から中期対話編へ
8. 『国家』第1巻の問題(2)正義について
9. 『饗宴』でのディオティマとソクラテスの対話の検討(1)哲学(知を愛すること)の素性
10. 『饗宴』でのディオティマとソクラテスの対話の検討(2)生と不死
11. 『饗宴』でのディオティマとソクラテスの対話の検討(3)美と善
12. 『テアイテトス』冒頭の検討(1):助産術としての哲学
13.『テアイテトス』冒頭の検討(2):知と不知の問題
14.総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テクストを自分なりに読み進めることが望ましいので、毎回、指定した箇所を事前に何度も熟読し、自分なりの読書ノートを作成してから授業に臨むようにしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 65 | 講義で取り上げた主題について、最長でも3,000字、2000字以上を目安に、小論文を提出してもらいます。 |
平常点 | 35 | 毎回の講義に関して、manabaの「レポート」機能を使って、簡単な問いに答えてもらう。講義は14回あるので、2.5 x 14=35とカウント。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
講義の中で集中して共同で検討する箇所のpdfテクストは講義の前に配布しますが、それぞれ対話編全体を読んでおくことが望ましいので、以下のプラトンの和訳文庫本を購入し、各自事前に味読した上で、講義室への持参して受講することを強く勧めます。
・プラトン『ソクラテスの弁明』納富信留訳(光文社古典新訳文庫)
・プラトン『クリトン』以上2作品合わせて三嶋輝夫・田中享英訳(講談社学術文庫)所収
・プラトン『ゴルギアス』三嶋輝夫訳(講談社学術文庫)
以上3作品所収の田中美知太郎藤沢令夫訳(中公クラシックス)も有り
・プラトン『国家』藤沢令夫訳(岩波文庫)
・プラトン『饗宴』中澤務訳(光文社古典新訳文庫)森進一訳(新潮文庫)
・プラトン『テアイテトス』渡辺邦夫訳(光文社古典新訳文庫)田中美知太郎訳(岩波文庫)
その他の参考文献に関しては授業でその都度、指示します。