シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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哲学講義(1)(11) | 2024 | 前期 | 水2 | 文学部 | 和田 有希子 | ワダ ウキコ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PE3-J301,LE-PE4-J311
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、禅について多角的に検討していきます。禅は、仏教の一つの宗派ということ以上に、日本文化との関わりが指摘されたり、あるいは欧米の起業家などの精神的支柱になった経緯を持ちます。なぜ禅はそのような様々な価値を現出する「哲学」を有していたのでしょうか。本講義では、禅が日本で広く受け入れられた中世を中心に、禅の歴史的な展開とその意義を検討し、禅が持っている様々な「哲学」について考えていきたいと思います。西洋哲学とはまた違った物の考え方に触れることになることでしょう。
科目目的
この科目は、学生が学位授与の方針で示す「幅広い教養」「複眼的思考」を主体的に習得することを目的としています。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
①禅宗の展開を知ることから、思想がいかに重層的に展開するかを知ること。
②禅宗のもつ哲学から、多様なものの考え方の存在を知ること。
③既存の枠組みで物事を捉えることの限界を知り、既存の枠組みの成立過程を自覚し、そうした枠組みを超えた見方ができるようになること。
授業計画と内容
Ⅰ 禅の見方
1 イントロダクション:なぜいま禅を考えるのか
2 禅宗史叙述の変遷とこれまでの禅の捉えられ方
Ⅱ 日本中世禅がもたらした哲学的課題
3 栄西から見直す禅
4 栄西の密教思想から捉え直す禅の意義
5 栄西と中国・宋代思想との関わり:栄西の禅の見直し
6 栄西の戒律:「創造」される禅
7 道元禅の再検討
8 鎌倉中期思想界への禅のインパクト:京都東福寺開山円爾(1200~80)の到達点
9 栄西から円爾へ:中国・唐末~南宋の禅の動向と鎌倉期における受容
10 禅と如来蔵思想:円爾と『釈摩訶衍論』
11 鎌倉中後期以降の禅の諸方面への影響:神道説・能楽・世界観の変化
12 「純粋な」禅とは何か:瑩山紹瑾の「純一の禅」、宗峰妙超の教宗批判と禅、一休の「破戒」と禅
13 禅の哲学:言葉を超えることと言葉を持つこと
14 総括:禅の見直しから見えてくる禅という「哲学」
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 期末に、講義で取り上げた内容に関してレポートを提出してもらいます(3000字程度)。 |
平常点 | 50 | 毎回授業の最後に、リアクションペーパーを書いてもらいます。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業では、当方で作成したレジュメを配布します。