シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
哲学講義(5)(15) | 2024 | 前期 | 木1 | 文学部 | 水上 雅晴 | ミズカミ マサハル | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PE3-J305,LE-PE4-J315
履修条件・関連科目等
漢詩文を直読もしくは訓読によって理解できること。現代中国語の文章を読めることが望ましいですが、これは履修条件に含めません。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
副題:「注釈」と伝統学術
中国では古代から多くの注釈が作られつづけ、注釈に関しても長い歴史を持っています。本授業では、日本の学術・思想・政治・文化にも影響を与えつづけた中国の注釈に対して多角的な観点から考察を加えていきます。
さらにジョン・B・ヘンダーソンが「注釈および注釈の思考様式は、前近代文明における大半のインテレクチュアル・ヒストリーを支配した。ヨーロッパでは十七世紀まで、中国、インド、近東ではそれ以降までも、おもだった思想、とりわけ高度な知的伝統における思想は、性質の面でも表現の面でも釈義的であった」(《Scripture, Canon and Commentary》introduction)と述べていることを踏まえ、他地域における注釈史との比較考察をおこないます。
科目目的
注釈が作られた状況を立体的に理解し、伝統学術において注釈が果たした役割についてわかりやすく説明する。
到達目標
科目目的を達成するためになされる講義および教材の読解と議論を通して、以下の諸能力を高めることを目標とします。なお(2)と(3)は、(1)を実現するための基礎となるものです。
(1)注釈の種類・方式・内容・受容・意義などに関する基礎知識を獲得する。
(2)古典籍の典拠が大量に用いられている中国語の文章を読み、典拠を抑えた論理的な読解ができるようになる。
(3)経学・史学・文学・言語学・諸子学・書誌学・校勘学に関わる事柄を含め、中国の古典学に関する幅広い知識を身につける。
授業計画と内容
第1回 経典(正典、古典、聖典)と注釈
第2回 注釈の発生
第3回 注釈の種類
第4回 注釈の機能
第5回 注釈の作者
第6回 注釈の継承と発展
第7回 注釈の普及
※到達度テスト①
第8回 注釈の権威
第9回 注釈と思想
第10回 注釈への反抗
第11回 聖書の注釈
第12回 コーランの注釈
第13回 日本の注釈
第14回 全体のまとめ
※到達度テスト②
(注意)進行状況によって内容が変更されることがあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
教材中の語句、事項や文法については、事前に調べておき、質問されたら答えられるようにしておきましょう。予習をして来ない者は出席の資格が無いものと心得ましょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
中間試験 | 20 | 注釈の形成・種類・発展に関する理解度を評価します。 |
期末試験(到達度確認) | 30 | 到達度テスト②。授業全体に関わる理解度および注釈史に関して考察した内容を発表してもらい、それらを評価します。 |
平常点 | 50 | 授業参加と研究発表の状況。質問や意見表明などの積極性を評価します。到達度テストを実施しない回には基本的に毎回小レポートを提出してもらい、それらも評価の対象になります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
以下の条件を満たした場合に単位を認定します。
・公欠以外の欠席は4回以内とし、毎回の小レポートの内容も一定の基準を満たしていること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教材はプリントを用意します。参考書については、授業の中で随時紹介します。
その他特記事項
・発表準備などの際、訳本やネット上のデータを使うのはかまいませんが、それらを鵜呑みにせず、批判的に吟味した上で用いましょう。使う場合には、典拠表示をきちんとしましょう。
・授業に対する自主性、主体性、積極性を肯定的に評価します