シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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哲学演習(3)(11) | 2024 | 通年 | 木2 | 文学部 | 髙田 宗平 | タカダ ソウヘイ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-PE3-J803,LE-PE4-J811
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
副題:神仙世界と志怪小説(怪異の世界)を探り、楽しむ。
前期は『列仙伝』を読みます。『列仙伝』は、現存資料中最古の神仙(仙人)伝記集です。前漢の劉向の撰とされるが、仮託と見られています。その内容は、各神仙が年代順に配列されており、太古の神仙から黄帝・老子などを経て、前漢の神仙にまで及び、70人について逸話的な伝記を記しています。本書に記されている神仙達は、霊薬を作る能力があり、不老長生・不死の術を得、また予言の能力や空を飛んだり、水に潜ったりすることができます。本書は中国古代の神仙伝説を知るための貴重な資料であり、これを読んでいくことにより、中国古代の神仙伝説や神仙観を探るとともに漢文読解力も養いたいと思います。
後期は『捜神記』を読みます。『捜神記』は、4世紀に東晋の干宝が撰した志怪小説です。ここで言う志怪小説とは「怪を志(しる)す」と訓読できるように、怪しいことやもの(「怪異」)を記した書籍の総称であり、現代で言う小説とは性質が異なります。志怪小説は現代の小説のように創作の意志を持って記されたものではなく、記録としての側面が強いものです。干宝は、書記官・史官に任ぜられ、また術数(易学を中核とした占術と数学、天文暦学、医薬学などの自然科学が複合的に絡み合った中国に特有の学問分野)に詳しく『周易』に注を施しました。本書を読んでいくことにより、志怪小説の世界(怪異の世界)を探るとともに、前期に引き続いて漢文読解力も養いたいと思います。
前期・後期を通じて、漢文に親しんでもらうため、受講生の皆さんに担当箇所を割り振り、語句の説明や書き下し文、現代語訳などを記したレジュメを作成してもらいます。担当箇所ではない場合は、コメントを求めます。適宜、授業中に紙媒体の『漢和辞典』も引いてもらいます。紙媒体の『漢和辞典』の携帯を義務付けます。
科目目的
1.漢文に親しむ。
2.漢文を書き下し文と現代語訳にすることができる。
3.『大漢和辞典』などの工具書を使いこなすことができる。
4.神仙世界や志怪小説の特徴について説明することができる。
到達目標
1.『列仙伝』の世界観である神仙思想や神仙観を理解し、楽しむことができる。
2.『捜神記』の世界観である世の不思議、怪異について理解し、楽しむことができる。
3.漢和辞典を引きながら、漢文を書き下し文と現代語訳にすることができる。
授業計画と内容
本授業は演習のため、授業進度は受講生の皆さんの読解のペースと関連します。各回の読解箇所については明示することは難しいので目安となることを御了承下さい。
前期
1.ガイダンス。『列仙伝』について
2.『列仙伝』巻上「赤松子、甯封子、馬師皇」読解
3.『列仙伝』巻上「赤将子興、黄帝、偓佺」読解
4.『列仙伝』巻上「容成公、方回、老子」読解
5.『列仙伝』巻上「関令尹、涓子、呂尚」読解
6.『列仙伝』巻上「嘯父、師門、務光」読解
7.『列仙伝』巻上「仇生、彭祖、邛疏」読解
8.『列仙伝』巻上「介子推、馬丹、平常生」読解
9.『列仙伝』巻上「陸通、葛由、江妃二女」読解
10.『列仙伝』巻上「范蠡、琴高、寇先」読解
11.『列仙伝』巻上「王子向、幼伯子、安期先生」読解
12.『列仙伝』巻上「桂父、瑕丘仲、酒客」読解
13.『列仙伝』巻上「任光、蕭史、祝鶏翁」読解
14.『列仙伝』巻上「朱仲、修羊公」読解及び前期の総括・まとめ・到達度確認
後期
15.『捜神記』について
16.『捜神記』巻一「神農、赤松子、赤将子輿」読解
17.『捜神記』巻一「甯封子、偓佺、彭祖」読解
18.『捜神記』巻一「師門、葛由、崔文子」読解
19.『捜神記』巻一「冠先、琴高、陶安公」読解
20.『捜神記』巻一「焦山老君、魯少千、淮南八公」読解
21.『捜神記』巻一「劉根、漢王喬、薊子訓」読解
22.『捜神記』巻一「漢陰生、平常生、左慈」読解
23.『捜神記』巻一「于吉、介琰、徐光」読解
24.『捜神記』巻一「葛玄、呉猛、園客」読解
25.『捜神記』巻一「董永、鉤弋夫人、杜蘭香」読解
26.『捜神記』巻一「弦超、附智瓊」、巻二「寿光侯」読解
27.『捜神記』巻二「樊英、徐登、趙炳」読解
28.『捜神記』巻二「徐趙清倹、東海君」読解及び後期の総括・まとめ・到達度確認
なお、進み具合によって授業内容に多少の変更が生じる可能性があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習として、語句を『大漢和辞典』(大修館書店)、紙媒体の漢和辞典などで調べておき、書き下し文と現代語訳を作成しておき、授業中に指名や質問を受けても答えられるようにしておいてください。復習は授業の内容を確認しておいてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 25 | 前期末に『列仙伝』を書き下し文と現代語訳にする内容を行います。 |
期末試験(到達度確認) | 25 | 後期末に『捜神記』を書き下し文と現代語訳にする内容を行います。 |
平常点 | 50 | 平常点は、レジュメ、発表、コメント、議論などの授業態度・取り組みを総合します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業回数の3分の1以上欠席した場合、中間試験及び期末試験受験の資格を与えません。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
受講に際し、紙媒体の『漢和辞典』の携帯を義務付けます。紙媒体の『漢和辞典』の代替として、電子辞書、パソコン、スマートフォン、タブレットなどの電子機器による漢字の検索を認めません。
テキストは、プリントを配布します。参考文献については、授業の中で随時紹介します。
図書館や哲学共同研究室で『大漢和辞典』(大修館書店)も引くこと。
その他特記事項
自主性と積極性を大切にします。
楽しんで受講しましょう!