シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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学習指導と学校図書館 | 2024 | 後期 | 木6 | 文学部 | 野村 晴美 | ノムラ ハルミ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-LI2-M418
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
児童・生徒の自発的な「学び」を支援する「学校図書館」を実現するためにはどのような活動が必要か。「大航海」と題した「探求学習」の模擬授業を生徒役として体験することを通して学ぶ。
例年、大学図書館を使用して授業を実施している。授業の前半8回程度は大学図書館のプレゼンテーションホールにて図書館を利用した模擬授業を行う。
また、「学び」を支える学校図書館に求められているものとは何かを検討していく。それと並行して、教科教諭体験、司書(司書教諭)体験も実施し、学校図書館を利用した授業の課題や「アクティブラーニング」とは何かについて考察する。また、実際の学校現場で行われている実践についてもビデオや資料を使って随時紹介し、考察していく。
体験を重視し、実感として理解する授業としていきたい。
科目目的
学校図書館を活用した授業や、学校図書館の資料を利用した授業について理解し、そうした授業をどう支援するかについて学ぶ。
また、学校図書館から教員に対して、学校図書館を活用した授業の企画を提案するには、といった課題にも取り組み、学校図書館が学習情報センターとして期待され、機能していくために必要な方策を検討する。
到達目標
・探求学習型の授業、「大航海」とは何かを理解し、実際に大航海の模擬授業に生徒として参加することで、学校図書館を活用した学びについて体験的に学ぶ。
・(学校)図書館での資料探しや、「現場」で生の情報を集めるスキルを身につける。
・探求学習のモデルをイメージした、レポート作成や発表にも取り組む。
授業計画と内容
1.学習支援に関わる学校図書館の現状、教育課程と学校図書館
2.「探究学習」の理論と実践
体験実習 大航海:テーマを決める① 大航海とは何か
3.情報活用能力とは何か
体験実習 大航海:テーマを決める② 問題意識を持つ
4.学校図書館メディアの選択と活用
体験実習 大航海:資料を集める①児童書を活用しよう
5.学校図書館を利用した授業 教諭の役割と支援
体験実習 大航海:資料を集める②図書以外の資料で探す
演習:司書(教諭)体験
6.学習支援場面でのレファレンス
体験実習 大航海:「現場」を探そう
演習:図書館で授業を行う教科教諭体験
7.「現場」(実体験)をレポートに生かすには①
体験実習 大航海:「現場」に出かけよう。現場の作り方、活かし方
※課外活動 「現場」での取材、フィールドワーク、アンケート調査など
8.「現場」(実体験)をレポートに生かすには②
体験実習 大航海:レポートを書く技術①情報の整理とまとめ方
9.「自ら学ぶ授業」とは何か 〜「大航海」という授業から見えるもの〜
体験実習 大航海:レポートを書く技術②表現して伝える
10.学校図書館を必要とする授業実践 司書教諭の役割、教科教諭の役割
演習:面白い授業とは何か。図書館を利用した面白い授業を企画する。
11.学校図書館や学校図書館の資料を活用した授業例〜アクティブラーニングとは何か〜
アメリカの授業から学ぶアクティブラーニング ビデオ視聴
12.学校図書館を活用する授業実践事例とこれからの可能性 ビデオ視聴
演習:PISAを体験してみよう。
13.「情報活用能力」を育む授業
学校図書館メディア活用能力の育成
「大航海(探求学習型授業)」の成果の発信・伝達、評価、まとめ
14.「大航海」レポート内容の発信 プレゼンテーション
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
模擬授業、大航海では毎回、ワークシートを記入し、そのファイルを提出、回によってはマナバに課題を提出してもらう。
模擬授業についての個人個人への指示もマナバの配布資料から事前に確認して授業に臨むこと。
その他ワークシートなどもマナバの掲示板に提出し、お互いにコメントし合うといった宿題あり。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 25 | 発表による試験を予定。同時に発表についてのレポートを提出してもらい、発表とレポート両方で単位修得の必須条件とする。 |
レポート | 15 | 途中、2回のミニレポートを課す予定。内容は授業内で指示する。 |
平常点 | 20 | マナバの掲示板でのやり取りや、授業への積極的な参加を評価の対象とする。 |
その他 | 40 | 出席を重視。2/3以上の出席を必須とする。ただし、事情により教室に来られない場合にはオンラインでの参加も考慮する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
原則として出席2/3以上、最終レポート&発表が単位修得の必須条件となる。それに加え、その他のポイントの合計が60点以上で単位修得を認める。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
個人個人への指示や振り返りも記載したレジュメを随時配布。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
神奈川県立高校の学校図書館に学校司書として勤務(1987年~)。
1990年代には探求学習についての著書もある片岡則夫氏と、「大航海」の授業をチームティーチングで実施。学校図書館を活用した様々な実践を取り入れた図書館経営を30年以上に渡って展開してきた。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
現場の生の状況を報告したり、実際に現場で体験した授業を再現した模擬授業を学生が体験する。
体験型の授業を実施することで座学では実感しにくい、生徒の視点、教員の視点、司書の視点などを、実感として身につけ、学ぶ授業としたい。
テキスト・参考文献等
参考書『情報大航海術』(片岡則夫 1997 リブリオ出版)
『学校図書館発 育てます!調べる力・考える力』(遊佐幸枝 2013 少年写真新聞社)
『問いをつくるスパイラル』(日本図書館協会 2011)ほか 随時紹介
その他特記事項
「探求学習型」の模擬授業体験を軸に、体験と実感を通じて学校図書館での「探求学習」の授業の難しさや課題などについて考えるといった形式で行うため、課外の学習活動があったり、毎回のワークシート提出があるため、できるだけ3年次までに履修することが望ましい。予習復習が必要な授業である。
図書館を使用して資料や情報を検索したり、伝わるレポートのまとめ方、プレゼンについても体験的に学ぶので、司書としてのスキルのみならず、論文作成や発表のスキルアップを目指す学生にとっても有効な授業となるようにしていく予定である。
主にマナバを活用して学生との個別のやり取りを密に行っていく予定である。
メールでの質疑応答にも応じる。大航海においては個別指導あり。