シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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基礎数学4 | 2024 | 後期 | 月4 | 理工学部 | 三松 佳彦 | ミツマツ ヨシヒコ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-BM2-1B03
履修条件・関連科目等
数学A・Bおよび解析学第1の習得が望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
複素関数論は、変数も値も複素数であるような関数(複素関数)に対する微分積分学である。しかしながら、それは実関数に対する微分積分学を単に書き直したものではない。19世紀以降に多様な進展を遂げ、現代数学の源として位置づけられることも多い。
この講義では、複素数・複素平面の復習から始めて、複素微分可能な関数、すなわち正則関数の基本的な諸性質について学ぶ。三角関数・指数関数・対数関数などの初等関数も、複素関数として眺め直すと、個性や本質がより明確になるであろう。正則関数の等角性や1次分数変換の理論についても学ぶ。コーシー・リーマンの関係式やコーシーの積分定理から様々な帰結が導かれるが、その過程をじっくり味わってほしい。
科目目的
複素関数論の基礎を学ぶ。
特に、正則関数の持つ美しい性質と、
その驚くべき美しい理論構造を理解し、
併せて代数学の基本定理の証明などの応用を学ぶ。
到達目標
以下の4つを到達目標とする。
(1) 複素数・複素平面と複素関数になじむ。
(2) 複素関数が複素微分可能であるということが、実関数の微分可能性とどのように違うかを理解する。
(3) 複素関数を写像としてとらえる立場から正則関数の等角性を理解し、また、一次分数変換の理論に親しむ。
(4) コーシーの積分定理・積分公式とその応用について理解を深める。
授業計画と内容
第1回 複素数と複素平面
第2回 複素数列の収束、複素関数の例
第3回 複素微分
第4回 コーシー・リーマンの関係式
第5回 正則関数の等角性
第6回 調和関数
第7回 線積分と積分定理
第8回 複素積分とコーシーの積分定理
第9回 コーシーの積分公式・平均値の定理・最大値原理
第10回 高次のコーシーの積分公式・Liouville の定理
第11回 代数学の基本定理
第12回 Morera の定理・除去可能特異点定理・割り算定理
第13回 べき級数展開・一致の定理・偏角の原理
第14回 総括
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
各授業前に前回までの内容を復習しておく。演習問題には特に力を入れ、時間をかけて取り組むこと。レポートの課題がある場合は、必ず期日までに作成し、提出すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 45 | 理論の展開と計算の両面の理解 |
期末試験(到達度確認) | 50 | 理論の展開と計算の両面の理解 |
レポート | 5 | 理論の展開の詳細、高度な計算 |
成績評価の方法・基準(備考)
中間試験(45%)、期末試験(50%)、講義中に出題する演習問題などについてのレポート(5%)で評価する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書:特に指定しない。以下の参考書などの中から、自分に合うものを選べばよい。
参考書:L.V. アールフォース著 笠原乾吉訳「複素解析」(現代数学社 定価 4,644円)
神保道夫著「複素関数入門」(岩波書店 定価 2,592円)
スタイン、シャカルチ著「複素解析」(プリンストン解析学講義2、日本評論社 定価 5,170円)
加藤昌英著「複素関数論」(「講座」数学の考え方9 朝倉書店 定価 3,990円)
その他、講義中にも紹介する。