シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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日本古代史演習ⅡB | 2025 | 前期 | 木4 | 文学研究科博士課程前期課程 | 佐々木 憲一 | ササキ ケンイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-JH5-104S
履修条件・関連科目等
なし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
古墳時代は日本列島における国家形成期にあたる。この授業では古墳時代(紀元3世紀半ばから7世紀初め)の考古学的研究成果を概観し、古墳やそのほかの遺跡から出土した資料を解釈し、当該期の社会とその時間的変化に迫りたい。授業では、関東の地域ごとに古墳時代前期から後期へ年代順に、物質文化を理解し、その当時の社会的意義に迫る。その過程で、前期初めに検討したどの社会論が関東地方のどの時期により適合するのか、しないのか議論したい。各地域の古墳時代にほぼ3~5コマ充てる。個々の授業のテーマは次の通りである。古墳時代前・中期を対象とした授業では、大和王権との関係や地域社会の自律性が、後期を対象とした授業では群集墳・横穴式石室からみた社会論が主な課題である。
科目目的
関東地方の古墳時代遺跡のあり方やそこから導き出される当時の社会像が、3世紀半ばから7世紀初頭に至る370年間にどのように変化したかを理解し、それらでもって国家論に関する様々なモデルを検証することを目的とする。
到達目標
参加学生諸君は、関東地方の古墳時代遺跡のあり方やそこから導き出される当時の社会像が、3世紀半ばから7世紀初頭に至る370年間に、地域ごとにどのように変化したかを理解することが期待される。またレポートでは、国家形成論に関する先学の業績を批判的に検討することが要求される。
授業計画と内容
授業はさまざまな研究者による古墳時代社会論・国家形成論を紹介することから始まる。次いで、古墳出現期から始まって、7世紀に至る社会の変化をたどる。その過程で、どの社会論が近畿地方の、どの時期により適合するのか、しないのか検討したい。個々の授業のおおよそのテーマは次の通りである。
第1回:様々な古墳時代社会論(1)-部族同盟論、首長制論、首長同盟論
第2回:様々な古墳時代社会論(2)-初期国家論、国家論、首長系譜論
第3回:上野の古墳時代前・中期
第4回:上野の古墳時代後期の古墳・集落
第5回:上野の古墳時代後期の副葬品と埋葬施設
第6回:下野の古墳時代前・中期
第7回:下野の古墳時代後期
第8回:常陸の古墳時代前・中期
第9回:常陸南部の古墳時代後期
第10回:常陸北部の古墳時代後期
第11回:下総の古墳時代
第12回:上総の古墳時代
第13回:武蔵の古墳時代
第14回:相模の古墳時代
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業内容を理解するための復讐はもちろんであるが、レポートでは授業で対象としない地域の遺跡・考古資料を対象とするので、授業中に紹介する参考書などで自分で勉強すること。レポート課題は第2回目の授業で配布するので、早い目にレポートの準備をすること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | 先学の業績を、いかに具体的な考古資料に基づいて批判的に検討できるか、評価する。 |
平常点 | 30 | 積極的に質問する姿勢を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
可能であれば、群馬県高崎市域の古墳時代遺跡の見学を行いたい。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
社会状況によりオンライン形式に切り替えた場合、Webexなど遠隔授業システムを利用する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業は、講師作成のレジメにより進行するが、講義内容理解を深めるため、次の参考書をお薦めする。
岩崎卓也1990『古墳の時代』教育社歴史新書(大変残念ながら絶版)
広瀬和雄・和田晴吾(編)2011・2012『講座 日本の考古学』7・8(古墳時代 上・下)青木書店
土生田純之・亀田修一(編)2012『古墳時代研究の現状と課題』上・下 同成社
一瀬和夫・福永伸哉・北條芳隆(編)2011-14『古墳時代の考古学』全10巻 同成社
佐々木憲一(編)2006『関東の後期古墳群』六一書房
小林三郎・佐々木憲一(共編)2013『古墳から寺院へ』六一書房
そのほか、群馬県高崎市三ツ寺I遺跡、高崎市綿貫観音山古墳、前橋市大室古墳群、茨城県ひたちなか市虎塚古墳・十五郎穴横穴墓群、埼玉県行田市埼玉古墳群、鴻巣市生出塚埴輪窯、千葉県栄町龍角寺浅間山古墳、南房総市大寺山洞穴、東京都柴又八幡神社古墳については、新泉社が刊行するシリーズ「遺跡を学ぶ」に、遺跡の概要と意義が分かりやすく記述されている。
その他特記事項
特にありません。