シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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身体文化と歴史 | 2024 | 前期 | 木1 | 文学部 | 日比野 暢子 | ヒビノ ノブコ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-HS1-T909
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
テーマに沿った配布資料やビデオにより、講義を進める。原則として講義形式ではあるが、身体について考え論じることができるグループディスカッションなどの機会も積極的に設け、参加型の授業を行う。
科目目的
我々の身体は多くのメッセージを発信していますが、身体に対する理解は自然科学に依拠する傾向が見られます。しかし、身体というものを通して、我々は社会的にジェンダー、人種、障害などといったカテゴリーを定め、身体による区別化を図ることも歴史的に繰り返されてきました。
フィットされた美しい身体を美化しようとする現代の我が国においても、改めて身体からみる社会的動向を考えることができます。さらに東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催後、障害のある身体、女性の活躍、ジェンダーの多様性など、社会的文脈で身体というものを問いてみてはと思います。社会学は、あたりまえであることに疑問を持ち、議論できる領域でもあります。
世界的にパンデミックにより問われた社会の在り方をめぐり、私たちは、改めて身体を問い、健康とは何か、なぜ人は身体により区別化されるのかなどを、社会的、歴史的、文化的観点から議論する必要があるのかもしれません。本講義は、学生の皆さんが、自ら、そうした社会的動向を観察し、考え、議論することを通して、社会学的な想像力を習得することを目指します。
到達目標
学生の皆さんが、身体を題材にして、社会的、文化的、歴史的な視点から、観察し、考え、時に批判し、そして議論する力を習得することを目指します。
授業計画と内容
1.ガイダンス
2.身体をめぐる様々な諸社会問題~公民権運動と身体:人種の観点から
3.祝祭と身体文化~英国サッカーを例になぜルールがあるのかを考える
4.近代オリンピックの誕生と身体文化への影響
5.商業主義が及ぼす身体文化への影響
6.メディアリテラシー:パラリンピックの変遷とともに考える障害者の描かれ方1
7. メディアリテラシー:パラリンピックの変遷とともに考える障害者の描かれ方2(演習)
8.ドイツにおける身体と政治~五輪とナチズム
9.多様な性を考える1 ~男らしさと女らしさからの検討
10.多様な性を考える2 ~多様化するジェンダーとスポーツ界における議論
11.ファッションと身体文化、その歴史 ファッションの多様化と批判
12.身体が発する印象形成とセルフプレゼンテーション
13.メンタルヘルス問題から考える身体のとらえ方
14.まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
資料は、授業内で示します。授業終了後の課題は期限内に提出しましょう。授業以外にも、社会活動などに関心のある方は、ご連絡ください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 最終レポートの提出が求められる。 |
平常点 | 42 | 1回の講義に対し、リアクションペーパーが3点配当。出席確認も含む。 |
その他 | 8 | 授業内で演習で出される課題による得点。 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業内での積極的な発言や、課題の発表等については、加点の対象とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
前の週の授業で提出されたリアクションペーパーからの議論や意見、質問を交え、その週以降の講義で解説する時間を設けます。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
パラスポーツを含む競技団体等の役員を通し、障害やジェンダーに係わる実務経験を持つ。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
競技団体にて、国内外における多様性の推進に係り、またエリートスポーツのあり方についても検討してきている経験を活かし、社会経済階級、人種、ジェンダー、障害などの視点から議論を進めていく。
テキスト・参考文献等
ジョーン・ハーグリーブス「スポーツ・権力・文化」不昧堂、渡部憲一「身体障がいとジェンダーにスポーツを読む」高菅出版、清水諭「オリンピック・スタディーズ-複数の経験、複数の政治」せりか書房、池井望・菊幸一「『からだ』の社会学」世界思想社、飯田貴子・井谷恵子「スポーツ・ジェンダー学への招待」明石書店、田中暢子ほか(編)「実践で学ぶ!学生の社会貢献-スポーツとボランティアでつながるー」成文堂ほか 随時、授業の中で参考文献を紹介する。