シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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外国史概説 | 2023 | 秋学期 | 木2 | 南 修平 | ミナミ シュウヘイ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-OH1-57XL
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本科目は20世紀の歴史について、アメリカ合衆国(以下、アメリカ)を中心に学ぶものである。20世紀前半、世界が史上かつてない二つの悲惨な戦争を経験する中で、アメリカは政治や経済、軍事的パワーを増大させ続け、人々の日常生活や文化など様々な面でそのプレゼンスを高めていった。第2次世界大戦への参戦を前にして、メディア界の巨人ヘンリー・ルースは「アメリカの世紀」を力強く唱えたが、戦後の世界は名実ともにそれが実現したかのように見える。しかし、アメリカ社会の中で長く周縁に追いやられてきた人びとの声はますます大きくなり、人種や階級、ジェンダーなどの秩序をめぐる緊張関係は激しさを増す一方であった。どのような社会を展望し、どのような秩序を構築していくのかという多様な人びとの間で展開される争いと模索は、まさにアメリカの歴史そのものと言える。
講義においては、そうしたアメリカの歩みを世界史的文脈の中に位置づけて考察しながら、様々な変化について、その歴史的意味を問うていく。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の商学部リベラルアーツ科目として位置づけられている。
教職科目でもある本科目、歴史をどのように捉えるかという視点を養うことを目的とする。
具体的には、
・様々な地域や人々の歴史を世界史的文脈と関連付けて考える。
・様々な地域や人々の歴史は相互に影響し合っており、その複雑性とダイナミズムを理解する。
ことに重きをおく。
到達目標
・20世紀以降のアメリカ合衆国史の流れを理解し、主要な出来事について説明できる。
・人種や階級、ジェンダーなど人々の関係において生じる争いの背景を理解し、説明できる。
・アメリカ史に関連する多様な史資料にアクセスし、それらを取り扱うことができる。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション―南北戦争の終結と再建政治の挫折
第2回 世紀転換期のアメリカ―大量移民の時代
第3回 新移民の生活世界―働く人びとの日常
第4回 大衆消費社会の出現、拡がる人種主義
第5回 アジア系移民―帰化不能外国人の創造
第6回 大恐慌からニューディールへ
第7回 第2次世界大戦下のアメリカ社会
第8回 総動員体制と変容する秩序
第9回 反共と「繁栄」の1950年代
第10回 黒人公民権運動―草の根の人々の闘い
第11回 都市の荒廃と緊迫化する人種関係
第12回 マイノリティのエンパワーメント―権利と尊厳を求めて
第13回 交錯する価値観―変革と反動の時代
第14回 多文化社会アメリカの現実とこれから
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
参考文献などを利用して講義で扱われる主要なトピックの概要を調べておくこと。同時に出来事の場所の位置を確認し、その地域の風土や生活空間、そこで生きている人びとの様子を可能な限りつかんでおくこと。アメリカ史の学びを深めるためのツールとしては、文献の他に視聴覚資料や優れたウェブサイトなど多種多様なものがあり、大学や資料館などの学術機関や社会運動団体が運営するウェブサイトからの情報発信は日進月歩で拡充していることから、講義の中でできるだけ紹介していく。授業時間外に可能な限りアクセスし、アメリカ史のより深い理解のために役立ててほしい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | 事前にレポートの形式と内容に関する作成要領を示す。この要領に従って適切にレポートが作成されているかが評価の基準となる。レポートの詳細については講義の中で改めて説明する。なお、レポートでは、事例の説明に大幅な紙幅を費やす、配布資料の文言をそのまま使い、考察がほとんど行われていないといったものは評価対象にならないので注意すること。 |
平常点 | 30 | 本講義では定期的に講義の進度や難度が適切であるか、受講生が十分な考察を行えているかをはかるため、リアクションペーパーの提出を求める。その際、提出回数が規定(実施数の2/3以上)に満たない者は、特別な事情がある場合を除いて無条件に単位を修得する資格を喪失する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは用いない。適宜資料を配布する。
<参考文献>
有賀夏紀『アメリカの20世紀(上)1890年~1945年』(中央公論新社、2002年)
『アメリカの20世紀(下)1945年~2000年』(中央公論新社、2002年)
野村達朗『大陸国家アメリカの展開』(山川出版社、1996年)
和田光弘編著『大学で学ぶアメリカ史』(ミネルヴァ書房、2014年)
など。個別具体的トピックに関しての参考文献は授業の中で紹介する。
その他特記事項
アメリカ史に関して初学者でも受講に問題はない。ただし、専門的内容にもふれていくことから、上記にあるような授業前後の予習復習は不可欠となる。
また、アメリカ史を学ぶ上で地理的素養は極めて重要であり、地理的概念と歴史的概念は不可分であることから、具体的地名の位置はもちろん、それらの呼称に関する歴史的背景も把握しておくことが求められる。
なお、平常点に関して「成績評価の方法・基準」で明記しているように、本講義で定めた規定を満たさない場合は無条件に単位の修得資格を喪失するので注意してほしい。