シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アジア経済論 | 2024 | 前期複数 | 水3,水4 | 経済学部 | 向山 英彦 | ムコウヤマ ヒデヒコ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-NE3-64XX
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
アジアの主要国である韓国、タイ、中国、インドを中心に、経済発展の歩み、その特徴、現在の課題などについて、また中国の影響力増大ならびに米中対立のアジア各国への影響、地域の経済統合や貧困削減など地域全体に関わるテーマをできるだけわかりやすく、ビジュアルに説明します。
韓国の授業では韓国の経済発展の過程を振り返る一方、現在どのような問題に直面しているのかについて触れるほか、最近の日韓関係の動きについても考えていきます。
タイ経済に関しては、ASEAN経済の一体化の観点からも取り上げます。
また、中国経済が世界に与える影響が大きくなったことを鑑みて、中国に関する授業では、中国経済がどう変化し、アジア経済にどのような影響を与えてきたのか、現在の米中対立が中国や周辺国にどのような影響を及ばしているのか、さらに最近の経済の変調に触れていきます。
最後に、北朝鮮情勢の今後の行方が、東北アジアにまた日本にどのような影響を与えるのかという問題について、取り上げていきます。
現在を理解することは、これまでの歴史を学ぶことですので、それを意識して講義をしたいと思います。
科目目的
日本企業、日本経済にとって重要性を増しているアジア経済について学習します。
到達目標
東アジア諸国の経済発展がどのように実現したのか、現在直面する課題は何か、日本との経済関係はどのようなものかなどに関して、基本的な知識を習得するのが目標です。
授業計画と内容
1 授業の進め方、何を学ぶか、評価などについて
2 最近のアジア経済を見る視点 米中の覇権競争、変わるサプライチェーン
3 韓国1 戦後の経済発展 漢江の奇跡
4 韓国2 財閥の形成と財閥中心の経済構造
5 韓国3 通貨危機の背景
6 韓国4 通貨危機後の構造改革と経済社会への影響
7 韓国5 2000年代以降加速するグローバル化
8 韓国6 グローバル化の光と影 対中依存、大企業の海外投資
9 韓国7 グローバル化で変容した日韓関係
10 韓国8 文政権から尹政権へ 尹政権下での対米シフト
11 タイ1 タイの経済発展の特徴
12 タイ2 高度成長と地域格差―国内亀裂の背景
13 タイ3 タクシン政権の政策と政治対立、「タイ式民主主義」の危機
14 タイ4 ASEANの経済統合とタイ、存在感を増す中国
15 中国1 毛沢東指導下の経済発展
16 中国2 毛沢東時代のシステム 何が問題か
17 中国3 改革・開放政策の導入
18 中国4 改革・開放過程で浮上した問題と改革
19 中国5 2000年代以降の動きと習近平政権下の中国
20 中国6 米中の覇権競争、中国経済の変調
21 インド1 ネルー、ガンジー政権の政策
22 インド2 80年代以降の改革
23 インド3 90年代の改革とITS産業の成長
24 インド4 モディ政権の経済政策と課題
25 北朝鮮情勢 独裁国家の成立と経済停滞の要因
26 北朝鮮の挑発と国際社会の制裁 経済面で強まる中国依存
27 アジアの今後
28 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
①アジア経済の現状について、新聞、雑誌、テレビで情報を得る。
入門書を読む。
②授業を聞いて、知識を整理する。
③自分の問題関心に沿って専門書や論文を読む。
現在を知ることは、歴史を学ぶことでもあります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 50 | 専門用語を理解しているか、過去や現在の経済社会現象を論理的に説明できているかを基準にします。内容的には、授業で触れたものから(復習問題から半分程度)出す予定。 |
平常点 | 50 | 韓国、タイ、中国、インドに関する授業を行っている間もしくはその終了時点に、復習問題や課題をmanabaに掲載して、提出してもらいます。5回予定しています。 |
成績評価の方法・基準(備考)
①定期試験(持ち込み不可)が50%
②復習テスト(復習を兼ねて、5回程度実施)が50%。
復習テストはmanabaにアップします。
勉強しないと単位は取れません(運動部への配慮はしません)ので、注意してください。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
復習問題で、基礎的な事項を再確認します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
パワーポイントで授業を行う。
資料や復習試験(ならびにその解説)をmanabaにアップ。
復習問題の提出にはWord、Excelの使用が必要になりますので、準備してください。
復習問題において、データの分析やグラフの作成をしてもらいます。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
シンクタンク(日本総合研究所に1992年12月から2022年3月勤務)でアジア経済の分析
企業向けセミナーでの講演や日韓経済人会議での発表
メディアでの解説
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
これまでの数多くの現地調査の経験を活かして、経済分析の際の事例として取り上げたり、また経済環境が変化に対応して企業がどう対応してきたのかを説明していく。
また、日本を含む各国政府が実施してきた政策を、発表当時にどのように評価していたのかを、自身の発言やレポートを通じて確認してもらう。
テキスト・参考文献等
テキスト
毎回配布資料(manabaに掲載)にもとづいて行います。遅くとも、授業が行われる週の月曜日までにアップしますので、受講者はダウンロードしてください。
基礎参考文献 (開講時及び授業のなかで説明します)
全体
大野健一・桜井宏二郎『東アジアの開発経済学』有斐閣アルマ、1997年
渡辺利夫編『アジア経済読本(第4版)』東洋経済新報社、2009年
末廣昭『新興アジア経済論 キャッチアップを超えて』岩波書店、2014年
伊藤亞聖『デジタル化する新興国 先進国を超えるか、監視社会の到来か』中公新書、2020年
戸堂康之『開発経済学入門第2版』新世社、2021年
各国別
朴一編『変貌する韓国経済』世界思想社、 2004年
百本和弘『韓国経済の基礎知識』JETRO、2015年
安倍誠編著『低成長時代を迎えた韓国』JETROアジア経済研究所、2017年
金 成玟『K-POP 新感覚のメディア』岩波新書、2018年
春木育美『韓国社会の現在 超少子化、貧困・孤立化、デジタル化』中公新書、2020年
加藤圭木監修『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』大月書店、2021年
伊東順子『韓国カルチャー 隣人の素顔と現在』集英社新書、2022年
石井米雄『タイ仏教入門 タイ人にとって仏教とはなにか』めこん選書、1991年
末廣昭『タイ 開発と民主主義』岩波新書、1993年
末廣昭『タイ 中進国の模索』岩波新書、2009年
柿崎一郎『タイの基礎知識』めこん、2016年
岩佐淳士『王室と不敬罪』文春新書、2018年
邉見伸弘『チャイナ・アセアンの衝撃』日経BP、2021年
加藤弘之・上原一慶編『現代中国経済論』ミネルヴァ書房、 2011年
南亮進・牧野文夫編著『中国経済入門〔第3版〕』日本評論社、2012年
津上俊哉『中国台頭の終焉』日本経済新聞出版社、2013年
丸川知雄『現代中国経済』有斐閣アルマ、2013年
梶谷懐『中国経済講義』中公新書、2018年
服部健治・湯浅健司・日本経済研究センター編著『中国 創造大国への道』文真堂、2018年
遠藤誉『中国製造2025の衝撃』PHP 、2019年
宮本雄二・伊集院敦 日経センター編著『技術覇権 米中激突の深層』日本経済新聞出版社、2020年
佐橋亮『米中対立 アメリカの戦略転換と分断される世界』中公新書、2021年
川島真・小嶋華津子編『習近平の中国』東京大学出版会、2022年
小島眞『インドのソフトウェア産業』東洋経済新聞社、2004年
絵所秀紀『離陸したインド経済』ミネルヴァ書房、2008年
近藤正規『インド グローバル・サウスの超大国』中公新書、2023年
磯崎敦仁・澤田克己『新版北朝鮮入門』東洋経済新報社、2017年
木村光彦『日本統治下の朝鮮 統計と実証研究は何を語るか』中公新書、2018年
その他特記事項
授業中に大きな声で話をした人は、教室外に出てもらいます。
参考URL
特になし