シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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卒業研究(演習)Ⅱ | 2024 | 後期 | 水3 | 総合政策学部 | 横山 陸 | ヨコヤマ リク | 4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF4-SM02
履修条件・関連科目等
以下を履修の条件とします。
1.担当教員の講義科目のうち、単位未習得の科目については、並行して履修すること。
2.各学期末のレポート並びに卒業論文を執筆する意欲のある者。
3.アルバイト・サークル・就活などよりも、ゼミおよびゼミの課外活動を優先できる者。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
西洋哲学・社会思想・倫理学の観点から、現代社会の諸問題について考察します。ゼミは文献講読と個人発表の二本立てで、3・4年生合同で行います(参加者は水曜2限・3限の両時限を空けておいて下さい)。本年度は2年生から持ち上がりの学生が少数のため、3年生からの参加者も歓迎します。
●文献講読(各学期5回程度)
前期はキア・ミルバーンの『ジェネレーションレフト』を講読します。同書は、格差の広がり・生活・仕事の不安定化のなかで、欧米の若者たちにラディカルな社会運動が広がっていく現状(環境保護運動、ウォールストリート占拠運動など)を思想的に分析した本です。シェーラーやマンハイムの古典的な世代論を踏まえたうえで、講読を通じて、若者という世代について、そして社会運動の意義と問題について議論します。後期はリチャード・ベラミーの『哲学がわかる シティズンシップー民主主義をいかに活用するか』を講読します。同書は、シティズンシップ・市民の平等な政治参加について哲学的に論じた本です。講読を通じて、政治への幻滅という世界的な社会現象のなかで、市民の政治参加の意義と可能性について議論します。
●個人研究発表(各学期9回程度:1人2回程度)
上記の文献講読とは別に、各人の興味関心に基づいてテーマを選び、各自でリサーチを進め、各学期プレゼンテーション(個人研究発表)を行います。そしてプレゼンテーションとゼミでのディスカッションに基づいて、学期末にはレポートを作成します。毎学期この作業を繰り返すことで、4年次には卒業論文を完成させます。個人の研究テーマは、文献講読の内容と直接関係なくとも構いません。なお最近の卒業生の研究テーマは、「フェミニズムと文学」「女性と貧困」「障害と貧困」「デューイの教育哲学」「環境倫理」「ヨーロッパとアジアにおけるムスリムのヴェール問題」「じぶんとは何か」「自殺論」「ニーチェ」「社会倫理学の観点からの死刑制度の是非」など。
●読書会
上記の文献講読とは別に、哲学の古典(クラシック)に興味のある学生を対象に、毎週、読書会を行います(参加は任意です)。2024年度は、現代の哲学・思想に大きな影響を与えたドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの『喜ばしき知恵』(『愉しい学問』)を読みます。同書では、道徳や同情に対する激烈な批判、そして「運命」「神の死」「永遠回帰」など独創的な人生観が、アフォリズム形式で展開されます。毎週、難解な思想を少しずつ読んでいきます。
●ゼミの方向性
ゼミ(事例研究・卒業研究)は《講義で教員がレクチャーした知識を、ゼミで学生が自分の興味関心にしたがって掘り下げていく》ものと考えます。そのため、ゼミでは学生の自主性(積極的な態度)が重要となりますし、授業時間外にも、講読や個人発表の準備や参考文献の読み込み、さらには卒業論文の執筆など準備作業が必要となります。したがって《自分で調べるよりも教員に教えて欲しい》、《自分で本を読む時間がない、読みたくない》、《授業時間だけで完結したい》といった学生には、このゼミは向かないでしょう。本を読むこと、自分で、そしてみんなで考えること、それを文章にまとめること、以上3点が重要となります。
科目目的
総合政策学部のディプロマ・ポリシーに基づき、社会・文化政策とその問題を哲学・思想の観点から考察することを通じて、「さまざまな観点から社会現象を解明する能力」と「多様な異文化を理解・受容できる包容力」の習得をめざします。
到達目標
科目の目的に基づいて、以下の二点を到達目標とします。
(1)哲学・思想に関する抽象的な理論を(批判的に)理解できる。
(2)理論を応用して、社会・文化政策とその問題を分析できる。
授業計画と内容
ゼミ形式の授業ですので、参加者の人数、理解度、興味関心に応じて、授業計画は変更することがあります。
前期
第01回 学生の個人研究発表(昨年度の研究報告)①
第02回 学生の個人研究発表(昨年度の研究報告)②
第03回 学生の個人研究発表(今年度の研究の着想)①
第04回 学生の個人研究発表(今年度の研究の着想)②
第05回 文献講読①(『ジェネレーションレフト』第1章:世代の再考)
第06回 文献講読②(『ジェネレーションレフト』第2章:取り残された世代)
第07回 文献講読③(『ジェネレーションレフト』第3章:ジェネレーションの爆発)
第08回 文献講読④(『ジェネレーションレフト』第4章:選挙的転回)
第09回 文献講読⑤(『ジェネレーションレフト』第5章:成人モデルの改革)
第10回 学生の個人研究発表(卒業論文の構想)①
第11回 学生の個人研究発表(卒業論文の構想)②
第12回 学生の個人研究発表(今年度の研究の展開)①
第13回 学生の個人研究発表(今年度の研究の展開)②
第14回 まとめ
後期
第01回 学生の個人研究発表(夏休みの研究報告)①
第02回 学生の個人研究発表(夏休みの研究報告)②
第03回 文献講読①(『哲学がわかる シティズンシップ』第1章:シティズンシップとは何か)
第04回 文献講読②(『哲学がわかる シティズンシップ』第2章:シティズンシップの理論と歴史)
第05回 文献講読③(『哲学がわかる シティズンシップ』第3章:成員資格と所属)
第06回 文献講読④(『哲学がわかる シティズンシップ』第4章:権利と諸権利をもつ権利)
第07回 文献講読⑤(『哲学がわかる シティズンシップ』第5章:参加とデモクラシー)
第08回 学生の個人研究発表(卒業論文の進捗報告)①
第09回 学生の個人研究発表(卒業論文の進捗報告)②
第10回 学生の個人研究発表(卒業論文の進捗報告)③
第11回 学生の個人研究発表(卒業論文の進捗報告)④
第12回 学生の個人研究発表(今年度の研究の総括)①
第13回 学生の個人研究発表(今年度の研究の総括)②
第14回 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講読するテキストについて、授業時間外に毎回、簡単な小レポート(A4で1〜2枚程度)を作成し、授業前日の21時までにmanabaで提出することを義務づけます。講読箇所の要約と自らの問題提起が小レポートの課題です。
なお、夏休みや春休みなどに数日の課外活動(合宿など)を行う場合もあります。時や実施の形態については、学生の意見を聞きながら決めたいと思いますが、履修条件にも挙げたように、サークル・アルバイト・就活よりも優先してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | ①教員が個別に指示した文献を読み込んでいるか、②自分のテーマ・問題関心が掘り下げられているか、③論理的な文章となっているか、という観点から総合的に評価します。 |
平常点 | 50 | ①ゼミ形式の授業ですので、ディスカッションへの参加姿勢を重視します。それに加えて、②毎回提出する小レポートの内容を評価対象とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
ゼミ形式の授業ですので、以下の場合には(他の評点のいかんに関わらず)E判定(不可)とします。①出席が不良の場合、②課題物の提出が不良の場合、③期末レポートが未提出の場合。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】キア・ミルバーン,斎藤幸平他訳『ジェネレーションレフト』,堀之内出版,2021年.
【テキスト】リチャード・ベラミー,千野貴裕『哲学がわかる シティズンシップ』,岩波書店,2023年.