シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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刑法総論 | 2025 | 春学期複数 | 他 | 法学部 | 曲田 統 | マガタ オサム | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-CR2-001L,JU-CR3-001L
履修条件・関連科目等
毎週の面接授業(茗荷谷キャンパス)にしっかりと出席するとともに、オンデマンド配信される授業についても視聴をおろそかにしないことが求められる。
学びに真摯な学生に履修してほしい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
刑法典は総則と各則(罪)で構成されている。このうち総則を対象にするのが刑法総論 という科目である。 総則とは一般(共通)ルールのことである。したがって、本講義では、刑法を使うに当たって働く共通ルールを学修することとなる。 同時に、刑法の根底を流れる原理(犯罪と刑罰に関する基礎理論)も学修対象である。 条文の意義を理解し、体系的思考を身につけ、論理的につじつまの合う考え方が展開できるようになってほしい。
科目目的
主な科目目的は次のとおりである。
1.「刑事法学の慎重さの合理性」を知ること。刑事法は、人にたいして刑罰という最も峻厳な制裁を予定する法制度である。したがって、その安易な利用は私たちの社会における害となる。この点を十分に理解してほしい。
2. 「刑法学の複雑さの合理性」を知ること。刑事法は峻厳であるゆえ、その用い方に関して様々な考え方・価値観が対立し、理論は複雑化している。また、今日の社会自体が複雑化しているため、犯罪現象も往々にして複雑なものとなり、結局、犯罪構造を考察の対象とする刑法理論も複雑にならざるを得ない。この点に意識が及ぶようになってほしい。そして、刑法学の複雑さが人類の試行錯誤と知恵の結晶に他ならないということにも理解が及ぼようになってほしい。
3.「刑法の根底にある原理・原則」を理解すること。刑法の解釈・適用がいかなる考え方に則って展開されているのかを正しく理解してほしい。
4. 「条文解釈の方法」を習得すること。条文解釈にはさまざまなバリエーションがある。それらの内容を理解するのはもちろんであるが、それぞれの背景にいかなる考えがあるのか、またそれぞれの長短はどこにあるかについて検討できる力を身に付けてほしい。
5. 「刑法特有の概念の意義」を理解すること。たとえば、応報・一般予防、構成要件、実行行為、既遂・未遂、等々、挙げればきりがないが、そうした刑法学における諸概念の意義を十分に理解し、刑法の諸問題について考察するさいに正しく用いることができるようになってほしい。
6. 「体系的思考」を身につけること。刑法理論(解釈学)は、評価・判断において誤りが可能な限り生じないよう、非常に秩序立ったものとして構築されている。この理論の体系的構成を理解し、それに従って事案に対する判断ができるようになってほしい。
7. 「判例の趣旨」を理解できるようになること。重要な判例を知り、それらを分析し、どういう事案に対してどういう判断を下したのかについて正しく理解できるようになってほしい。
8. 「論点抽出・分析・解決」の力を一定程度身に付けること。具体的事案のどこに刑法上議論すべき問題点があるかを見抜き、その問題に対してどのような解決アプローチがあるか指摘でき、そしてどの解決策を採用すべきかを説くことができるようになってほしい。
到達目標
上記「科目目的」に応じ、次のとおりである。
1.「刑事法学の慎重さの合理性」を知る。2. 「刑法学の複雑さの合理性」を知る。3.「刑法の根底にある原理・原則」について理解する。4. 「条文解釈の方法」を習得する。5. 「刑法特有の概念の意義」を理解する。6. 「体系的思考」が身に付く。7. 「判例の趣旨」を理解できるようになる。8. 「論点抽出・分析・解決」の力が一定程度身に付く。
授業計画と内容
具体的には、以下の流れで進めていくつもりである。もっとも、みなさんの理解度を勘案しつつ解説の加減を柔軟におこなっていくつもりである。進行具合に変更も生じるうる。
第1回〔面接授業〕 本講座の流れ、本講座における注意事項
第2回〔遠隔授業〕 刑法のねらいと基本原理、罪刑法定主義の基本思想
第3回〔面接授業〕 罪刑法定主義の派生原則
第4回〔遠隔授業〕 刑罰の本質・正当性(応報原理)
第5回〔面接授業〕 刑罰の本質・正当性(目的主義)
第6回〔遠隔授業〕 因果関係(理論)
第7回〔面接授業〕 因果関係(実践)
第8回〔遠隔授業〕 不作為犯(理論)
第9回〔面接授業〕 不作為犯(実践)
第10回〔遠隔授業〕 構成要件的故意・過失
第11回〔面接授業〕 事実の錯誤(具体的事実の錯誤)
第12回〔遠隔授業〕 事実の錯誤(抽象的事実の錯誤)
第13回〔面接授業〕 事実の錯誤(実践)
第14回〔遠隔授業〕 違法性の本質(結果無価値論、行為無価値論)
第15回〔面接授業〕 違法性の本質(実践)
第16回〔遠隔授業〕 正当防衛(理論)
第17回〔面接授業〕 正当防衛(実践)
第18回〔遠隔授業〕 緊急避難(理論)
第19回〔面接授業〕 緊急避難(実践)
第20回〔遠隔授業〕 責任の本質
第21回〔面接授業〕 違法性の錯誤(基本的な視座)
第22回〔遠隔授業〕 違法性の錯誤(理論)
第23回〔面接授業〕 違法性の錯誤(実践)
第24回〔遠隔授業〕 未遂犯
第25回〔面接授業〕 中止犯
第26回〔遠隔授業〕 共犯(共犯形式、基本原理)
第27回〔面接授業〕 共犯(共謀共同正犯)
第28回〔遠隔授業〕 共犯(その他の共犯の諸問題)
授業は、高いレベルを保ちつつも、具体的な話を機会あるごとに織りまぜ、なるべくわかりやすくすすめていくつもりである。刑法学の「筋」をしっかり理解してもらいたいと思っている。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
勉強の過程では、必ず、難しい、理解がなかなかできない、と感じる時が来ます。しかし、それは(タイミングこそ違えど)誰にでもおとずれることですので、あせることなく、落ち着いて対応しましょう。すなわち、何冊かの専門書を手に取り、難しいと感じた部分に関する解説に当たってみることです。
学修は、「難しいと感じる→文献に当たる→そういうことだったのかと分かるようになる」の繰り返しです。図書館を大いに利用するなどして、多くの専門文献に当たることを癖づけていきましょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 今日の刑法解釈論の基本を理解できているか。刑法学の流儀に従って論述することができているか。講義内容に関する十分な理解にもとづき回答できているか。 |
成績評価の方法・基準(備考)
必要に応じて、レポートの提出を求めたり、適宜、出席をとったりする可能性がある。これらが、筆記試験(期末試験)の結果に加算されることもありうる。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
本授業は、対面式の面接授業と、オンデマンド型の授業とを併用するタイプです。オンデマンド授業を視聴するにはデジタル端末が必要となります。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
「テキスト」
・指定しない。
「参考文献」
★井田他『刑法ポケット判例集』(弘文堂)←これは、授業内で判例の確認のために多用しますので、各自用意しておくと便利でしょう。
・佐伯・橋爪編『刑法判例百選Ⅰ 総論』(第8版、有斐閣)
・井田良 『入門刑法学・総論』( 有斐閣)
・只木誠『コンパクト刑法総論』(新世社)