シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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統計力学及演習1 | 2024 | 前期複数 | 月3,火4 | 理工学部 | 田口 善弘 | タグチ ヨシヒロ | 3年次配当 | 3 |
科目ナンバー
SE-PH3-2B09
履修条件・関連科目等
「物理1」や「数学2」で習った初等的な微積分。その他「力学」「電磁気学」で習った物理の基礎は身に付いているものとする。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義で扱うのはこれまで学んだ力を介したエネルギーの伝達とは異なる、いわゆる「熱」を介したエネルギーの伝達である。力を介したエネルギーの伝達は基本的に可逆(逆方向のプロセスが常に可能)であるが、熱を介したエネルギーの伝達は一般には可逆ではない(逆方向のプロセスがあるとは限らない)。この様なプロセスを記述するのが熱力学である。この講義についてはこの熱力学に対して学んでいく。
科目目的
熱力学の原理を現実の問題に応用するできるようになることを目的とする。
到達目標
エントロピーや自由エネルギーなどの概念を理解すること。またそれらの量の間に成り立つ熱力学的関係式を暗記するのではなく、いくつかの基礎的な概念から導きだせるようになること。
授業計画と内容
• 第一回 講義の進め方について/高校物理(熱力学分野)の復習(定積定圧機関)
• 第二回 断熱過程の熱力学
• 第三回 理想気体のエントロピー
• 第四回 断熱自由膨張及び隔壁除去による理想気体のエントロピー変化
• 第五回 固定透熱壁で仕切られた断熱容器内の理想気体及び断熱容器内の透熱壁等温移動によるエントロピー変化
• 第六回 相加相乗平均、Jensen の不等式
• 第七回 温度とは何か?、エントロピーの熱微分とエネルギー微分、熱とは何か、エントロピーと熱の関係
• 第八回 理想気体以外の場合の温度、断熱容器内の断熱壁の移動(1)
• 第九回 断熱容器内の断熱壁の移動(2)
• 第十回 非準静的過程の熱とエントロピー
• 第十一回 固定透熱壁で仕切られた断熱容器内の理想気体 (非準静的過程の場合)
• 第十二回 圧力とはなにか?
• 第十三回 理想気体以外のエントロピー、固定透熱壁で隔てられた断熱容器内の仮想気体
• 第十四回 理想気体のエントロピー(再考)、仮想気体のエントロピー(再考)
• 第十五回 定積定圧機関のエントロピー変化
• 第十六回 定積定圧機関の最大熱効率
• 第十七回 準静的な熱機関と非準静的な熱機関
• 第十八回 第二種永久機関
• 第十九回 冷却器、断熱条件下以外の熱力学
• 第二十回 ヘルムホルツの自由エネルギー
• 第二十一回 ギブスの自由エネルギー
• 第二十二回 化学ポテンシャル
• 第二十三回 熱力学的安定性 I 極大・極小
• 第二十四回 マクスウェルの関係式:理想気体の場合
• 第二十五回 マクスウェルの関係式:仮想気体の場合
• 第二十六回 熱力学的安定性 II マクスウェルの関係式
• 第二十七回 相転移 I ファンデルワールス気体
• 第二十八回 相転移 II 熱機関
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義のビデオや講義で使ったスライドを公開するのでそれを用いた事前、事後の学修を行う。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 期末試験の評価 |
レポート | 20 | 期末レポートの評価 |
平常点 | 20 | 講義内で課すレポートの評価 |
成績評価の方法・基準(備考)
特になし
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
演習の一部をグループで行う
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考書:
熱力学の基礎 第2版 Ⅰ熱力学の基本構造 清水 明 著 岩波書店 本体3,000円
熱力学の基礎 第2版 Ⅱ 安定性・相転移・化学熱力学・重力場や量子論 清水 明 著 本体2,700円
講義内容はほぼこの2冊に沿っているがよりわかりやすくかみ砕いた説明を行うので、本を購入しなくても講義内容の理解に問題はないがもっとちゃんと理解して深く学びたいと思う人にはこの本の購入をお勧めします。僕が知っている熱力学の教科書の中では一番体系的でわかりやすいです(主観)。
その他特記事項
参考URL
https://www.kit-eclass.educ.kc.chuo-u.ac.jp/
講義内容についての情報はすべてweb-class(kit-eclass)を通じて伝えるので講義開始までに必ずログインして科目登録を行うこと。