シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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日本法制史 | 2025 | 秋学期複数 | 木5,木6 | 法学部 | 松園 潤一朗 | マツゾノ ジュンイチロウ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JU-BL3-008L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
日本の法の歴史について、中世から近代までの時期を扱います。前半では中世・近世の法について概観し、比較法史的な観点からその特質を講じます。後半では、近代諸法典の編纂史について基礎的事項を述べ、日本前近代法や、近代法の諸原理への批判として20世紀以降顕著となる現代法の原理とも関係づけながら日本近代法を定位します。
全体的な理解を得られるように通史的な議論を基本としながらも、特に、法観念の特質、刑事法の構造、慣習法をはじめとする私法の特質の問題にそれぞれ焦点を当てながら検討していきます。
科目目的
日本法制史に関する基礎的な知識を獲得し、様々な議論を学ぶことが授業の目的です。近世までの日本の固有法、そして固有法の上に西洋法の継受という形で成立した日本近代法の構造と特質を知ることは、現行法への理解を深める上で非常に重要です。
到達目標
日本法制史における法の諸形式や主要法典の編纂過程、そして比較法史上の特質について基礎的な知識を得ることが到達目標です。また、関心を有する問題について法制史の観点からの理解を深め、議論の視点や方法を習得することも重要な目標です。
授業計画と内容
[Ⅰ]序論
1 イントロダクション(講義の視点と法の定義、講義全体の概観)
[Ⅱ]中世法の構造
2 中世前期の法(1):荘園公領制の形成と法
3 中世前期の法(2):鎌倉幕府の成立
4 中世前期の法(3):鎌倉幕府の法と裁判
5 中世後期の法(1):鎌倉後期の国制と法
6 中世後期の法(2):室町幕府の法と裁判
7 中世後期の法(3):慣習と法
8 中世後期の法(4):戦国大名の法
[Ⅲ]近世法の構造
9 近世法(1):幕藩体制下の法
10 近世法(2):江戸幕府の吟味筋
11 近世法(3):江戸幕府の出入筋
12 近世法(4):裁判実務の特質
13 近世法(5):近世的法観念
[Ⅳ]近代法の形成・展開
14 近代法の形成(1):憲法構想の展開
15 近代法の形成(2):明治憲法の制定とその構造
16 近代法の形成(3):司法制度の創出
17 近代法の形成(4):「律」型法典の構成
18 近代法の形成(5): 旧刑法の制定
19 近代法の形成(6):刑法学説の展開
20 近代法の形成(7):近代的土地所有権の成立
21 近代法の形成(8):民事法秩序の形成と旧民法
22 近代法の形成(9):慣習法概念の継受
23 近代法の形成(10):民事法秩序の形成と旧民法
24 近代法の形成(11):民事訴訟法の制定と運用
25 近代法の形成(12):「家」制度の成立と展開
26 近代法の展開(1):植民地支配と法
27 近代法の展開(2):法の変容と「社会」
28 講義のまとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 40 | manabaを通じたオンラインレポートの形式により中間試験を実施します。対象は前近代分(中世・近世)です。 次の点を評価の基準とします。 ・授業内容を正確に理解していること。 ・自分の問題関心に基づいて調査・検討、考えの提示を行うことができていること。 |
期末試験(到達度確認) | 60 | 茗荷⾕キャンパスの教室での対面の期末試験を行います。対象は近代分です。 授業内容に即して、語句説明と課題文に対する解答を求める問題を出題します。 評価の基準は中間試験と同じです。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
各回の内容に応じて、レジュメや資料を配布する。
【参考文献】
・岩谷十郎・松園潤一朗・髙田久実『よくわかる日本法制史』(ミネルヴァ書房、2025年5月予定)
・伊藤孝夫『日本近代法史講義』(有斐閣、2023年)
・松園潤一朗編『室町・戦国時代の法の世界』(吉川弘文館、2021年)ISBN:9784642083973
・川口由彦『日本近代法制史[第2版]』(新世社、2014年)
・浅古弘ほか編『日本法制史』(青林書院、2010年)
・山中永之佑編『新・日本近代法論』(法律文化社、2002年)
・水林彪ほか編『新体系日本史2 法社会史』(山川出版社、2001年)
・石井紫郎編『日本近代法史講義』(青林書院新社、1972年)