シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
政治過程論1 | 2025 | 春学期 | 水5 | 法学部 | 宮本 太郎 | ミヤモト タロウ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-PS3-010L
履修条件・関連科目等
とくに特定の科目を指定しませんが、政治と行政の制度について、日本と欧米の政治と行政について、さらに政治的対立の背景にある思想やイデオロギーについての科目を幅広く履修しておくことが望まれます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
政治過程論は、政治を形式的な制度としてより、生々しい実態・過程として、利益集団、政党、官僚制、メディアなど幅広いアクターの動向を含めて分析する学問です。政治過程論1では日本の生活保障(社会保障政策と雇用政策)をめぐる政治過程について論じます。
科目目的
近年の政治学では、政治過程のあり方をとらえる上で、政治経済の多様な制度のあり方(とくに福祉や雇用レジーム)が重要であることが強調されています。この講義では、昨今の政治争点の中心となっている生活保障(社会保障と雇用)をめぐる政治過程に焦点をあて、生活保障レジームの相違が政治過程をいかに制約し、逆に政治がレジームをどう変えているのか、その相互作用を明らかにします。
到達目標
政治過程は法や政策が形成され執行される過程を政治的側面からとらえる。同時に、法や政策を生成過程から動態的にとらえて、その現状と課題を示すことにもつながる。この講義は、日本型生活保障をめぐる政治過程について、学生が理論と実際の両面から理解していくことを目指す。具体的には、日本が雇用を軸にした生活保障を形成してきた背景には日本型利益政治の仕組みが作用していたこと、日本型利益政治の解体が生活保障の刷新という課題を浮上させ、その後の政治過程を方向づけていったことなどを明らかにする。そして生活保障を改善させていく方途と、そのための政治的な条件について、学生がそれぞれの考え方をもっていくことを到達目標とする。
授業計画と内容
1.プロローグ 政治過程を考える
2.政治過程の理論
3.日本型生活保障とは何か
4.企業間関係と日本的雇用
5.成長ネットワークと保護ネットワーク
6.日本の福祉レジーム
7.日本型レジームの成立と田中政治
8.レジームの揺らぎと中曽根政治
9.レジーム危機と小泉構造改革
10.民主党政権と生活保障
11.貧困・介護・育児の政治
12.セーフティネットの再編
13.新たな生活保障の展望
14.日本型生活保障の政治を振り返る
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキストには事前に目を通しておいてください。ほぼ毎回、レスポンで簡単な課題やアンケートへの回答を求めます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 60 | 政治過程論に関する知識をどれだけ使いこなせるかをみる問題で評価します。 |
レポート | 20 | 600字程度の短いレポートを一度あるいは二度提出してもらいます。 |
平常点 | 20 | レスポンでの講義への参加の程度を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
ほぼ毎回、講義で前回のレスポン回答へのリプライをおこないます。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
内閣府参与、総務省顧問、男女共同参画会議議員、社会保障審議会委員等
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
政策過程の実際についての知見を講義に活かす。
テキスト・参考文献等
宮本太郎 『福祉政治 日本の生活保障とデモクラシー』 有斐閣 ¥1,500
これと併せてレジュメ、資料も配付します。