シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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スポーツ・健康政策Ⅱ | 2024 | 後期 | 金3 | 総合政策学部 | 小林 勉 | コバヤシ ツトム | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-OG1-0003
履修条件・関連科目等
スポーツ健康政策Ⅰを履修していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
スポーツ健康政策の根幹ともなる「近代国民国家を形成する上で大きな役割を担ってきた身体教育」については、社会学をはじめ歴史学や政治学までも含めた学際的な領域において、近年、急速に研究が展開されてきている。運動会やラジオ体操、国立公園内のハイキングといったものが、その深層において近代国民国家としての日本の成立に深く関連していたことが明らかにされてきた一方で、イタリアやドイツにおいても余暇時間を国家としてどのように組織していったのかが大きな研究テーマとなってきている。本講義では、こうした研究の動向をふまえながら、身体教育が国家的な政策としてどのように展開され、そのことが近代国民国家の形成にどのように結びついていったのかについて概説する。国家戦略のひとつとして身体教育が用いられてきた政策の歴史を把握するとともに、「国民」意識を創出するために、身体教育やスポーツにどのような可能性を見出すことができるのかについて理解を深めることが大きな目的である。
科目目的
この科目は、カリキュラム上のスポーツ健康政策科目として位置付けられていることから、この科目での学習を通じて、学生がスポーツに対する認識を深めるとともに、スポーツと政策に対する基礎的な知識を習得することを目的としています。
到達目標
スポーツ健康政策を捉える上で重要となる身体教育の歴史的経緯を把握するとともに、「近代国民国家」を形成するうえで、身体教育が果たしてきた役割の重要性について理解する。
授業計画と内容
※コロナ禍の状況によりますが、原則としてオンラインを活用した授業となります。
授業で取り上げる主なトピックは以下の通りです。とりたてて予習・復習の必要はありませんが、随時リアクションペーパーの提出を要求します。
第1回:学生に授業全体について説明するオリエンテーション授業
第2回:運動会をめぐるドラマ:運動会に託された官僚のおもいと民衆の解釈
第3回:ようこそラジオ体操の世界へ:国家戦略と身体の可視化
第4回:パブリック・スクールと近代スポーツ誕生の物語(1):荒廃する学園とスポーツの関係性について
第5回:パブリック・スクールと近代スポーツ誕生の物語(2):学校改革とスポーツ
第6回:近代国民国家とスポーツ、近代体育の成立について(1):近代スポーツの誕生と新しい国家体制の構築
第7回:近代国民国家とスポーツ、近代体育の成立について(2):近代フットボールの誕生とスポーツのプロ化
第8回:近代国民国家とスポーツ、近代体育の成立について(3):アマチュアリズムとは何か?
第9回:スポーツで貧困を救えるか?(1):アフリカ・カメルーンの事例
第10回:スポーツで貧困を救えるか?(2):アフリカ・ケニアの事例
第11回:スポーツで貧困を救えるか?(3):開発とスポーツの接点
第12回:スポーツで貧困を救えるか?(4):スポーツとソーシャル・キャピタル
第13回:スポーツで貧困を救えるか?(5):開発戦略としてのスポーツの可能性
第14回:講義全体のまとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 50 | スポーツ健康政策についての基礎知識を理解した上でスポーツやヘルスプロモーションを政策の観点から説明できるかどうかを評価します |
平常点 | 50 | 授業への出席、受講態度の状況を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
海外にてスポーツ行政官として活動した経験および国内のスポーツ行政に関する審議会メンバーとして数多くの実績を有する。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
海外にてスポーツ行政官として活動した経験および国内のスポーツ行政に関する審議会メンバーとして数多くの実績を有することから、行動原理や地域住民の実際の反応について、通常のアカデミアとは異なる視点から、スポーツ健康政策の実相について伝えることができる。
テキスト・参考文献等
小林勉『スポーツで挑む社会貢献』創文企画、2016。なお、必要に応じて、随時、参考文献を紹介する。
その他特記事項
前期に開講される「スポーツ健康政策Ⅰ」を履修しておくことが望ましい。
本講義を受講する際の注意点:
オンラインでの授業に慣れてきたせいか、「人の話を聞く」という基本的姿勢に欠けた学生が増えてきております。授業とは関係のない雑談をして、真剣に授業を聴こうとしている受講者の邪魔をしたり、授業中にパソコンや携帯電話を使用し、本講義とは無関係な行為を授業内にすることは厳に慎んでください(ただしresponによる出欠確認等は除く)。これらは、いずれも「人の話を聞く」という最低限のアカデミック・リテラシーにおいてルール違反となります。ルール違反と判断された場合には、教室からの退室が命じられることもあります。その際、学籍番号と名前を確認させていただきますし、少なくとも当該科目については単位が得られません。
また、小テストやレポート、期末試験などでは、コピペやChat GPTなどを使わないようにお願い致します。コピペチェックツールなどで確認させていただくこともあります。また締め切りの過ぎたレポート等は受理しませんのでご注意ください。時折、大会参加や就職活動などを理由に、欠席への「配慮願い」を求める学生がおりますが、本授業は出席することが大前提となりますので、それらの理由をもって欠席が完全に出席扱いになることはありません。またresponナンバーを流出させたり、それを用いて出席確認を行ったりするのも不正行為となります。その場合も、単位認定が困難になりますので、あらかじめご了承ください。