シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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比較文化論 | 2025 | 後期 | 木4 | 総合政策学部 | 彭 浩 | ホウ コウ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-HO3-0002
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
同じ文化背景を持ちながら、それぞれ違う文化的な特徴を持つのはなぜだろうか。授業では喫茶文化を総合文化の事例として捉え、日本と中国の茶文化の比較を通して、日本人と中国人の精神構造・宗教観・時間と空間・リズム感・美意識を考える。また、社会構造の違いから、日中の伝統文化の継承形式とその背景を考察する。さらに、中国からヨーロッパに渡った紅茶が、イギリスを中心として貴族、中産階級の紅茶文化の華を咲かせ、世界の歴史を動かした。授業では、文化とは何か、文化交流と文化形成の関係についても解明したい。また茶文化を切口にして、日本・中国・ヨーロッパの文化の特徴を明らかにしたい。
生かし生かされる関係である文化は衝突しない。無知は衝突する。21世紀の課題である相互理解・共生の道を探ってゆきたい。
科目目的
比較文化学の歴史、学説、方法論とその意義を習得する。また講義に関係する異なる文化の特色を理解し、日本文化を異文化と比較する基本的な視点・視野を養う。 互いに知り、認め合い、理解することの大切さを考えていただきたい。
到達目標
2005年10月ユネスコ総会は「文化の多様性に関する国際条約」を採択し、「文化の多様性こそ人類の遺産」と唱えた。「文明の同一性はその差異性よりも根本的である」(A・J・トインビー)。「文明は出会いによって子を孕む」(R・ガロディ)。生かし生かされる関係である文化は衝突しない。無知は衝突する。21世紀の課題である相互理解・共生の道を探っていただくことを目標とする。
授業計画と内容
1. 概論・方法論
2. 比較文化研究とは
3. 中国の茶文化
4. 中国茶と茶器
5. 茶文化の伝来――茶の湯・煎茶道の成立
6. 日本の茶室――わび・さびの精神
7. 陰陽五行と茶の湯
8. 日本人の自然観と茶道精神
9. 茶館から茶芸館へ――人生を楽しむ
10.中国の茶道精神――儒教・道教・禅
11.紅茶の世界――東洋から西洋へ
12.共生への道 その1 日本と中国文化の共通点と相違点
13.共生への道 その2 ヨーロッパ文化の特徴・比較文化の大切さ
14.映像などを用いて日本と中国の茶文化を視覚的に体験する
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回配布したレジュメに必ず目を通してもらい、参考書籍と資料を読んでいただくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 比較文化の視点から、講義内容と関わるテーマについて、問題意識をもって資料を調べ、書籍を読んで、独自性のある結論をまとめていただく |
平常点 | 60 | 毎回講義内容について、授業で得たもの、ご自分の考え方を書いていただく |
成績評価の方法・基準(備考)
講義はpptと映像などを用いながら進めるため、出席を重視する。4回欠席する場合、原則としてレポートを提出する資格がないことにする。成績評価は出席点(60%)、レポート(40%)とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
毎回配布資料を使用する。
以下の書籍を参考にして、講義を聞いていただきたい。
青木保 『「文化力」の時代』 岩波書店
青木貞茂 『文化の力』 NTT出版 2008年
伊東俊太郎等(編)『講座比較文化』第8巻:『比較文化への展望』研究社
中田光雄『文化の協応-比較文化概論』比較文化叢書第2巻』東京大学出版会1982年
伊東俊太郎監修『文明間の対話に向けて』世界思想社 2003年
服部英二『出会いの風景 世界の中の日本文化』麗澤大学出版会 1999年
服部英二『未来を創る地球倫理-いのちの輝き・こころの世紀へ』モラロジー研究所2013年
トインビー、下島連等訳『歴史の研究』経済往来社
和辻哲郎 『日本の文化』毎日新聞社 1977年
梅原猛 『日本文化論』講談社学術文庫
加藤周一 『日本 その心とかたち』徳間書店 2005年
源了圓 『型と日本文化』創文社 1992年
魚住孝至 『道を極める―日本人の心の歴史』放送大学教育振興会 2016年3月
金谷治 『中国思想を考える-未来を開く伝統-』中公新書
林語堂 『中国=文化と思想』講談社学術文庫
鈴木修次 『中国文学と日本文学』東京書籍 1978年
川端康成 『美しい日本の私』講談社現代新書
【茶文化】
布目潮渢『中国喫茶文化史』岩波書店
布目潮渢『中国茶文化と日本』汲古選書
岡倉天心『茶の本』講談社学術文庫
千玄室 『茶の精神』講談社学術文庫
鈴木大拙『禅と日本文化』岩波新書
伊藤古鑑『茶と禅』 春秋社
井上靖 『本覚坊遺文』『井上靖全集』第22巻 新潮社
赤瀬川原平『千利休――無言の前衛』岩波新書
小川後楽『煎茶への招待』NHKライブラリー
大槻幹郎『煎茶文化考』思文閣出版
吉野裕子『陰陽五行と日本の民俗』人文書院
関根宗中『茶の湯と易と陰陽五行』 淡交社
村井康彦『茶の文化史』岩波新書
中村昌生『茶室を読む』淡交社
角山栄 『茶の世界史』中公新書
松崎芳郎『(年表)茶の世界史』八坂書房