シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習A2 | 2025 | 秋学期 | 木4 | 法学部 | 猪股 孝史 | イノマタ タカシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-OL3-016S
履修条件・関連科目等
「民事訴訟法」の授業を履修すること、そして、民事訴訟法を学んでみようという誠実な気持ちがあることが求められるほか、判例の事案を理解するのに必要となるので民法を履修してあることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
多くの学生が(おそらく)初めて学ぶ「民事訴訟法」は、民法等の「実体法」とは違って「手続法」であり、やや「とっつきにくいところ(!)」もあるので、初めはそのあたりを解きほぐしながら、また、判例の事案を読み、理解するのに必要となる民法の基礎知識などの復習もしながら、それぞれの学生が自由なやり取りをして思考をめぐらせ、自らの考えを深めていくことのできる、そういう「思考訓練の場」として、この授業を活用してもらえるようにしたい。
この授業の運営や具体的内容を決定するにあたっては、ゼミであるので、学生の主体性を尊重するが、基本は、学生による調査・報告とそれに基づく自由な意見交換・議論である。なお、学生一人ひとりの特性や進路等を考慮しつつ、必要に応じて個別指導(答案練習等)を行う。
科目目的
「民事訴訟法」の授業(講義)を履修することを当然の前提として、授業(講義)とこのゼミとを連動させ、民事訴訟法の重要問題(論点)にかかる基本判例を対比・関連させつつ取りあげ、具体的な事実関係を確認しつつ、どのような論理により、どのような価値判断・評価がされて、どのような結論・判決に至ったのかを整理し確認しながら、判例の結論はあくまで当該事案の具体的な事実関係とのかかわりにおいてであることを留保しつつも、意見交換・議論することを通じ、判例法理を批判的・総合的に検討することも視野に入れ、もって妥当な結論・解決を導き出す法的なバランス感覚を身に付けることを目的とする。
到達目標
民事訴訟法の重要問題(論点)にかかる基本判例を対比・関連させつつ取りあげ、それらの判例法理を体系的に整理して理解することをまずもっての到達目標とし、そのうえで、民事訴訟法における基本原則・基本法理のもつ意味、そして「手続」というものの重要性や価値についての研究をさらに深めながら、重要問題(論点)についての判例法理を批判的・総合的に検討できるようになることをさらなる到達目標とする。
授業計画と内容
民事訴訟法の重要問題(論点)にかかる基本判例をいくつか対比・関連させつつ取りあげ、学説も含めた調査・報告をもとに、意見交換・議論を行い、それらの成果を「研究報告」としてまとめて報告してもらう。取りあげる重要問題(論点)については、以下のように予定する。ただし、学生の関心や状況に応じて、学生と相談のうえ適宜に変更することがある。
1 イントロダクション
2 判例論点研究・重複訴訟禁止と相殺の抗弁
3 判例論点研究・一部請求
4 判例論点研究・固有必要的共同訴訟
5 判例論点研究・遺産確認訴訟
6 判例論点研究・建物収去土地明渡請求訴訟
7 判例論点研究・申立事項・既判力
8 判例論点研究・主張責任・釈明権
9 判例論点研究・文書提出命令
10 判例論点研究・送達の瑕疵と再審の訴え
11 判例研究報告(受講生A・B・C・D対象)
12 判例研究報告(受講生E・F・G・H対象)
13 判例研究報告(受講生I・J・K・L対象)
14 フィードバック(まとめ)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
意味ある意見交換・議論を行うために、事前に、当日の判例やテーマの概要を理解し、準備をしてくることが求められる。また、意見交換・議論を行ったことの理解を深めるために、事後は、全体を振り返りつつ、必要に応じて追加的問題について調査し、検討することが求められる。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 20 | 「まとめのレポート」は、振返りとして、ゼミで取りあげた判例や学説などについての要点と、それらについてのゼミでの議論を踏まえた自分なりの考察がまとめられているかどうかを到達目標に照らして判断する。 |
平常点 | 80 | ゼミにおける意見交換への主体的参加の態度、報告に向けての準備の程度などを総合的に判断する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
このゼミの単位認定のためには、「まとめのレポート」提出が必須の要件である。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業だけでなく、授業外学修のためにも、manabaで、資料を共有し、配付するほか、質問を受け、意見交換・議論を促すなど、この授業の理解を深めさせる。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストとなる基本資料は、配布する。
参考文献としては、民事訴訟法についての教科書、基本書とする。ほかに、状況に応じて適宜に指示し、また配布することがある。
その他特記事項
ゼミであるので、ただそこにいる、というのでなく、法律学の知識はさておき、できることに積極的にコミットしていく、という気概をもっていてほしい。ここでの時間が大学生活において意味のあるものとなるか、そうでないかは、ひとりひとりの学生にかかっていることはいうまでもないからである。