シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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経済と社会Ⅱ | 2024 | 後期 | 木3 | 総合政策学部 | 中村 周史 | ナカムラ チカフミ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-EO2-0003
履修条件・関連科目等
経済と社会Ⅰ(ミクロ経済学)を履修済みであることが望ましいです。また、基礎数学を履修済みであれば一層理解が深まります。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
アルフレッド・マーシャルが書いた通り、「経済学は、日常生活における人々を研究するもの」です。それは国や地域といった社会全体の経済活動に焦点を当てるマクロ経済学においても同様です。そのために、私達は経済社会に存在する人々がどのように意思決定を行うかを理解し、そうした決定により発生する取引が互いにどのように影響しあうのかを考えなければなりません。
したがって、本講義では基本的なマクロ経済指標とその統計的性質の解説を行ったのち、各経済主体の意思決定に焦点を当て、各市場の需要や供給の決定要因について扱った後、各市場で行われる取引を考えていきます。この知識を基に、後半ではマクロ経済における「時間」の概念に気を払い、長期の一般均衡による経済分析、経済成長理論、短期の経済分析を展開していきます。また、理論的な解説による抽象的な議論に偏らず、様々な事例やデータを適宜紹介しながら講義を進めていきますので、経済学を通じて社会を見る習慣を身に付けてください。
科目目的
日々の経済政策や国家統計のニュースを聞き、どのようなことがこれから起きるのか普段意識しているでしょうか。あまりにも規模の大きく、専門用語が飛び交う話で、どこか遠い世界のことの様に感じていたりはしないでしょうか。何故、そのようなことをニュースや新聞では大きく時間をかけて扱うのでしょうか。
実は、こうした経済政策や統計の話は、全て自分の身の回りや各企業の活動に密接に関わっています。では、お店に並ぶ商品の価格やそこで働く人たちの賃金、学生の就職内定率と言った我々の生活と、ニュースの中の異次元の金融緩和、少子高齢化問題、国と地方の財政赤字はどのように結びついているのでしょうか。私達は社会に存在する経済主体の一人として、経済社会の仕組みを理解し、深く考えて選択を行う必要があります。
本科目の目的は、こうした関係を体系的に理解するための知識をマクロ経済学を通じて獲得することにあります。また、ミクロ経済学と並んで経済学を学習する上で最も基本的な科目であり、経済学の各専門分野の理論的基礎を提供するものですので、より発展的な議論に入るためには必要不可欠な科目です。
到達目標
本講義では、マクロ経済学の基本的な概念や考え方を身につけ、経済学の論理に基づいて、政策が経済に影響する仕組みを理解し、現実に行われる政策の意図やその影響について論理立てて自ら考察できることを、学生の到達すべき水準とします。
授業計画と内容
第01回 イントロダクション:マクロ経済学の役割
第02回 マクロ経済指標:GDPの持つ三面等価の性質
第03回 マクロ経済指標:様々な物価指標
第04回 マクロ経済指標:国際収支統計と為替レート
第05回 分析に入るための準備:最適化問題入門
第06回 分析に入るための準備:制約付き最適化問題
第07回 家計の消費・貯蓄問題
第08回 企業の設備投資行動
第09回 資産市場の役割:金融市場での価格決定
第10回 貨幣とは何か:貨幣市場の仕組み
第11回 一般均衡による長期経済分析入門
第12回 経済成長:人口成長率と経済成長率
第13回 経済成長:技術進歩率と成長会計
第14回 総まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回授業前にmanabaの「配布資料」に講義資料を予めアップロードしておきます。必ず目を通しておくこと。また、小テストを中心に復習に取り組み疑問点を放置しないことを求めます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | manabaの小テスト上で実施する期末課題で評価。 |
平常点 | 40 | 毎回の小テストで評価をします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
対面での講義実施を予定していますが、大学の方針により変更となる可能性があります。
manabaでの小テストが全10回実施されます。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
こちらで作成した講義資料を基に、講義を行うため、特定のテキストは指定しません。講義資料は事前にwebで配布するため、必ず各自持参してください。質問等や学生の理解が不十分であると感じる点があった場合には、次回の講義までに別途資料をアップロードし、次回講義冒頭で解説します。
(参考)
グレゴリー・マンキュー『マンキュー経済学 IIマクロ編』(第4版)、東洋経済新報社.
二神孝一『マクロ経済学入門』(第2版)、日本評論社.
その他特記事項
必須ではありませんが、経済と社会Iを履修済みであると一層理解が深まります。
小テストは、各自の知識の確認と、不明な点の発見を目的としています。経済学は積み重ね型の学問ですので、出席は必ず行い、分からない点についてはすぐに質問を行なうよう心掛けてください。