シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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南アジア社会文化論 | 2024 | 前期 | 火3 | 総合政策学部 | 井田 克征 | イダ カツユキ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-AT2-0001
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
インドを中心とする南アジア地域は,近年の急速な経済発展もあって世界的に存在感が増している。にもかかわらず日本の多くの人にとっては,東アジアや欧米などの国々より縁遠い地域であるように思われる。多言語,多民族,多宗教を特徴とする南アジアの社会と文化は,その多様性と複合性ゆえに簡単には理解しがたい部分もあるが,丁寧に解きほぐしていけばその独特な外観の下に普遍的な人間のありようを見て取ることが可能である。
本講義では南アジア地域におけるヒンドゥー教やイスラーム,仏教などの宗教文化の展開,言語的多様性や,さまざまな風土,食文化などの地域的偏差を概観した上で,そうした文化が現代南アジアの政治・経済といかに関わっているか,そしてカースト差別や宗教紛争,ナショナリズム,ジェンダーなどといった現代的な問題について学んでいく。そして最後に,南アジア社会が現代のグローバル化した国際社会の中でどのような存在となりつつあるかという大きな問題を取り扱う。
科目目的
本科目は本学部のディプロマポリシー(学位授与条件)である「専門性にもとづいた複眼的思考能力」と「多様性理解力」を養う一環として,南アジア地域の社会と文化の諸相についての基礎的な知識を獲得することを目的とする。
到達目標
本科目の到達目標は以下の通りである。
1.南アジアにおける多言語・多宗教・多文化社会に関する正確な知識を身に付ける。
2.南アジア社会において生じる社会問題,つまりカースト間対立や宗教紛争,ジェンダー不平等などに関する正確な知識を身に付ける。
3.グローバル化した世界における南アジア系諸民族のありようを理解し,多文化共生の道筋を考える。
授業計画と内容
授業は講義形式で行われるが,出席者には随時コメントなどが求められる。毎回の授業に出席するに際しては,配布される資料にきちんと目を通しておく必要がある。
各回の授業内容や進度は,参加者の興味関心や平均的な理解度などに応じて変更されることがある。
第1回 イントロダクション
第2回 インド亜大陸の地理と風土
第3回 多言語社会
第4回 インド史概観①古代・中世史
第5回 宗教的多様性とインド的セキュラリズム(世俗主義)
第6回 南アジアのイスラーム
第7回 ヒンドゥイズムとは
第8回 カースト差別と不可触民
第9回 インド史概観②近代史
第10回 ナショナリズムとヒンドゥー原理主義
第11回 ジェンダー差別
第12回 グローバル化する南アジア
第13回 開発と社会運動
第14回 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | 期末レポート |
平常点 | 30 | 授業への参加度,授業内で課される課題 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
必要な資料等は,配布ないし授業内で指示します。
〈参考文献〉
石坂晋哉ほか編『ようこそ南アジア世界へ』昭和堂,2019年
藤井毅『インド社会とカースト』山川出版
中里成章『インドのヒンドゥーとムスリム』山川出版
広瀬崇子ほか『現代インドを知るための60章 エリア・スタディーズ』明石書店
〈DVD〉
マニラトナム監督『ボンベイ』
ガウリ・シンデー監督『マダム・イン・ニューヨーク』