シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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金融論 | 2024 | 前期 | 木2 | 総合政策学部 | 中村 周史 | ナカムラ チカフミ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-FE2-0001
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
お金は、私たちの生活にとって、もはや存在しないことが考えられないものとなっています。多くの人は何故お金を使っているのか、という疑問は考えたことすらなく、そうであるにもかかわらず、皆さんはそれを強烈に欲して人生を過ごしています。何故お金はこんなにも身近で、あらゆる人々はこれを欲しているのでしょうか。また、お金は非常に身近ですが、企業、産業、地域、国家というものを超える、極めて大きな力を持っています。サブプライムローン問題や世界金融危機、ユーロ圏債務危機は何故起こったのでしょうか。また、異次元金融緩和は何故行われるのでしょうか。これらを知るには、金融のミクロ的側面とマクロ的側面と、それらの密接な関係について理解をする必要があります。
そこで本講義では、金融の「ミクロ的側面」に焦点を当て、それを理解するために必要な基礎的概念について解説を行います。具体的には、貨幣の役割と基本的な金融取引からはじめ、金融取引の弊害である情報の非対称性、それを克服するための金融システム、金融機関の機能について学習した後、家計の金融市場での行動を考え、どのように金融資産を持つべきかという議論に入ります。その後、企業の資金調達に関する意思決定の諸問題と銀行行動が金融市場に引き起こす問題について考えます。最後に、経済全体の資金循環構造をこれまでの内容を踏まえて概観し、「金融政策」で行うマクロ的な金融の側面への橋渡しを行います。なお、金融論は経済学の応用分野であると同時に、実学的側面を強く持つため、適宜データや実例を交え、現実の問題と結びつけながら講義を進めていきます。
科目目的
金融のミクロ的側面に焦点を当て、金融の基礎的概念および用語を理解し、現実の金融市場での現象や日常的な動きを理解できるようになることを目的とします。
到達目標
学部レベルで必要とされるミクロ金融の基本知識を習得し、現実における金融の諸問題を論理的に自ら考察できることを到達目標とします。
授業計画と内容
第01回 金融とは何か?
第02回 資本と投資(投資の収益率と利子率)
第03回 経済全体の資金フローと銀行の機能
第04回 情報の非対称性と金融取引
第05回 非金融部門の金融行動①:家計の貯蓄行動と期待効用仮説
第06回 最適な資産選択①:平均分散アプローチとポートフォリオ理論
第07回 最適な資産選択②:分離定理とCAPM
第08回 資産価格と資産選択:債券市場と株式市場
第09回 非金融部門の金融行動②:企業の設備投資行動
第10回 人為的低金利政策と均衡信用割当の理論
第11回 企業の投資政策とオプション取引
第12回 企業の資金調達政策:MM定理とペッキング・オーダー理論
第13回 金融危機と銀行行動:不良債権問題と貸し渋り、追い貸し
第14回 総まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回、小テストを授業時間最後に実施します。各回の復習を兼ねていますので、必ず提出するようにしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | manaba上で実施する期末試験で評価。 |
その他 | 40 | 毎回の授業後にmanaba上で行われる小テストのみで評価。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末/実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
こちらで作成した講義資料を基に、講義を行うため、特定のテキストは指定しません。講義資料は事前にwebで配布するため、必ず各自持参してください。質問等や学生の理解が不十分であると感じる点があった場合には、次回の講義までに別途資料をアップロードし、次回講義冒頭で解説します。
(参考)
川西諭・山崎福寿『金融のエッセンス』、有斐閣ストゥディア.
米澤康博・小西大・芹田敏夫『新しい企業金融』、有斐閣アルマ.
福田慎一『金融論 市場と経済政策の有効性』、有斐閣.
その他特記事項
小テストは、各自の知識の確認と、不明な点の発見を目的としています。経済学は積み重ね型の学問ですので、出席は必ず行い、分からない点についてはすぐに質問を行なうよう心掛けてください。