シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習Ⅱ | 2024 | 後期 | 金3 | 総合政策学部 | 横山 陸 | ヨコヤマ リク | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF2-SM02
履修条件・関連科目等
以下を履修の条件とします。
1.担当教員の講義科目のうち、単位未習得の科目については、並行して履修すること。
2.各学期末のレポートを執筆する意欲のある者。
3.アルバイト・サークルなどよりも、ゼミおよびゼミの課外活動を優先できる者。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
このゼミでは、西洋哲学・社会思想・倫理学の観点から、現代社会の諸問題について考察します。2023年度は社会の格差問題についてジェンダーと能力主義という2つの観点から考えたいと思います。
前期は『ジェンダーで学ぶ社会学』を読みながら、ジェンダーの観点からさまざまな社会の格差問題を考え議論します。後期は、アメリカの政治哲学者マイケル・サンデルの『実力も運のうち、能力主義は正義か?』を読みながら、能力主義は社会の格差を肯定できるのか、それとも能力は「親ガチャ」のようなものなか、といった問題を考え議論します。
●ゼミの方向性
このゼミでは、学生の自主性(積極的な態度)が重要です。担当教員が1から10まで教えるのではなく、学生がテキストについて話し合いながら内容を深めていきます。そのためゼミの時間以外にも、自宅でテキストを読み込む時間が必要となります。したがって《自分で調べたり考えたりするよりも、教員に教えて欲しい》、《自分で本を読む時間がない、読みたくない》、《授業時間だけで完結したい》といった学生には、このゼミは向かないでしょう。本を読むこと、自分で、そしてみんなで考えること、それを文章にまとめること、以上3点が重要となります。なお、3・4年次ゼミには上がらず、2年次ゼミのみ参加することも許可します。
科目目的
総合政策学部のディプロマ・ポリシーに基づき、社会・文化政策とその問題を哲学・思想の観点から考察することを通じて、「さまざまな観点から社会現象を解明する能力」と「多様な異文化を理解・受容できる包容力」の習得をめざします。
到達目標
科目の目的に基づいて、以下の二点を到達目標とします。
(1)哲学・思想に関する抽象的な理論を(批判的に)理解できる。
(2)理論を応用して、社会・文化政策とその問題を分析できる。
授業計画と内容
ゼミ形式の授業ですので、参加者の人数、理解度、興味関心に応じて、授業計画は変更することがあります。
●前期
第01回 ガイダンスと担当決め
第02回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第1章オリエンテーション
第03回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第2章ジェンダーと育児
第04回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第3章ジェンダーと教育
第05回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第4章ジェンダーと言語
第06回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第5章ジェンダーと恋愛
第07回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第6章ジェンダーと就職
第08回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第7章ジェンダーと労働
第09回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第8章ジェンダーと家族
第10回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第9章ジェンダーと共同生活
第11回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第10章ジェンダーと遊び
第12回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第11章ジェンダーと悩み
第13回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第12章ジェンダーとファッション
第14回 『ジェンダーで学ぶ社会学』第13章ジェンダーと社交
●後期
第01回 『実力も運のうち』序論の解読
第02回 『実力も運のうち』序論の議論
第03回 『実力も運のうち』第1章(勝者と敗者)の解読
第04回 『実力も運のうち』第1章(勝者と敗者)の議論
第05回 『実力も運のうち』第2章(勝者と敗者)の解読
第06回 『実力も運のうち』第2章(勝者と敗者)の議論
第07回 『実力も運のうち』第3章(出世のレトリック)の解読
第08回 『実力も運のうち』第3章(出世のレトリック)の議論
第09回 『実力も運のうち』第4章(学歴主義)の解読
第10回 『実力も運のうち』第4章(学歴主義)の議論
第11回 『実力も運のうち』第5章(成功の倫理学)の解読
第12回 『実力も運のうち』第5章(成功の倫理学)の議論
第13回 『実力も運のうち』第6章(選別装置)の解読
第14回 『実力も運のうち』第6章(選別装置)の議論
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講読するテキストについて、授業時間外に毎回、簡単な小レポート(A4で1〜2枚程度)を作成し、授業前日の21時までにmanabaで提出することを義務づけます。講読箇所の要約と自らの問題提起が小レポートの課題です。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | ①教員が個別に指示した文献を読み込んでいるか、②自分のテーマ・問題関心が掘り下げられているか、③論理的な文章となっているか、という観点から総合的に評価します。 |
平常点 | 50 | ①ゼミ形式の授業ですので、ディスカッションへの参加姿勢を重視します。それに加えて、②毎回提出する小レポートの内容を評価対象とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
ゼミ形式の授業ですので、以下の場合には(他の評点のいかんに関わらず)E判定(不可)とします。①出席が不良の場合、②課題物の提出が不良の場合、③期末レポートが未提出の場合。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】伊藤公雄・牟田和恵編『ジェンダーで学ぶ社会学』(全訂新版),世界思想社,2019年
【テキスト】マイケル・サンデル,鬼澤忍訳『実力も運のうちー能力主義は正義か?』,早川書房,2021年