シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
事例研究(演習)Ⅱ | 2024 | 後期 | 木5 | 総合政策学部 | 彭 浩 | ホウ コウ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF3-SM02
履修条件・関連科目等
比較文化、特に日本と中国の文化・社会に興味を持つこと。出席を重視し、履修者が自主的、積極的にゼミに参加し、ディスカッションすることを要望する。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【研究テーマ】文化は力になる。各国の政府が政策を制定し、外交交渉をする際、あるいは、ビジネスの世界では、ヒット商品・ブランドを作り、企業経営の生き残り、競争力を高めるカギを考える時、「文化力」がますます重要視されている。21世紀は、こころの時代だと言われている。この時代背景において、人間のこころを究める文化研究、特に比較文化の研究が非常に重要になっている。
経済は歴史の骨であり、政治は歴史の肉であると喩えるなら、文化は歴史の魂であると思われる。長い交流の歴史と深い影響関係を持つ日本と中国は、21 世紀において仲よく付き合っていくために、文化における共通点と相違点を知ることが大事である。それによって、理解が生まれ、認めあう関係となる。日本と中国、または東洋と西洋の文化的対話を通じて、21 世紀における新しい問題とその解決策を考えてゆきたい。
科目目的
比較文化の角度から日本と中国の社会・文化を認識し、両者の共通点と相違点から政策制定において参考になるような視点と分析力を養いたい。また、自国の文化に対する理解を深め、東洋と西洋という幅広い視野をもって物事を考える力を養いたい。
到達目標
日本と中国の文化の特質を把握し、共通点と相違点を認識することを到達目標とする。
授業計画と内容
(1) 身近な事例を取り、日中両国における考え方や行動様式においての共通点と相違点を検討し、文化、経済、外交、教育などの政策制定に参考になるような課題について考察する。
(2)日中の歴史・思想・文化から、伝統文化と近代化の諸問題を再検討する。
(3) 東洋と西洋の文化比較の広い視点から、人間社会のありかたについて考える。
3年次では、文化学、比較文化・日中文化に関する書籍と論文をメインに読む。これは、毎回担当者がレジュメを作成したうえで、発表し、全員でティスカッションする。
第 01 回 ガイダンス
第 02 回『中国文化と日本文化』 中国の文化と日本の文化
第 03回 名と恥の文化
第 04回 儒教と共産主義
第 05回 中国人におけるニヒリズムと政治的関心の共存
第 06回 原理主義と現実主義――経と権
第 07回「まこと」について――『中庸』の誠と『荘子』の真
第 08回 朱子学と陽明学について
第 09回 岡倉天心『茶の本』第一章 人情の碗 第二章 茶の流派
第 10回 第三章 道教と禅道
第 11回 第四章 茶室 第五章 芸術鑑賞
第 12回 第六章 花 第七章 茶の宗匠たち
第 13回 各自の研究テーマについて指導する
第 14回 総まとめと各自の研究指導
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
指定したテキストやレジメを事前に読み込むこと
参加者全員は事前に指定したテキストを読み込む、発表者はレジュメを作成していただくこと、また、発表内容に関する基礎的な知識、概念などについて調べることを要求する。
中国食文化の体験、ゼミの卒業生と中国人留学生たちとの交流を行う。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 40 | 5000字 |
平常点 | 60 | 授業での報告内容:成績評価の 30% 出席状況:成績評価の 15% ディスカッションへの参加度と発言内容:成績評価の 15% |
成績評価の方法・基準(備考)
期末レポートを課する。出席と積極的な授業参加を重視する。
授業での発表内容:30%、ディスカッションへの参加度と発言内容:15%、出席状況:15%。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:森三樹三郎『中国文化と日本文化』人文書院 1993年
岡倉覚三『茶の本』岩波文庫 2003 年版 和辻哲郎『風土』 岩波文庫 1988年版
参考書籍:
王敏等『「意」の文化と「情」の文化』 中公叢書 2004 年 10 月
張競『 異文化理解の落とし穴―中国・アメリカ・日本』岩波書店、2011 年
王勇 『 中国史のなかの日本像』農山漁村文化協会 2000 年9月
江上波夫 梅原猛 上山春平 中根千枝『 日本と中国——民族の特質を探る』 小学館
伊東俊太郎監修『文明間の対話に向けて』世界思想社 2003年
梁漱溟『東西文化とその哲学』アジア問題研究会編 農文協 2000年3月
倉沢行洋『東洋と西洋』東方出版 1992年
和辻哲郎『風土』 岩波文庫 1988年版
中根千枝『タテ社会の人間関係 単一社会の理論』講談社(講談社現代新書)1967年
加藤周一『日本 その心とかたち』 徳間書店 2005年7月
加藤周一『日本文化における時間と空間』岩波書店 2007 年
梅原猛『日本文化論』講談社学術文庫 1985年版
魚住孝至『道を極めるー日本人の心の歴史』放送大学教育振興会 2016年
齋藤希史編『日本を意識する−東大駒場連続講義』講談社 2005年4月
伊東俊太郎編『日本人の自然観』 河出書房新社 1995年8月
川田稔『柳田国男のえがいた日本』未来社 1998年10月
福永光司『道教と日本文化』人文書院
今枝二郎『道教—日本と中国を結ぶ思想』NHK ライブラリー 2004年
吉野裕子『陰陽五行と日本の民族』人文書院 1998年版
林語堂『中国=文化と思想』講談社学術文庫
金谷治『中国思想を考えるー未来を開く伝統』中央公論社 1993年
李沢厚『中国の文化心理構造』 平凡社 1989年
李沢厚『中国の伝統美学』平凡社 1995年
福永光司『「馬」の文化と「船」の文化』人文書院
福永光司『中国の哲学・宗教・芸術』人文書院 1988 年
森三樹三郎『無為自然の思想—老荘と道教・仏教』人文書院 1992年
波多野善大『中国文明の歴史 10 東アジアの開国』中公文庫 2000年11月
竹内 実『中国の思想—伝統と現代』日本放送出版 1994年
溝口雄三『中国の思想』1991年 放送大学
中野謙二『中国の社会構造』 大修館書店 1997年
費孝通『郷土中国』 学習院大学東洋文化研究所
費孝通『生育制度』 東京大学出版社