シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国際教養演習Ⅱ | 2025 | 秋学期 | 木4 | 商学部 | 小田 悠生 | オダ ユウキ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-02XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目です。
国際教養演習Ⅰ・Ⅱはセット科目です。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この演習の目的は、私たちにとって最も馴染みの深い国の一つでありながら、その多様性ゆえに一面的な見方に陥りやすいアメリカ合衆国(以下、アメリカ)の社会に関する理解を深めることです。20世紀半ば以来、アメリカは、日本を含めた世界に大きな影響を及ぼしてきました。2024年は4年に一度の大統領選挙であることから、例年以上にアメリカに関する報道に触れる機会は多いでしょう。その存在は、ニュースの中の世界だけではなく、みなさんの身近にも感じられるはずです。例えば、東京都内には1,600ヘクタール(東京ドーム約340個分)の米軍基地が存在し、その半分以上は中央大学に程近い多摩エリアに立地します。企業に目を転じれば、時価総額の世界トップ20のうち16社はアメリカで創業されたグローバルカンパニーであり、Apple、Microsoft、Google、Amazon、Meta (Instagram, Facebook) といった、みなさんの日常生活にもはや欠かせない製品やサービスを提供する企業が、そのトップを占めます。ディズニーやヒップホップといったアメリカ由来のカルチャーが好きだという人も多いでしょう。
このように身近なアメリカですが、その歴史に遡って、系統的に学ぶ機会は多くありません。「歴史が短い」国であるというイメージが強いことも一因でしょう。しかし、アメリカが世界で最も古い成文憲法を持つ国(つまり、国としての基本システムが最も長く持続している国)であることは知っているでしょうか。それとも意外に感じられるでしょうか。このゼミでは1年間の学習を通じて、見落とされがちなアメリカ社会のさまざまな側面や、現代のアメリカが抱える多様な問題について理解を深めていきます。
春学期は、文献や映像教材、ディスカッションを通じて、アメリカ社会についての基本的知識を身につけます。並行して、秋学期に執筆するゼミ論文のテーマを絞ります。
秋学期は、それぞれのゼミ論文に関連する先行研究についての報告や、研究発表を重ねながら、ゼミ論文を執筆します。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。
この科目を通して、世界の言語、歴史、文化などに関する知識を深め、それらと関連があるビジネスや社会活動について学習し、将来、多様な言語・文化背景をもつ人々と協働するために必要な姿勢やスキルを身に着けることを目的としています。
アメリカの社会や文化についての基本的知識を身につけ、グローバル化する世界におけるアメリカの位置づけ、日本や世界との関係について考察することを目的としています。
到達目標
1: アメリカ社会の特徴について説明できること
2: 日米関係の歴史と現在について説明できること
3: アメリカ社会が抱える諸課題、アメリカと日本・世界が向き合う上での諸課題を提示できること
授業計画と内容
前期
1回 オリエンテーションー2024年大統領選を振り返る
2回 アメリカ先住民の世界
3回 奴隷制度とアフリカ系アメリカ文化
4回 宗教と大学
5回 新国家のグランドデザイン
6回 南北戦争と法の下の平等
7回 都市と自然
8回 戦争の記憶ー太平洋世界のなかの日米関係
9回 郊外幻想とアメリカンファミリー
10回 公民権運動とBlack Lives Matter
11回 性をめぐる政治 ー LGBT 運動
12回 差別是正と多様性
13回 移民をめぐる政治
14回 ゼミ論文構想発表
後期
15回 ゼミ論発表(アウトライン):グループ1
16回 ゼミ論発表(アウトライン):グループ2
17回 ゼミ論発表(アウトライン):グループ3
18回 見学調査第1回 (フィールドトリップ)
19回 見学調査に基づくディスカッション
20回 ゼミ論中間発表:グループ1
21回 ゼミ論中間発表:グループ2
22回 ゼミ論中間発表:グループ2
23回 見学調査第2回(外部セミナー・講演会への参加)
24回 見学調査に基づくディスカッション
25回 ゼミ論最終発表:グループ1
26回 ゼミ論最終発表:グループ2
27回 ゼミ論最終発表:グループ3
28回 最終発表に基づくディスカッション
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎週、課題に指定された文献や映画を予習した上で、ディスカッションポイントについて、自分の考えを事前にmanaba に投稿します。投稿が授業時間内のディスカッションの出発点となるので、授業時間外の取り組みは必須です。平均して週2時間の授業時間外学修が必要です。
また、学会の年次大会や小規模な研究会に参加することで、最先端の研究に触れるとともに、研究発表の方法や論文のテーマの絞り方を学びます。学会や研究会は主に週末に開催されます。春学期・秋学期ともに少なくとも1回参加し、参加レポートを書きます。
また、春学期・秋学期ともに週末を用いて、複数回、アメリカに関連する関東近郊の地を見学調査します。
(例:横田基地日米友好祭、JICA横浜・海外移住資料館、ペリー来航の地=浦賀・横須賀など)
いずれも学修の重要な一部なので、週に1度の教室内の授業だけでは完結しないことを理解した上で履修してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 学会や研究会に1回参加し、参加レポートを執筆すること。 a) 研究発表の正確な理解 b) 疑問発見 の2点を評価します。 |
平常点 | 50 | 各回の課題文献や映像教材に関するディスカッショントピックについて、授業前に自分の考えをまとめた上で、ゼミでの議論に主体的に加わること。 a) 教材の時代背景についての理解 b) 現代の問題と関連させた批判的考察 c) 他者の意見を踏まえて、自分の見解を発展させる力 の3点を評価します。 |
その他 | 20 | ゼミ論文の計画書 ・大きな問題関心から具体的な問いを発する力 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔〔テキスト〕
遠藤泰生・小田悠生編『はじめて学ぶアメリカの歴史と文化』ミネルヴァ書房, 2023年。
ISBN: 9784623094059
{取り上げる予定の映画(一部)]
『ポカホンタス』
『アミスタッド』
『それでも夜は明ける』
『父親たちの星条旗』
『グリーンブック』
『ミルク』
『明日を継ぐために』
その他特記事項
〔実施曜日時限〕
木曜4限
〔募集人数〕
15名
〔募集方法〕
面接試験
〔国外実態調査〕
実施なし
面接で伺うのは、アメリカ社会について、広くどのようなことに関心を持っているのかという点です。
選抜よりも、履修者の関心を把握することに重きを置いた面接です。
〔注意事項〕
専門的な知識は履修の前提としません。ただし、世界のできごとに関する日々のニュースを通じて
得られる程度の一般常識は持っていることを前提にゼミは進みます。
〔アドバイス〕
1年間をかけてゼミ論文を執筆します。具体的なテーマは、各自の関心に基づき、
春学期中に相談の上で決めます。
参考:過年度のゼミ論文のテーマ(一部紹介)
「フィスク・ジュビリー・シンガーズと黒人霊歌」
「ハリウッドにおける表現規制の歴史」
「国際法におけるアフガニスタン戦争の正当性」
「アメコミ映画におけるヒーロー像」
"Ametora as Japanese Culture" (アメトラと戦後日本の服飾文化)
「メキシコの新自由主義経済の促進とアメリカ合衆国への移民の動向」
ベーシック演習、課題演習でレポートや論文の書き方を学んでいない場合、
応募に先立ち、下記の本のどちらかを読み、ゼミでの論文執筆過程のイメージを掴んでおいてください。
*戸田山和久『新版 論文の教室 レポートから卒論まで』NHKブックス、2012年。
(中央図書館 開架 816.5/To17)
*上野千鶴子『情報生産者になる』ちくま新書、2018年。(中央図書館 開架新書 ちくま新書/1352)
[ソフトウェアの利用]
ソフトウェアの利用なし
応募に先立ち、問い合わせたい事項がある場合は
yukioda.00b@g.chuo-u.ac.jp へ