シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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符号理論特論 | 2024 | 前期 | 火2 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 萩原 学 | ハギワラ マナブ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-IG5-5C40
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本授業では、情報通信やストレージシステムにおける誤り検出・訂正符号の理論である符号理論を学ぶ。
WiFiやスマートフォンでの通信データ、ノートパソコンやタブレットに保存したデータは常にデータ誤り(データが壊れ、利用できなくなること)の危険にさらされている。
このようなデータ誤りからデータを保護するため、通信やストレージなどの情報機器では、常に誤り検出・訂正のための符号化、訂正処理が行われている。
誤り検出・訂正符号は、データ誤りを検出し訂正するといった工学的な問題を解決するため、ガロア体(有限体)とよばれる代数学を駆使している.
本授業では、符号理論に必要な代数学の知識を学び、誤り検出・訂正といった工学的な応用を体験することで、数学を工学へ応用する醍醐味を体感する。
科目目的
情報通信の基盤技術である符号理論の学習を通じて、電気電子情報通信分野の専門性を高める。
授業で紹介する符号理論の各技術が、どのような背景のもと、どのような工夫によって開発されたのかを学ぶことによって、問題解決力・知識獲得力・創造力を高めることを目的とする。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
・誤り検出・訂正符号が誤りを訂正する原理について他人に平易な説明ができるようになること。
・ビット反転誤り、消失誤り、削除誤りといった代表的な誤りモデルを説明できるようになること。
・有限体(ガロア体)の代表的な性質を説明できるようになること。
・繰り返し符号、ハミング符号、RS符号、LDPC符号、VT符号の例を挙げられるようになること。
授業計画と内容
(1)ガイダンス:符号理論とは何か
(2)誤り訂正のシナリオ
(3)2元体、ビット反転誤り、ハミング符号
(4)削除誤り、VT符号
(5)ビット反転誤りの数学的記述
(6)線形符号
(7)有限体
(8)RS符号、組織符号化
(9)タナーグラフ、LDPC符号
(10)消失誤り、SP復号
(11)正則LDPC符号
(12)置換符号
(13)量子誤り訂正符号
(14)ネットワーク符号、ネットワーク誤り訂正
ただし、講義の進展状況によっては、上の符号の例に時間をかけて解説したり、順番を変更したり、現在注目されている新たな理論等も紹介する。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業の前後にテキストの該当箇所を読むこと。
また、具体例を計算して理解を深めることが望ましい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 課題に対する回答の正確さ、説明の的確さ。 |
平常点 | 50 | 講義中の発言、特に挙手。 |
成績評価の方法・基準(備考)
評価方法:レポートを評価する。発言内容を評価する。
達成基準:テキストの内容を中心として、授業で学んだ各種の概念の実例を計算・説明できること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
萩原 学編 「進化する符号理論」 日本評論社 2016年発行 2,800円(税別)