シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
文学Ⅰ | 2024 | 前期 | 木4 | 経済学部 | 伊藤 秀一 | イトウ シュウイチ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-IF1-171X
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語/英語/ドイツ語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
19世紀初頭のイギリスとドイツの怪奇幻想小説を読みます、というか読んでもらいます。使用言語が「日本語、英語、ドイツ語」になっているのはそのせいです。たまに部分的に引用するときに、原語も併用することがあるからです。
本来はフランスの作品も取り扱う予定でしたが、岩波文庫が絶版直前ということで採用することができませんでした。フランス語で引用すると多幸感に包まれるのですが、残念です。
科目目的
ロマン主義を代表する英独の作家の散文を読みます。ロマン主義と幻想もしくは非現実というテーマがどのように表現されているのか、なぜそうしたものに現代でも人々が心引かれるのか、考えてみたいと思います。講義は、実際の作品に基づいて行われます。
到達目標
文学の講義で、たぶん日本中の大学で行われている過ちは、その作品についての蘊蓄を教師がひたすら話し、それを学生がノートにとって、試験でそれをお供えするということでしょう。すなわち、作品についての言説だけが交換され、作品自体は実際に手に取ってもらえない。この講義では、作品を実際に読んでいただきます。しかし、ただ「読んでください」と言っただけで、「OK、じゃあ読むよ」とはなりませんよね。なので実際に読まないと試験で困るという仕組みにします。
授業計画と内容
シラバスは共通フォーマットとして14週の授業内容を箇条書きにすることになっています。
1 ロマン主義と小説、小説と想像力とファンタジー(空想、幻想)
2 メアリー・シェリーとイギリスロマン主義、映画『メアリーの総て』(前編)
3 映画『メアリーの総て』(後編)
4 フランケンシュタイン 小説の前半3分の1
5 フランケンシュタイン 小説の中盤3分の1
6 フランケンシュタイン 小説の後半3分の1
7 フランケンシュタインと映画、映画『フランケンシュタイン』(前編)
8 映画『フランケンシュタイン』(後編)
9 ドイツロマン主義とは何か?他国のロマン主義とどう異なっていたか?
10 ホフマン、『クレスペル顧問官』
11 ホフマン、『G町のジェズイット教会』
12 ホフマン、『ファールンの鉱山』、『砂男』
13 ホフマン、『廃屋』、『隅の窓』、ホフマンのその他の作品
14 総括、到達度と理解度を筆記試験形式で確認する。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
教科書という意味を超えて広く書かれたもの一般を指す"text"のカタカナ表記は「テクスト」です。
それはさておき、光文社古典新訳文庫の『フランケンシュタイン』と『ホフマン短編集』、この2冊は入手して読んでもらう必要があります。試験のときにこれらの書物からの引用をページ数とともに示しますので、本がないと参照できません。試験で詰みます。この形式ですと、生成型AIに助力を願っても何も得られません。
テクストを読むという最小限の前提を条件としない「文学」の講義がはびこるなか、この講義では実際に作品を読むことを履修の条件とします。逆に言えば、文庫本2冊の西洋の小説を読むだけで、さほど頭を悩ませることはなく楽しく履修できます。
文学作品を読むのが嫌いな人は、たぶん合わないと思うので履修しないほうがよろしいかと。だって合計750ページも読まされるんですよ。タイパもコスパも悪すぎるでしょ?
そしてもう一つ、同じ「文学1」や「文学2」の講義には3種類あります。ひとつは日本近代文学、これは非常勤の同じ先生が毎年担当します。次に英米文学、これは英語部門の先生が毎年担当します。たぶんどちらもレポートで成績評価でしょう。そして最後に、ぼくの講義もそれに含まれますが、3年に1度回ってくる、日本でも英語圏でもない文学です。みなさんにとって最もなじみが薄い文学です。よほどの海外文学マニアでなければ興味関心が沸くはずがない。特にぼくの講義では哲学や歴史の話も取り扱います。ダルいですね?成績評価もネットやAIに助けてもらえない試験だし。それでも履修したいという方々だけが楽しめる講義だと言えるでしょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 80 | 履修者の数によって「試験」になるか「総括」になるかわかりませんが、揺らぎのない単記解答の試験をします。 |
レポート | 20 | manabaのレポートで何度か課題を提出していただきます。ここでの「レポート」とは、一般にいわれるレポートではなく、課題提出のフォームのことです。提出されるテクストの文字数はさほど多くはありません。講義でぼくがどんな話をしたのかを把握しているかどうかのチェックです。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
光文社古典新訳文庫『フランケンシュタイン』、岩波文庫『ホフマン短編集』。