シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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哲学講義(1)(11) | 2023 | 前期 | 火1 | 文学部 | 土橋 茂樹 | ツチハシ シゲキ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PE3-J301,LE-PE4-J311
履修条件・関連科目等
この授業は対面形式によって行われる。オンライン受講できる者は、学内、 学部で定められた手続きを踏んだ者のみとし、それ以外でのオンライン受講は一切認めない。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、カントおよびカント主義における道徳哲学を中心に考察していきます。半年間(前期)で、カント哲学の一般的な説明から始めて、『純粋理性批判』『人倫の形而上学の基礎付け』『実践理性批判』から『人倫の形而上学』までの、主だったテクストに即して彼の道徳哲学の解明を試みます。その上で、現代倫理学の抱える問題意識に即して、カントおよびカント主義的な道徳哲学がもつ現代的な意義を批判的に考察していきたいと思います。
科目目的
この講義では、以下の3点を目的とします。
① カントの道徳哲学を彼の哲学体系に位置付けた上で、その内容をテクストに即して正確に理解すること。
② カントの義務論的な道徳説が、晩年の徳論によってどのように変化したのか、また、現代のカント解釈によって刷新されたカント主義的な立場がどのようなものとなったのかを理解すること。
③ 現代における倫理学的な問題状況において、カントおよびカント主義の考え方がどの程度有効に機能するのかを検証すること。
到達目標
カントの哲学書は、和訳本で読んでもカント特有の言葉遣いや専門用語が多すぎてわかりにくいものですが、カントが考え、展開した哲学的主張を自分なりの言葉で説明できるよう目指してください。
その上で、カントの道徳哲学が現代のさまざまな倫理的問題に対してどの程度有効であるのかを、自分なりに批判的に吟味できるようになることをこの講義の最終目標として掲げたいと思います。
授業計画と内容
1. イントロダクション
2. カント哲学の一般的説明(『純粋理性批判』を中心に)
3. カントの道徳哲学構想(『人倫の形而上学の基礎付け』)
4. カントの自由論(『実践理性批判』を中心に)
5. カントの法論(『人倫の形而上学』)
6. カントの徳論(『人倫の形而上学』)
7. 到達度確認のための質疑応答
8. 現代カント主義の研究:構成主義(O. オニール)
9. 現代カント主義の研究:規範性の源泉(C. コースガード)
10. 現代カント主義の研究:「尊敬」概念の展開
11. カント(主義)の「個人」概念の批判的考察
12. 功利主義や徳倫理学との関係について
13.カント(主義的)道徳哲学の現代的意義について
14.総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
できる限りカントの(和訳)テクストを自分なりに読み進めることが望ましいので、毎回、事前に配布するプリントに引用されたカントのテクストを何度も熟読し、自分なりの読書ノートを作成してから授業に臨むようにしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 65 | 講義で取り上げた主題について、最長でも3,000字、2000字以上を目安に、小論文を提出してもらいます。 |
平常点 | 35 | 毎回の講義に関して、manabaの「レポート」機能を使って、簡単な問いに答えてもらう。講義は14回あるので、2.5 x 14=35とカウント。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
カント関係の翻訳書はたくさんありますが、講義で使用するテクストは毎回pdf文書化したものをmanabaにアップするので、特に購入する必要はありません。その他の参考文献に関しては授業でその都度、指示します。