シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総合教育科目演習Ⅰ(社会) | 2024 | 通年 | 木2 | 経済学部 | 森 いづみ | モリ イヅミ | 1年次のみ | 4 |
科目ナンバー
EC-IF1-21XS
履修条件・関連科目等
特にないが、社会学と教育に関心があることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
本演習では、現代日本の教育のあり方を社会学の視点から読み解く。我々がこれまでの人生で影響を受けてきた学校や教育システムについて、社会学のものの見方やデータを用いて考察することで、「あたり前」がいかに違って見えるかを体得する。
科目目的
初年次の演習科目として,教育社会学の学問分野を例に,文献の読み方や報告のしかたについて学ぶ.演習の中盤で,各グループの関心にもとづいた問いの立て方を学ぶ.演習終了時までに,各参加者がグループの関心に合った初歩的なデータを収集・分析する機会を得る.
到達目標
文献講読や報告を通じて,現代日本における教育の特徴が何であるのかを考え,自分の言葉で語れるようにする.その際に,何らかの事実やデータを活用しながら,個人の主観や経験にとどまらない学術的な考察ができるようになることが目標である.
授業計画と内容
春学期は苅谷剛彦著『学校って何だろう:教育の社会学入門』(ちくま文庫,2005),秋学期は恒吉僚子著『人間形成の日米比較:かくれたカリキュラム』(中公新書,1992)を講読する.第1~4回目の授業では全体で文献の講読のしかたやレジュメの作り方について体得する,5回目以後の授業では,受講生が分担して各回の文献報告を担当する.
春学期の終わりに,それまでの講読や議論の内容をふまえたレポート課題を出す.秋学期の初めにはそのレポートを発表してもらう.報告や発表の際に必要となるPCソフトの使い方や文献の探し方については,演習期間内に講習会の機会を設け,各自が必要なスキルを習得できるようにする.秋学期の最後に各グループが収集したデータについて報告する.
以下,各回の内容を記す.
第1回 イントロダクション:本演習の内容と進め方
第2回 勉強することの意味
第3回 試験のしくみ
第4回 Word講習
第5回 校則はなぜあるのか
第6回 学校で教える知識はどう決まるか
第7回 ばらつきの少ない日本の教育
第8回 隠れたカリキュラム
第9回 PowerPoint講習
第10回 学校と社会のつながり
第11回 生まれと成績・学歴
第12回 図書館講習(情報検索のしかた)
第13回 問いの立て方と展開のしかた
第14回 研究課題探索と決定
第15回 夏期レポートのプレゼンテーション前半
第16回 夏期レポートのプレゼンテーション後半
第17回 日本の小学校と協調行動
第18回 アメリカの小学校と指導の個別化
第19回 内在型と外在型の同調モデル
第20回 親子関係の日米比較
第21回 Excel講習
第22回 個票データを用いた分析(SSJDA Analysisの紹介)
第23回 アメリカの都市貧困地帯における集団管理
第24回 日本的な集団管理の特徴
第25回 内から見る日本,外から見る日本
第26回 「日本的」モデルの変容
第27回 収集データのプレゼンテーション前半
第28回 収集データのプレゼンテーション後半
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業では、次回の授業で必要となる事項を口頭およびプリントなどで伝えるので、各自予習して授業に臨むこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 50 | 夏休みと冬休みにレポートを課す。課題を適切に分析し、論理的な文章であること。 |
平常点 | 20 | 授業における発言や取り組み姿勢。議論に積極的に参加して、自分の意見を述べられること。 |
その他 | 30 | プレゼンテーションの内容と進捗状況(春学期1回と秋学期1回)。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
各回で学ぶ内容に必要な事柄に関しては前の週に通達するので、予習および必要な知識を整理しておくこと。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
東京大学社会科学研究所SSJデータアーカイブにて,社会調査データの寄託やアーカイブ運営に関する実務を担当した(2015-2021年).国立教育政策研究所にて,OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の社会経済文化的指標に関する指導助言を行う(2023年-現在).
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上記の経験をもとに,授業で扱うテーマに関する社会調査の実例を紹介し,統計的な分析結果を読む際のポイント等についても解説する.
テキスト・参考文献等
<テキスト>
苅谷剛彦著『学校って何だろう:教育の社会学入門』(筑摩書房,2005)
恒吉僚子著『人間形成の日米比較:かくれたカリキュラム』(中央公論社,1992)